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スポット  |    2025.09.30

高知発の木のおもちゃが神戸・元町で愛され続ける理由|国産材使用「なかよしライブラリー」の魅力

神戸・元町商店街を歩いていると、木の香りに誘われて足を止めてしまうお店があります。高知発の木のおもちゃ専門店「なかよしライブラリー」神戸店です。 国産材で作られた木のおもちゃが並ぶ店内は、大人も子どもも思わず手に取りたくなる魅力的な空間。何度か親子で通ううちに、このお店のものづくりへのこだわりが気になって、店長の毛利さんに詳しくお話を伺いました。

一人の保育士から始まった物語

約40年前、高知で保育士をしていた濱田正志さんが「本当に安全で、子どもが心から楽しめるおもちゃを作りたい」と創業。角を丸くし、無塗装で仕上げた木のおもちゃは、国産材・自然素材で化学物質を極力使用しません。香川の自社工場で職人が一つひとつ丁寧に手作りする品は保育園で使われたり、皇室ご愛用品にも選ばれるなど、世代を超えて親しまれています。

『なかよしライブラリー』という名前に込められた思い

その名前には、図書館のような存在でありたいという願いが込められています。 図書館の片隅にある、私が手に取ったことのない本も、誰かにとってはかけがえのない一冊。木のおもちゃも同じで、たった一人の子どもを笑顔にできれば十分に意味がある——そんな思いが込められているそうです。

五感で感じる木の魅力

お店に入ると包み込まれるのは、天然木材そのものが発する香り。手に取った色とりどりの積み木たちは薄緑や光沢のあるグレー、柔らかなピンク。「木ってこんなに色彩豊かなんだ」と思わず見入ってしまいます。
「これは欅、これは桜…」と店長の毛利さんは控えめに、でも澱みなく教えてくれます。店頭には手づくりの木材サンプルもあるので、ぜひ手に取ってみてください。(画像は「そだちの積み木」)

世代を超えて愛される理由

家族で使える家具が並ぶ2階で、毛利さんが見せてくれたのは約20年前に購入された木のおもちゃ。修理のためにお客様が持ち込んだものですが、破損箇所以外は驚くほど健やかで、むしろ年月を重ねて飴色に変わった木肌が美しく輝いていたのが印象的でした。(2つ並んだおもちゃの左は、修理に持ち込まれた品。右は今も販売されている「ころころ動物」)

「普段のお手入れには自然のオイルが一番です」と毛利さん。なかよしライブラリーでは、亜麻仁油を主成分とした「リボスオイル」を使っています。赤ちゃんがなめても安心で、乾燥や汚れから木を守ってくれる頼もしい存在です。たとえばクレヨンの跡なら、オイルを染みこませたスポンジで軽くこすると消え、水性マジックの場合も、やすりで表面を削ってから塗り込めば元どおり。半年から1年に一度、仕上げに布で磨いてあげれば、すべすべとした木肌を長く楽しめます。

子どもの自由な発想が光る「木育プレイルーム」

1階の予約制「木育プレイルーム」は、かつて創業者が工房として使っていた空間を改修したもの。子どもたちは滑り台や木のボールプールで思いきり体を動かし、保護者はカウンターでくつろげます。
家族3代や友人同士で訪れる姿も多く、ひと家族1時間880円で利用できるのでぜひ予約してみて下さい。

「毎回驚かされるのは、子どもたちの自由な発想」と毛利さん。電話のおもちゃをレジスターに見立てたり、ボールプールの中から卵型のボールを見つけて卵屋さんごっこをしたり。木の手触りや音、香りを確かめながら想像力豊かな遊びが自然と広がっていく空間です。

「ものづくりへの愛」があるお店

毛利さんご自身、子どもが生まれたことをきっかけに「本当に安心できるおもちゃ」を探す中で、このお店と出会いました。実際に手にした時の木の香りや手触りに心を動かされ、スタッフとして働くことを選んだといいます。おすすめとして手に取ってくれたのは「グッド・トイアワード2025」を受賞した「ロボットクン」。大切に手入れされ、世代を超えて愛されるおもちゃ。お店の温かい空気は、スタッフ一人ひとりの「ものづくりへの愛」に支えられています。

神戸で見つける、家族の宝物

元町商店街という神戸の日常に溶け込んだ場所にある「なかよしライブラリー」。ここで出会う木のおもちゃは、家族の成長とともに色を深め、思い出を重ねていきます。神戸を訪れる際は、ぜひ足を運んでみてください。きっと、大切な人との時間を豊かにするおもちゃたちと出会えるはずです。

【なかよしライブラリーの店舗情報】

住所: 兵庫県神戸市中央区元町通5丁目7-11
電話:078-599-8288
時間:土日祝日10:00~19:00/平日11:00~18:00
定休日:水曜日
駐車場:なし(アーケード内なので、ベビーカーでそのまま店内に入れます)
Instagram:https://www.instagram.com/nakayoshi.kobe/
公式サイト:https://wooden-toy.net

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この記事を書いた人

sakumi

京阪神を起点に、日帰りできるエリアを行ったり来たり。 気軽にふらりと立ち寄って、その土地の魅力を切り取りお届けします。

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