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フード  |    2023.09.17

最後の晩餐に食べたいものは佐賀にある「南蛮食堂トマトの湯むき」のポタージュ【前編】

「今日地球が滅亡するなら最後に何を食べる?」
あなたはこのような質問をされたことはありませんか?

その時あなたは何と答えますか?
私の答えは決まっています。私の人生で最後に食べたいもの。それは佐賀市にある「南蛮食堂トマトの湯むき」のポタージュです!

「トマトの湯むき」のポタージュを飲むと、ほっこり美味しく身体にしみわたり幸せな気分になるのです。私の最後の晩餐はこのスープで締めたい!そう思わせるほどの魅力があります。

もちろん他のお料理もとても美味しい!

素人の私にも「トマトの湯むき」の料理は仕込みを丁寧にされ、手が込んでいるとわかります。

さらに「トマトの湯むき」は行くたびにメニューが違うのです。

メニューは手書きです

この点も私が「トマトの湯むき」を大好きな点。いくら好きなお店でも、メニューが毎回同じだと飽きますよね。

このように、とても美味しくて、行くたびメニューが変わり、新しい料理がいただける「トマトの湯むき」を、シェフの森永泰志さんのインタビューを通してみなさんに紹介します。

団体のご予約の支度をする森永さん

この記事でみなさんに「トマトの湯むき」の魅力が伝わり、食べに行ってもらえると嬉しいです。

※本記事では「トマトの湯むき」の魅力を【前編】【後編】の二部に分けてご紹介します。

仲間同士で気軽に楽しめるお店

JR佐賀駅からわずか150mほど歩くと、目の前に「南蛮食堂トマトの湯むき」と看板のあるお店が見えてきます。

このお店で腕を振るう森永泰志さんは18歳のときに調理師専門学校に入学、その後神戸のフランス料理店で修業を開始されました。さらに大阪や東京のお店でも料理の勉強をし、34歳のときに佐賀に戻ってきて独立されたそうです。

これは団体様用のテーブルの並びです。普段テーブルはわかれています

フランス料理というと、マナーがわからないとか、お高いんでしょなどの声が聞こえてきそうですが、「トマトの湯むき」はそんなことを感じないアットホームな場所。森永さんの思いは、お客さまがリラックスして楽しめる空間を提供すること。気の置けない仲間同士でワイワイガヤガヤ楽しめるお店です。

だからこそ、「レストラン」や「ビストロ」ではなく、ちょっと温かみのある「南蛮食堂」としたのです。

もちろんワインもあります

「トマトの湯むき」ネーミングの由来とは

この少し変わった「トマトの湯むき」というネーミングにも由来があります。

佐賀県小城市で13年間営業後2012年佐賀市に移転しました

森永さん「自分が10歳の時に、病気で家にいたらテレビでスパゲティミートソースの作り方をしていたのです。そのときにトマトの湯むきもしていて。それでその夜実際に作ってみました。

料理の修行を始めてからは、トマトの湯むきやジャガイモの皮むきは下っ端がすること。だから店名をつけるときに、最初のスタートがトマトの湯むきだったので、これだよなあと思いました」

怒られっぱなしの修行時代

森永さんの修業時代は怒られっぱなしだったとか。
それに耐えられず辞めていく同僚もいる中、森永さんは「これしかできることがない」と、頑張ったそうです。

1年経ったときにセクションシェフから「お前よく頑張ったな」といわれて「なんかふわっと明るくなった気がした」とおっしゃっていました。

「佐賀から出てきた田舎者がフランス料理なんてわからないので、修業時代は給料が5万円でしたが、その5万円でとことん、フランス料理を食べましたね。

ワインもちっとも美味しくなかったけど、ワインを買ってきて家でずっと飲んで。すると、だんだんと美味しいものなのかもしれないって。

で、なんとなく、あ、これでいいのかなというのがわかりました」

最初に働いたお店のメニューです

森永さんはホテルでも勤務されたことがあり、さまざまな経験ができて面白かったそうですが、ホテルの固定された勤務時間が合いませんでした。町場のレストランで、朝の5時から夜の12時まで働いていたリズムに身体が慣れていたそうです。

