神戸市御影にある弓弦羽神社(ゆづるはじんじゃ)は平安時代から続く古社で、八咫烏(やたがらす)を神使とし、近隣住民に信仰されています。ですが、一方でフィギュアスケートの羽生結弦さんのファンたちの隠れ聖地としても知られていて、近年では全国からたくさんの人がお詣りに来ることでも有名です。
そんな弓弦羽神社の魅力をご紹介します。
住宅街の中に静かにたたずむ神社

弓弦羽神社は神戸・御影の住宅街を抜けたところにあります。最寄り駅は阪急神戸線の御影駅。ここから住宅街を抜け、緩やかな坂になった公園を兼ねた参道を登っていくと弓弦羽神社の鳥居が現れます。

この辺りは神戸の中でも高級住宅地。もともと落ち着いた雰囲気の街並みではありますが、歩いて5分ぐらいの道のりの弓弦羽神社に到着するころには車の音が遠のき、木々のざわめきが耳に届くほど静かになり、神事にふさわしい凛とした空気に変わります。そんな神聖な場所に今回足を運んでみました。
弓弦羽神社のやたがらすは勝利に導いてくれるシンボル

弓弦羽神社でやたらと目にするのがシンボルやたがらすです。やたがらすは神武天皇の東征の際に道案内をしたとされる、日本神話に登場する三本足のからすのことです。そのことから、勝利に導いてくれるシンボルと言われて、サッカー日本代表のエンブレムにも描かれるようになったそう。

それもそのはず、実は御影はサッカーともゆかりがあり、日本サッカー発祥の地ともいわれています。現在の神戸大学教育学部の源流となる御影師範学校で、日本初のサッカーチームができたことを皮切りに、高校選手権大会で兵庫県代表は数多くの優勝を手にしてきました。境内にはサッカーボールの御影石が祀られていました。そのサッカーボールにもやたがらすが描かれています。そんなところから、サッカー関係者やファンが必勝祈願に訪れることも多いようですよ。

弓弦羽神社では、そのほかにもあちこちにやたがらすの姿が見られます。
こちらは手水舎です。からすの口から水が出てきます。よく見ると足の数は3本。やたがらすですね。

こちらは弓弦羽神社のマスコット、ゆづ丸です。こちらも3本足のやたがらすです。
羽生結弦選手と弓弦羽神社の不思議な縁
弓弦羽神社が羽生結弦さんのファンの聖地となったのは、彼のファンが神社のお守りを彼に送ったことがきっかけといわれています。
神社の名前が羽生結弦さんと似ているということや彼自身も勝負ごとに取り組んでいたというところから、何か惹かれるものを感じたのでしょう。実際に羽生さんが選手時代に弓弦羽神社に何度かお詣りに来たこともあるそう。彼は東日本大震災の際に、自身も仙台で被災したということもあり、東北の希望になりたいと決意し、その際に絵馬を書いて奉納されたようです。

そんなところから、彼のファンが集まるようになり、羽生さんの試合前には絵馬に優勝祈願や健康祈願をするようになったと言われています。また、3本足のやたがらすというところから、足の神様としても崇められているようです。羽生さんが足をケガした時には、足が治るようにファンが絵馬に願掛けをしたといわれています。現在、羽生結弦さんはプロに転向されましたが、現在もなお、絵馬には応援メッセージを残していくファンたちが多くいるようです。

弓弦羽神社の境内には大きなムクノキの神木があります。静寂の中にありながら、荘厳な空気を感じるのはこのムクノキの神木が神社全体をお守りしているからかもしれません。弓弦羽神社の広い境内を一周すると、自然と気持ちが清められる気がします。神戸で観光に疲れたら、是非弓弦羽神社に足を運んでみてください。きっと落ち着いた気持ちが取り戻せますよ。
結弦羽神社の詳細情報
住所:〒658-0048 神戸市東灘区御影郡家2丁目9−27
電話番号:078-851-2800
授与所:午前9時~午後5時 まで
アクセス:阪急神戸線御影駅より徒歩5分、阪神本線御影駅より徒歩15分、JR神戸線住吉駅より徒歩10分




