前編では、イセキさんがどのようにセラピストとしての道を歩んできたのか。「ほゆのり」というサロンに込めた思いや願いを伺いました。
ご自身の不具合をきっかけに自然療法と出会い、体験したものだけを大切にお客様へ届けたい…。その姿勢が、10年続くサロンの礎となっていることが伝わってきました。実際にその空間で過ごし、施術を受けてみるとどんな変化や気づきが得られるのでしょうか。
後編では筆者自身が「ほゆのり」のトリートメントを体験し、その一部始終をレポートします。
そっと私に寄り添う「ほゆのり」のトリートメント体験
イセキさんの施術は「あたたか」で「やさしい」。
私が体験したのは、ホットストーンとハーブ蒸しのコース(90分)。ほゆのりへ到着した瞬間から、「あたたかでやさしいひととき」は始まっています。

落ち着いた照明の部屋に、BGM。椅子に腰掛けると、提供されるハイビスカスティーの香りに癒されます。あらかじめ用意されていたフットバスで、足元からじわじわと温まっていきます。

90分の施術、まずはハーブ蒸しから。ハーブ蒸しに用いられるハーブ類は、事前のカウンセリングの内容からイセキさんが選んだもの。

一つひとつのハーブの特徴をイセキさんから聞き、実際に香りを嗅いでみます。私のために配合されたハーブです。ブレンドされたハーブ類は湯の中から芳香を放ち始めていて、すでに部屋中にいい香りが広がっています。
淡いピンクのダブルガーゼ製ケープを着用し、いよいよハーブ蒸しを体験します。ハーブ蒸し専用の椅子に座り、傍らにはお水とハイビスカスティー、冷たいタオルも。

ここから30分は「私だけの時間」です。

頭まですっぽりとケープを被り、ハーブの香りを行き渡らせるのもよし、頭を出して涼むのもよし。身体の状態を観察し、「私だけの心地よさ」を確かめるひとときです。
じわじわと温まりゆく、私の身体。汗が吹き出る状態を静かに見つめるひとときを楽しむ時間です。
「こんな風に、私のことだけに集中したことは久しぶりかもしれない」。そう、気づきます。
イセキさんの話す、「お客様に『私が私で居られる時間』を大切にしてほしい」という思いを感じつつ、いい香りに包まれたひとり時間を思う存分満喫します。
このひとときをつくるまでのプロセス、一つひとつの心遣いが温かく優しく沁みわたっていきます。
心身一体だからこそ、身体を緩ませ心を解放する
身体がハーブ蒸しによって温められた後、ホットストーンセラピーへ。

ブレンドしていただいた精油をホホバオイルで希釈し、それを使用して施術していきます。
ホットストーンは、マグネシウムや鉄、ミネラルを多く含み、温かさを長時間保つことのできる玄武岩を。あらかじめ湯で温められたホットストーンを手に持つと、その温かさが手のひらからだんだん広がっていくのを感じます。
うつ伏せになり、背面からホットストーンセラピーが始まります。

ホットストーンの温かさと、いい香りと、イセキさんの手技により身体が芯からほぐれていくのを感じていきます。最初はあれこれおしゃべりを楽しんでいたのに、少しずつまどろんでいくのが心地よい感覚です。
寝ているのか起きているのかわからないくらいの中間の状態、まどろみの中で心地よさを感じながら、緊張していた身体が緩み、リラックスしていきます。
イセキさんの優しい声かけで、遠のきかけていた意識から戻り、前面の施術へ。
ホットストーンを手に持ったり、お腹の上に乗せたりしていると、温かさだけでなく安心感も感じます。自然のものだからでしょうか、大地の力を感じるのでしょうか。身体が温まるだけでなく、心地よさを感じるホットストーンのトリートメントです。
ホットストーンがあまりにも気に入って、購入し自宅で使用する人もいるのだとか。
そして、ほゆのりのトリートメントには欠かせない、スウェディッシュボディケアについても話しておきたいところです。
施術を受けている時に、素朴な疑問を感じお聞きしました。
「長時間、施術していると疲れちゃわないんですか」そう、訊ねると、「大丈夫なんですよ」と、イセキさん。
『スウェディッシュボディケア』は、1800年代にスウェーデンの医師、パー・ヘンリック・リングによって開発された施術法。オイルマッサージの始まりといわれるスウェディッシュボディケアは、施術者の姿勢にもこだわっている。フェンシングや乗馬の姿勢を取り入れたフォームにより、施術者に負担のない施術方法となっている。

「だから、施術者もトリートメントを受ける人も共に元気になるんですよ」と話すイセキさん。それを聞いて、ほっと胸を撫で下ろします。お互いが元気になれるのであれば、安心して施術を受けられます。
いい香りと、温かさと、身体の緩みを存分に感じたホットストーントリートメントを終えました。
一人で着替えを済ませているときに、ふと鏡を見ると、まるで生まれたての赤ちゃんのような血色のよい私の顔色。ああ、こんなにも違うのかと驚いてしまいます。
施術が終わり着替えを済ませると、そこには温かいお茶と練り切り。

地元和菓子店のお菓子をおいしくいただきつつ、今回の施術について振り返ります。
「あるがまま」を受け止められるセラピストでいたい
施術を通して感じた身体の状態などを、お茶菓子をいただきつつ教えてもらいます。それを聞きながら、最近の私自身の身体の状態や心の状態を見直します。
何よりも、身体が温まり緩むことによって、こんなにも穏やかな気持ちになるのかと、驚きすらあります。それはきっと「話す」ことによって「放す」こともできたからでしょう。
「若い頃は、症状の改善に目が行きがちでした。なんとか、よくしてあげたいという一心で。それはもちろん大切なことのひとつですが、それだけじゃないなって。身体を緩ませ、話したければ話し、自分自身を解放する。そのためには、その人の「あるがまま」を受け止められる自分でいたいなと。ようやく、その境地に至りました」
年齢を経て気づいた「傾聴すること」
「最近、年齢がやっと追いついてきたなぁという実感があります。若い頃は『技で勝負』みたいなところがありましたが…。今は、サロンにいらしたお客様の話を聴いて、身体を緩めてもらって解放してもらう。そのプロセスをとても大切にしています。もちろん、技も大切ですけれどね。この年代になったからこそ、傾聴できること、共感できることというのがあると思っています。同世代の女性の悩みに寄り添い、多くの方が身体と心を緩ませてくれたら何より嬉しいと思っています」
イセキさんの「確かな腕」と「ニュートラル」なスタンスが、私の心と身体を緩ませ、解放してくれたのだと感じたトリートメントは、「ゆらぎ世代」と言われる女性のみなさんにぜひ体験してほしいと思うほどでした。
前編・後編にわたりお伝えしました、さいたま市日進の女性専用サロン「ほゆのり」。ここでの体験は、心と身体の解放を実感する、私にとって大切な時間となりました。
イセキさんの優しい笑顔と心穏やかになれる時間を過ごしに「ほゆのり」へきっとまた足を運ぶことになるでしょう。

自然療法サロン&スクール ほゆのり 完全予約制・女性専用
店舗所在地:さいたま市北区日進町二丁目(※詳しい住所はご予約時に案内)
アクセス:JR川越線「日進駅」南口より徒歩約8分
駐車場あり
営業時間:10:00〜17:00
定休日:不定休
公式HP:hoyunori.com
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Instagram:@hoyunori.saitama
Facebook:自然療法サロンほゆのり
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