
京都と大阪の府境に位置する大山崎町。その地に誕生したアート&テクノロジー・ヴィレッジ京都(ATVK)の一角に、2026年6月1日、食・農・福祉・ものづくりが一体となったユニークな複合施設「B.B.B HOUSE」がグランドオープンを迎えました。「働くこと」と「生きること」が自然につながる、新しい場所の誕生です。
■ATVKという実験の場
大山崎町に構えるATVKは、アートとテクノロジーが交差する複合施設です。京都と大阪のちょうど境目、新幹線が走り抜けるこの場所は、一見すると静かな田園風景の中にあります。しかしその内側では、地域文化の担い手たちが“バックヤード(裏方)”の力を見直し、社会の新たな価値を生み出す実験が日々続けられています。ATVKには10年という活動期間が設けられており、ここで育まれた仕組みやノウハウをやがて全国へ広げていくという大きなビジョンが根底にあります。その広大な敷地の中に2026年6月1日、ついに「B.B.B HOUSE」が産声を上げました。

■「B.B.B HOUSE」が大切にする3つの「B」
B.B.B HOUSEが大切にしているのは3つの「B」です。「B」は、B面やB級品という言葉のように、答えが一つではないことを肯定し、物事の見方を変えること。「Be」は、何かを持つことや行うことよりも“在ること”そのものを大切にする姿勢。「Bee(働き蜂)」は、誰かのために働くことを肯定する思いを指します。

社会が見過ごしてきた“B面”に光を当て、働くことと生きることが自然につながる場所——それがB.B.B HOUSEです。社会福祉法人向陽福祉会の高桑美英子理事は「福祉が特別なものではなく、暮らしの風景に溶け込んでいく可能性を大切にしたい」と語ります。支援と創造のあいだに新しい関係性を育み、「福祉だから」ではなく「福祉からこそ」生まれる価値を形にしていく——そんな志がこの場所には息づいています。

B.B.B HOUSEの中には、個性豊かな3つの施設が共存しています。
■B.B.B HOUSEを彩る3つの顔
就労支援B型施設を併設した「Jam Laboratory & Cafe EFUDE」は、地域の季節の食材から生まれるジャムや軽食を提供するカフェです。障がいのある方々が丁寧に仕込んだジャムや、旬の素材を活かした軽食は、食を通じて地域と福祉をおいしくつなぐB.B.B HOUSEの中核を担っています。

「Vanilabo」はバニラのスペシャリストたちが集い、スパイスやバニラビーンズの価値を掘り起こしながら生産者と消費者をつなぐプロジェクトです。さらに「Kyoto Vanilla Beans」としてバニラビーンズやバニラを使った商品の販売も展開し、新しい食文化の発信拠点となっています。

カフェ、研究、販売——それぞれ異なる役割を持ちながら、B.B.B HOUSEという一つの屋根の下で互いを補い合い、全体として豊かな循環を生み出しています。訪れるたびに新しい発見があるこの場所は、ただ食事をするだけでなく、人と地域とのつながりを感じられる空間です。
■グランドオープンの感動——セイロ蒸しベーグルという新発想
2026年6月1日のグランドオープン当日、訪れた人々を驚かせたのがセイロ蒸しという調理法を取り入れたベーグルです。旬の野菜を先にセイロで蒸し、その後ベーグルを加えて一緒に仕上げるという工程。「ベーグルは硬そう」というイメージを真っ向から覆す、もちもちとした柔らかな食感が生まれました。

試食した方からは「お年寄りでも食べやすい、新発想やな」という言葉が自然にこぼれ、スタッフもその反応を喜びとともに受け止めていました。人参の手作りドレッシングは素材の甘みが際立ち、丁寧に裏ごしした滑らかなスープは「丁寧に作ってるんやろうな」と来店者を唸らせました。どの一品にも、食べる人の身体と心に寄り添う真摯な思いが宿っています。

野菜は市場から仕入れながらも、ボリュームと価格のバランスを大切に。「これだけの内容でこの価格は、なかなかないで」という来店者の声が、この場所のあり方を物語っていました。食べることを通じて、誰かの仕事と誰かの暮らしがつながっていく——B.B.B HOUSEのカフェはそんな豊かな体験を提供しています。
■大山崎から始まる、新しい循環
地域の農家や伝統工芸、障がいのある人の創造力を福祉と結びつけ、全国へ広げていく——ATVKはその10年のモデルを大山崎で育てています。地域の困りごとを解決することで感謝と対価が生まれ、働く人の収入も向上していく。福祉が地域にとって不可欠な存在になる未来を、この場所から少しずつ描いているのです。

「Bのかたちが変わる。AとBが変わる。Bのなかに、新しい社会がある。」——B.B.B HOUSEの言葉が示すように、ここはまだ始まったばかりです。大山崎の地で静かに、しかし確実に育まれているこの場所に、ぜひ一度足を運んでみてください。きっと、あなたの中の“B面”が輝き出すはずです。
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【施設情報】
施設名:B.B.B HOUSE(ビービービーハウス)
所在地:〒618-0071 京都府乙訓郡大山崎町字大山崎小字鏡田30番地1(ATVK内)
電話:075-921-0026 FAX:075-932-8989
オープン:2026年6月1日
【SNS】Instagram EFUDE




