愛知県でも有数の果物の産地として知られる豊田市猿投町(さなげちょう)。古くから山岳信仰の対象とされる猿投山や、「棒の手」奉納で知られる猿投神社、天然ラドン泉で癒される猿投温泉も有名なスポットです。
そんな猿投山のふもとにあるのが、地元梨農家さんが営む「さなげマルシェ」。今回は地域交流の場としても親しまれている「さなげマルシェ」の魅力を、旬の梨とともにお伝えします。
猿投の梨
戦後から果樹産地として発展し、桃、梨をはじめとする数々の果物を生み出してきた猿投町。猿投山麓の豊かな水と肥沃な土壌に恵まれ、高品質の果実を出荷しています。
桃、梨ともに出荷時には厳しく選別され、減農薬や新しい品種の導入にも積極的。味・香り・姿すべてがそろった梨は、贈り物に選ばれることも多いです。春、一面をピンクに染める桃の花は、町の風物詩としても親しまれています。
さなげマルシェ
2016年にオープンした「さなげマルシェ」は「お父さんの梨をみんなに知ってほしい」という家族の想いから始まりました。
さなげマルシェ公式Instagramより
2年後、現在の場所に移転。お母さん、お父さんを中心に3人の娘さんたちが切り盛りしています。夏はスイカ&桃、8月頃からは梨を中心とした果物が並びます。

ずらりと並んだ梨は圧巻!甘い香りが店内に漂います。

全国への発送も可能。クロネコヤマトとゆうパックでの取り扱いとなります。

お値打ちな袋入りも用意。数種類を購入するお客さんの姿も見られました。



店内では近所の人や農家仲間さんが育てた野菜も委託販売。「梨屋が育てたブドウ」は大人だけでなく子どもたちにも人気の商品です。
そのほか、「猿投山Tシャツ」やメダカ、クワガタの姿も!メダカすくいができるのも、このお店ならではの楽しみ方でしょう。
梨の種類と旬のシーズン
多種多様な品種がある梨は、それぞれ味も見た目も食べごろも異なるもの。ここでは「さなげマルシェ」で扱っている梨の種類と旬のシーズン、味や食べごろを詳しく紹介していきます。
| 品種 | 見た目 | 味・香りの特徴 | 収穫時期 | 食べごろ |
|---|---|---|---|---|
| 香麗(こうれい) | 小玉~中玉(250〜350g) 黄褐色(赤梨) | 酸味が控えめで みずみずしい わずかに香る | 7月下旬~8月上旬 | |
| なつみず | 中玉(350〜450g) 黄赤褐色(赤梨) | 甘みが強めで酸味が少ない 滑らかな食感 | 8月上旬 | |
| なつしずく | 中玉(350〜450g) 黄緑色(青梨) | みずみずしさが抜群 爽やかな甘み | 8月上旬(幸水よりやや早い) | |
| 幸水(こうすい) | 中玉(350〜450g) 赤茶色がかった黄褐色 | 甘みが強めで酸味が少ない 果汁が豊富 | 8月中旬~下旬 | |
| 豊水(ほうすい) | 中玉〜大玉(400〜550g) 赤褐色でやや濃い色合い | 甘味・酸味のバランスがよい 果汁が豊富 | 8月下旬~9月中旬 | |
| ちなつ(通称) | 大玉(500〜700g) 黄褐色で丸みがある | シャリシャリとした食感 果汁が豊富 | 8月下旬〜9月上旬 | |
| あきづき | 大玉(600〜800g) 赤褐色で丸みがある | 酸味がほとんどなくまろやかな甘さ | 9月中旬〜10月上旬 | |
| 甘太(かんた) | 中玉〜大玉(400〜600g) 赤褐色 | 濃厚な甘さ | 9月下旬〜10月上旬 | |
| 新高(にいたか) | 超大玉(800g〜2kg) 黄緑色〜黄褐色で艶がある | 甘みが強く香り豊か シャリっとした食感 | 10月上旬〜11月上旬 | |
| 歓月(かんげつ) ※愛知県生まれの新品種 | やや大玉 黄緑~淡い黄色 | 上品な甘みと軽やかな風味 | 10月下旬〜11月上旬 ※冷蔵にて長期保存可能 | |
| 愛宕(あたご) ※ジャンボ梨 | 超大玉(1〜2kg以上になることも) 黄褐色〜橙褐色で、表面はややザラつき | 優しい甘みとすっきりとした酸味 | 11月下旬~ 貯蔵性が高い ※常温でも1か月ほど保存可能 | 保存中に軸の部分がしんなりして甘い香りが漂ってきたら完熟 ※愛宕梨だけは収穫後に追熟させることで酸味が抜け、甘みが増す品種 |
梨は品種によって見分けるための色も違うので、梨については店員さんに聞いてみてください。より好みの梨に近づけるよう相談にのってくれます。
ジャンボ梨コンテスト
実は、さなげマルシェを運営する池田さんは知る人ぞ知る梨づくりの名人。店内には数々の受賞の記録が掲示されていました。

2014年に行われた「第14回 とよたジャンボ梨コンテスト(JAあいち豊田主催)」では、3175グラムのジャンボ愛宕を出品し、みごと優勝を果たしています。

第15回・第16回も3000グラムを超えるジャンボ愛宕で優勝。胴回りが60センチというのも驚きです。

その後は鳥取県で開催された「全国巨大ナシコンテスト 愛宕梨部門(鳥取二十世紀梨記念館・なしっこ館主催)」にも出品。全国から集まる愛宕梨の中で、2年連続準優勝を果たしています。
40年以上梨づくりをしてきた池田さんは、農家仲間も一目置く梨のプロに違いありません。
第3・4日曜はマルシェ開催
地域交流の場でもあるさなげマルシェ。毎月第3日曜日はキッチンカーを中心とした「3SUNマルシェ」、第4日曜日は地元の方々を中心としたフリーマーケットを行っています。
「3SUNマルシェ」には、コーヒーやクレープなどのキッチンカーがずらり。食事からデザートまで楽しめ、近隣に住む親子連れや温泉帰りのお客さんでにぎわいます。食事スペースも用意されているので、自然の中でのんびり過ごすことも。
お手ごろ価格で野菜や洋服が買えるフリーマーケットは、アットホームな雰囲気が魅力。野菜の詰め放題などの企画が行われることもあり、思わぬ掘り出しものに出会えるワクワク感も楽しめます。「お得感」と「交流」の両方が味わえるのは、この場ならではです。
まとめ
美味しい旬の果物を手に取りながら、地元の人々とのふれあいも楽しめるさなげマルシェ。週末の小さな旅行に、家族や友人と訪れてみてはいかがでしょうか?
【店舗情報】さなげマルシェ
所在地:愛知県豊田市加納町西大坪57
電話:09092693634
営業時間:10時~17時
定休日:不定休(※InstagramやFacebookにて確認ください)
※2025年は、6月15日~12月25日までの期間営業
アクセス:猿投グリーンロード「加納」インターより南へ500m、猿投中学校西交差点からすぐ




