「スポーツをきっかけに、地域のつながりを育みたい」戸田市ボートのまちづくりコンソーシアム・吉田尚史さん

戸田公園周辺の新たな魅力や可能性を探る「戸田公園周辺まちづくりプロジェクト」。全2回にわたり行われたワークショップでは、市民や地域事業者、ボート関係者が集まり、戸田公園周辺のにぎわいづくりにつながるアイデアについて意見を交わしました。

今回お話を伺ったのは、「戸田市ボートのまちづくりコンソーシアム」の一員としてワークショップに参加した吉田尚史さん。小学生の頃から戸田公園周辺で暮らしてきた吉田さんは、地域のつながりが薄れつつあることに課題を感じる一方、戸田公園には人を呼び込める可能性があると考えています。

戸田公園の魅力をどう生かし、地域のにぎわいにつなげていくのか。吉田さんが考える公園の可能性と、今後のプロジェクトへの期待を伺いました。

市民目線のアイデアに感じた、実現への期待

ワークショップでグループの意見を全体に共有する吉田さん

吉田さんが今回のワークショップに参加したのは、戸田市が進める「戸田市ボートのまちづくりコンソーシアム」事業に、町会の代表として参加していたことがきっかけでした。

同コンソーシアムは、「ボートのまち戸田」の魅力を発信し、地域の活性化につなげることを目指す取り組みです。吉田さんは、ボートコースに隣接する旭が丘町会の代表として、約2年前から活動に関わっています。

これまでの会議では、市が実施した取り組みを振り返り、今後の活動や改善点について意見を交わしてきました。一方、今回のワークショップでは、これまでとは少し違った手応えを感じたといいます。

吉田さん「今回のワークショップは、より市民に近いというか、具体性があると感じました。ひょっとしたら実現できるんじゃないか、というアイデアも多かったですね」

話し合いでは、公園そのものの整備といった大規模な構想だけでなく、バーベキューなどの企画やキッチンカーの活用といった案も挙がりました。大きな予算をかけなくても実現できそうなアイデアがあり、吉田さんも期待を感じたといいます。

魅力はあるのに、訪れる目的が少ない。戸田公園の課題と可能性

川沿いに芝生が広がる、開放的な戸田公園周辺

吉田さんが課題に感じているのは、戸田公園を訪れる目的が少ないことです。

吉田さん「戸田公園自体が全然メジャーじゃないので、知っている人たちしか遊びに来ないという感じなんですよね。自分は散歩でよく行きますけど、多くの人にとっては行く目的がないんです」

一方で、景観や公園内の環境には魅力があるといいます。

吉田さん「景観はいいと思うんです。公園の中も大きい木が多くて、異世界のような、落ち着いた雰囲気があります」

自宅近くの荒川の土手には、散歩やランニングを楽しむ人が多く訪れているそうです。土手と公園の間にはフェンスがあり、行き来しにくい場所もあることから、土手から公園に入れる場所が増えれば、立ち寄る人も増えるのではないかと吉田さんは考えています。

また、公園内の設備や空間の使い方にも、改善の余地があると話します。

吉田さん「今の戸田公園には健康器具が3基しかないんです。公園の外周にもっと設置したり、子どもが遊べる場所をつくったり、真ん中の森は休んだり遊んだりする場所にしたり。そうやって戸田公園に来る目的を増やせば、人も増えてくるんじゃないかなと思います」

スポーツをきっかけに、地域のつながりを育む

2回目のワークショップ後には懇親会も開かれ、参加者同士が交流を深めました。

公園に人が集まるきっかけとして、吉田さんが考えているのがスポーツの活用です。吉田さんは以前から、モルックやラウンドネットを通じたコミュニティづくりに取り組んでいます。こうした活動は、戸田公園周辺のにぎわいを考えるうえでも、ヒントになりそうです。

モルックは、木製の棒を投げて数字の書かれたピンを倒し、得点を競うフィンランド発祥のスポーツです。一方、ラウンドネットは、中央に置いた円形のネットにボールを打ちつけてラリーを楽しむ、アメリカ発祥のスポーツです。

吉田さん「戸田市は、昔から住んでいる人たちがかなり高齢化していて、町会もだいぶ機能しなくなってきました。コロナ以降、防災活動も含めて、町会の活動があまり活発でなくなってしまった。そういったこともあって、別のコミュニティをつくっていかなきゃいけないという気持ちがあります」

こうした活動の背景には、防災への思いもあります。防災士でもある吉田さんは、災害時に地域で助け合うためには、日頃から顔の見える関係を築いておくことが大切だと考えています。スポーツを通じた交流も、地域のつながりを育む取り組みの一つです。

町会の人たちを誘って開いたモルックの体験会には、7人が参加しました。モルックとラウンドネット、それぞれの魅力について、吉田さんはこう話します。

吉田さん「モルックは年齢や体力関係なく、誰でも参加しやすいんです。もうちょっと運動したいなという方には、ラウンドネットもおすすめです」

モルック&ラウンドネット体験会のお知らせ

吉田さんが取り組むモルック&ラウンドネット体験会の情報はこちらです。

【開催日時】2026年11月15日(日)13時〜16時(雨天中止)
【会場】戸田公園 聖火台 横の広場
【対象】小学生以上(初心者歓迎、ご家族・お友達・お一人様もOK)
【費用】無料
【参加申込】不要(当日、直接会場にお越しください)

こうした地域での実践を、今後は戸田公園にも広げていきたいと考えている吉田さん。スポーツをきっかけに人が集まり、交流が生まれることが、公園周辺のにぎわいづくりにもつながると期待しています。

取材・文:mio.h(記事一覧)