草津温泉といえば、日本屈指の名湯。そんな温泉街の一角にあるのが、群馬の郷土料理ひもかわうどんを味わえる店「ひもかわ釜吉(かまきち)」です。
群馬の桐生エリア発祥のひもかわうどんは、幅広の麺が特徴。その見た目のインパクトと、もちもちとした独特の食感が人気です。
草津温泉街でこの味を楽しめる店は限られており、観光客にも地元の方にも親しまれています。
草津三湯のひとつ「西の河原露天風呂」のすぐそばに

草津三湯のひとつに数えられる「西の河原露天風呂」の入り口近くに、「ひもかわ釜吉」はあります。

このエリアには足湯も整備されており、露天風呂に入らなくても温泉の雰囲気を気軽に楽しめるのが魅力です。湯上がりや散策の途中に立ち寄る人も多く、観光と食事のどちらも楽しめる立地になっています。
店に入ると、思ったよりもだしの香りは控えめ。この店の名物は、温泉卵をのせて仕上げる「釜玉うどん」でもあるため、かつおや醤油の香りよりも、小麦の香ばしさと湯気の温かみが店内を包んでいました。
豚しゃぶと温泉卵が絡み合う、釜玉ひもかわうどん

今回は、ひもかわ釜吉でも人気の「釜玉ひもかわ 豚しゃぶ(税込1,280円)」を注文しました。
運ばれてきた瞬間、まず目を引くのはその器。木の手桶を使った盛りつけで、見た目がとてもかわいらしいんです。
器の中には、幅広のひもかわうどんがゆったりと並び、その上に甘辛く味付けされた豚しゃぶ、サクサクの大葉の天ぷら、かまぼこがのっています。
温泉卵は別添えで提供され、自分の好きなタイミングで入れられるスタイル。食べる前に店員さんが「卵を入れて薄くなったら教えてね。味、追加するから」と声をかけてくれるのも嬉しいポイントです。こうした気配りに、この店の温かさを感じました。

まずはそのままひと口。麺は幅広で、つるりとした口あたり。もちもちとした弾力がありながら、噛むと柔らかくほどけていきます。すでに豚しゃぶとうどんには味が付いており、そのままでも十分に満足できる濃さ。

温泉卵を割って絡めると、黄身のまろやかさが全体を包み込み、甘辛い豚しゃぶとの相性が一気に引き立ちます。大葉の天ぷらがほどよい香ばしさを加え、かまぼこが食感のアクセントになっていました。
途中で卓上の七味を少し振りかけると、味の輪郭が変化。甘辛い豚しゃぶにピリッとした辛味が加わり、卵のまろやかさと合わさって箸が止まらなくなります。
なお、すでにしっかり味が付いているので、卵を入れた後に味の追加をお願いする必要はありませんでした。
リピートしたいほど他にもメニューが豊富

店内のメニューには、季節限定のうどんもいくつか並んでいました。
ひとつは、すだちの輪切りが浮かんだ「冷しすだちうどん」。透き通るつゆの上に薄く並んだすだちが印象的で、暑い時期の草津で食べたら気持ちよさそうな一杯です。
もうひとつは、同じく限定の「豚辛つけめん」。幅広のひもかわをピリ辛のタレにつけて食べるスタイルで、メニュー写真からもボリュームと迫力が伝わってきました。

そして、ほかにも気になったのが「舞茸天ざる」。実際に注文している人の姿も多く、今回注文した釜玉ひもかわ豚しゃぶと同じくらい出ていた印象です。群馬県六合(くに)地区産の舞茸を、農家から直接仕入れているそうで、香りがよく、地元の素材を大切にしていることが伝わります。
どのメニューも、幅広の麺の個性を生かした内容で、次に訪れたときはぜひ試してみたくなるものばかりでした。
おわりに
「釜玉ひもかわ 豚しゃぶ」は、見た目の迫力に負けない満足感のある一杯でした。幅広の麺はもちもちで食べ応えがあり、豚しゃぶと温泉卵の組み合わせが最後まで飽きさせません。
観光地の中心にありながら、落ち着いた雰囲気で食事ができるのも魅力。草津らしい温泉街の空気を感じながら、ゆっくりうどんを味わえます。
定番はもちろん、季節限定にも魅力的なメニューがいっぱいあるので、ぜひお気に入りの一杯を見つけてみてください。
ひもかわ釜吉
住所:群馬県吾妻郡草津町草津469−6
定休日:なし
営業時間:10:00〜15:00
電話番号:0279-82-1517