もっと料理の勉強をしたいという気持ちもあり、この頃は連休を利用して、知り合いのお店に行って働いたと話します。

森永さんの修行時代のお話を聞いていると、とても私にはできないと思います。そして森永さん自身も、自分の子どもや人にはおすすめしませんとのこと。

しかし、もう一度時間が戻るなら、別のルートでまた料理の勉強がしたいと森永さん。

本当に料理が好きなんだなと思い「料理がお好きなんですね」と言っても、森永さんは「これしかできないんですよ」と笑います。

毎回メニューが変わる秘密に迫る

多くのファンが「何年も通っているのに、まだ知らないメニューがたくさんある」と感じているはず。
これは、森永さんのお店の魅力の一つです。

「トマトの湯むき」は、日替わりといっていいくらいメニューが行くたびに変わっています

なぜメニューを変えているのか、そしてどのくらいの期間で変えているのかをお尋ねしました。

「季節が変わる前に、その季節に作りたい料理をバーッと書き出します。ただいつからいつまでこのメニューを出してというのはまったく決めていません。

具体的なメニューを決めるのは、仕入れと季節感によってです。そんな上等の食材などは使えないので、たとえばアジがあったとしたら夏は夏の味付けで、冬は冬の味付けでお出しします。

夏の一番暑い時期は、酸味が頂点にあります。料理全体が赤道に近づいてくるという感じ。寒くなってきたら、クリーム系のものなどの丸い味になります。

根菜の季節になれば、根菜をどいう風に料理しようか。そこにオリーブオイルが必要なのか、ピーナッツオイルがいいのか。柔らかい風味がいいのかそれを頭の中でずっと組み立てながらメニューを作っています」

メニューを変えるスタイルの方が自分には合っていると語る森永さん。逆にメニューが固定されると違和感をおぼえるそうです。
「ずっとメニューが同じものなら、考えなくていいんじゃないのかな」

ランチも日替わりで、メニューに唐揚げとあっても、毎回その唐揚げのソースや付け合わせなどは変わるとのこと。先日はたまたま「インカのめざめ」というジャガイモがあったので、それと組み合わせて出されたそうです。

私は毎日のメニューを決めるのにうんざりします。これは主婦あるあるだと思うのですが、森永さんはメニューを考えるのはとても楽しいとおっしゃいます。

「メニューを考えるのも料理を作るのも楽しいですね」と。料理で一番難しいのは「売ること」だと苦笑いしていました。

厳しい修業時代を経て、今では自分のスタイルを確立された森永さん。

【後編】では、常に新しい料理にチャレンジされていることや長年の固定ファンの方についても紹介します。

お楽しみに!

住所:佐賀県佐賀市駅前中央2-2-10 アビタシオン神野 1F
電話番号:0952-31-5171
営業時間:
11:30~14:00
17:00~23:00(L.O.22:00)
定休日:日曜・祝日

Instagram: https://www.instagram.com/tomatono_yumuki/

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この記事を書いた人

副島 かよこ

徳島出身、佐賀在住のフリーライター。 「コトバを編みココロ届ける取材ライター」として愛用のCanon EOS Kiss X7と一緒に、さまざまな取材をしています。クラウドファンディングをしたい方に取材をして、クラファン本文も執筆。今まで執筆したクラファンの総支援額は1800万円・支援者数1600名以上です。 佐賀は知名度が低いですが、住んでみるととても住みやすい場所。そんな佐賀の魅力を発信していきます! 夫とセキセイインコの雨、ウロコインコの晴と一緒に暮らしています。 WEBライター検定1級|メンタル心理カウンセラー|ボイジャータロット国際認定ティーチャー

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