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地域応援ブランド  |    2025.09.14

昨年3位も「悔しい気持ちが大きい」“声”が変わった東京都代表チームが優勝を目指す

知的障がい者ソフトボール大会「ハンズホールディングスCUP 2025東日本大会」が、今年9月13日(土)と14日(日)に宮城県のシェルコムせんだい(仙台市屋内グラウンド)で開催されます。

東日本から計7チームが参加し、熱戦を繰り広げる本大会。昨年はオール宮城ソフトボールクラブの優勝で幕を閉じました。

今回は、前回大会3位の東京都代表チームから、神谷勇輝選手、小林京平選手、佐藤颯選手に大会への意気込みを聞きました。

悔しさが残る2024年大会の3位

前回大会の雪辱を果たすため、東京都代表チームは一丸となって今大会に臨みます。

3位という前回の結果について、外野を守る小林選手は「悔しい気持ちが大きいです。自分たちは高いレベルを目指していた中で、もちろん優勝を目標にしていました。だからこそ3位という成績は悔しいです」と素直な想いを口にしました。

内野の神谷選手も「やっぱり悔いがありますね。ボールを取ってから(アウトにするために)どっちに投げれば正解か、素早い動作も練習不足だったと感じてすごく泣きました。練習からシミュレーションができてなかったから、こういう結果になってしまった」と悔しさをにじませました。

初戦はチーム・シークレットに12-1で大勝しましたが、次戦は福島県のいわてスマイリーズに2-3で惜敗。3位決定戦では福井県のビッグドルフィンズに9-2で勝利したものの、優勝を目指していた東京都代表チームにとっては納得できる結果ではありませんでした。

決勝戦まであと一歩のところで敗れた東京都代表チーム。内野の佐藤選手は打撃面での課題を挙げました。

「自分としては打撃面で、チェンジアップとかに惑わされて打てなかった。うまくできなかったら修正して、次の打席ではすぐに切り替える必要があると思いました」

打撃練習に取り組んだ東京都代表チーム

悔しい敗戦から約1年間、東京都あきる野市にある小峰運動公園にてトレーニングに励んできた東京都代表チームの選手たちとスタッフ。今年は打撃練習に力をそそいできました。

佐藤選手は「去年の大会でも打撃は良かったんですけど、自分はヒットが詰まらないようにパワーをつけたいと思いました。また、『あそこの場面でホームランを打っていれば』という場面が何回かありました」と改善点を見つめ、バッティングの飛距離を出すために、筋力を増やそうとジムに通い始めました。

はじめは慣れないジムでのトレーニングに気が進まなかったそうですが、知人に協力してもらって定期的に通い始めました。すると佐藤選手は次第に筋トレの楽しさに目覚め、いまでは一人でもジムへ行き、全身をまんべんなく鍛えるようになりました。その成果もあり、バッティングの飛距離がアップしたと胸を張ります。

チーム練習はもちろん、個人トレーニングもサボらない部分が、東京都代表チームの強さを生み出しています。

“声”の変化を全員が実感

成長はチーム面にも表れています。3人は口をそろえて、“声出し”の部分で変化があったと口にしました。

小林選手は「ちょっと前まではミスをしたとき、選手同士があまり声を出せていなかった。でも、いまでは試合に出ている人だけでなく、ベンチにいる人も含めたみんなで声を出しています。ミスしたことを悔やむのではなく『次、頑張っていこう!』と声を出していけるようになりました」とチームの成長を明かし、それを聞いた2人も首を縦に振りました。

選手たちを長年指導してきた吉田久明コーチは、3人への期待を口にしました。

「いまはメンバーが若返ってきていて、チーム自体を作り直している段階です。その中で、先ほども話があった声掛けの部分を含めて、自分たちから変わろう、成長しようとしています。

そして3人は世代の代表格であり、彼らが盛り上げてくれている。 チームを引っ張っていく存在にどんどん育ってきていて、これからが楽しみです」

吉田コーチの言葉に思わず笑みがこぼれる3人。「ハンズホールディングスCUP」は成長した姿を家族や知人に披露する絶好の機会でもあります。

目指すはもちろん優勝

高校時代からソフトボールを続けている小林選手は、自身のプレーを父に披露したいと臨みます。

「父が野球をやっていて、よくアドバイスをもらっていました。今回は尊敬している父にも、成長したプレーを見せたいです。特に自分は走力を生かしたプレーでどれだけ塁に出られるかにこだわっていきたいです」

佐藤選手は「前回大会で、学生時代の先生や友人に『こんなに打球を飛ばせるようになったんだ』と言ってもらえたので、今回も楽しみです」 と笑い、神谷選手は「いろいろな人にプレーを見てもらいたいです。いっぱいお客さんが増えた方が楽しいですし、モチベーションも高くなります」と活躍を誓いました。

さらに神谷選手は「たとえ違うチームでも、いろいろな人との交流を大切にしたいです。大会は、ソフトボールが上達するための学びの場所にもしたいと思います」と勝ち負け以外の価値も大会に見出しています。

とはいえ、目標はもちろん優勝です。3人は昨年のリベンジを掲げ、なおかつ楽しむことをモットーに「ハンズホールディングスCUP 2025東日本大会」に臨みます。

今年もやります!クラウドファンディング

日本知的障がい者ソフトボール連盟は、2025年9月開催の東日本大会と来年冬開催予定の全国大会の成功を目指し、クラウドファンディングを立ち上げました。昨年(2024年)は多くの方にご支援いただき大成功に終わりました。

そして今年も選手の自己実現の場を提供し、知的障がい者スポーツの魅力を広めたいと考えています。 今回のクラウドファンディングは、選手たちがソフトボールを存分に楽しめる社会を作っていくための一歩目となります。

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この記事を書いた人

浅野凜太郎

2001年生まれのフリーライター/千葉市を中心に活動中/カメラ(SONYα6700)/動画編集/サッカー、バイク、音楽、映画、本、カルチャー、サーフィン、、海外旅行、地域創生/大学時代は焼き栗を売り歩いていました。よろしくお願いします。

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