地方創生メディア  Mediall(メディアール)

オンリーワン・ナンバーワンがそこにある 応援の循環を作る 地方創生メディア

スポット  |    2025.11.12

北浦和で育まれる“ゆるやかな”つながりの場|父の研究所を再生「まめたんく」のこれから【後編】

前編では、根岸毅(つよし)さんの父、栄三郎さんがこれまでに歩んできた研究の足跡と、その歴史を感じることができる建物についてお話ををお伺いしました。

後編では、残された建物を仲間とともに再生、新しい命を得て動き出したストーリーをお伝えします。

前編はこちら

北浦和で育まれる“ゆるやかな”つながりの場|父の研究所を再生「まめたんく」のこれまで【前編】

頼まれごとから始まった「まめたんく」

選挙事務所を探している人がいて、いろいろ探しているうちにこの場所を見つけてくれたそうで「貸していただけませんか?」と言われたことが「まめたんく」のスタートです。

この場所は父の逝去以来、物置小屋としてしか使っていませんでした。だから、選挙事務所として使用するときは、あらゆるものをとりあえず違う場所に寄せて、動かして…笑。

選挙事務所としてお貸しする際にも、利用代金は別にいいよと。ただ、この場所を片付けるのを手伝ってもらえたらと話したところ、快く引き受けてくれたのが「ちーくん」でした。

「僕にとって、この場所の歴史とか、根岸さんから聞く話はとても魅力があって。それに、根岸さんから『地域のために何かできないかな』というのを聞いて、そういうのもひっくるめて一緒に何かできたらいいなと…。それで、片付けを始めたんです。片付けは、できる限りお金がかからないような方法を探してコツコツと荷物を整理していきました」(ちーくん談)

※片付け前の「まめたんく」

※みんなでDIYをしてクッションフロアに

ーーー自然な流れで出会いを果たしたおふたり。そこから、人のつながりがだんだん増えていき、2023年11月に「一般社団法人まめたんく」を設立しました。

つながる「手」広がる「人の輪」

まりかさんとの出会いもその頃。その出会いもとても大きいものでした。彼女はあの通り、顔が広いですからね。まさに「北浦和の顔」です。彼女を介して、いろんな方と出会う事ができました。

ご縁がつながりテレビにも出させていただきました。

「まめたんく」には開かずの金庫がありましてね、それを開けていただきまして。その中には父の歴史を語るためには欠かせない会社の資料などが多くありました。今は、それらも含めて大切に仕舞っています。

「まめたんく」名前に込められた思い

ーーー小さな頃の毅さんのニックネームでもある「まめたんく」という名前。これには、また別の思いも込められているといいます。

「豆の貯蔵庫」という意味も持たせています。いろんな方が集まって、そこから新しい芽が育っていって…。それが実ったら素敵だなぁという思いもあって。

ここへ集まる人は、少しずつ増えています。

現在は、

・ヨガクラス
・育児サークル
・ワークショップ
・マルシェ

など、様々な催し物が開催されています。

ーーーこのように活用されている「まめたんく」。イベント開催の拠点の一つとしても利用されるようになり、地域の中での役割を担いつつあります。

その人の得意って、色々あると思うんです。その「得意」を持ち寄って、みんなで集まる事ができたら、いろんなことが実現できそうです。みんなで「参画」して少しずつ、小さな歩みで作り上げていく。そう、ゆっくりでいいんです。

と、話す毅さん。

「まめたんく」を筆者に案内する毅さん

ーーー「まめたんく」の急ぎ足ではない歩み方。これも、大きな魅力のひとつです。

ここへ魅力を感じて集まった人のつながりが少しずつ広がっていくことで、新しい「何か」が生まれそうな予感がします。

栄三郎さんの歴史がぎゅっと詰まっているこの場所で、新しい人たちとのつながりが生まれ、そこへ集まる人たちの間で「新たな思い出」が生まれる…。

ゆるやかなつながりが生まれる、フリースペース「まめたんく」のこれからが楽しみでなりません。

一般社団法人 まめたんく

住所: 埼玉県さいたま市中央区新中里1丁目9−15
アクセス:北浦和駅から徒歩12分
Instagram
facebook

記事をシェアする

この記事を書いた人

はる

さいたま市在住の取材ライター。地元民だからこそ知り得る、個人店やマルシェ等のイベントをこれまでに200ヶ所以上訪れる。地元民でも意外と知らない「ヒト・モノ・スポット」をお届けします。趣味は「ひとり呑み」「カフェ巡り」お酒とコーヒーが私をこよなく幸せにしてくれます。

関連記事