山梨県の代表的な銘菓といえば「桔梗信玄餅」。まろやかな黒蜜と香ばしいきな粉が柔らかいお餅に絡んで、どこか懐かしいおいしさが人気です。
山梨県笛吹市の「桔梗信玄餅工場テーマパーク」では、たったの220円で信玄餅の詰め放題ができます。
しかし、工場見学に行ったが詰め放題はすでに終わっていた…という方もいるのではないでしょうか。
そんな人気の信玄餅詰め放題。今回なんと詰め放題のすべてを熟知した名人に出会い、攻略法を学ぶことができました!ぜひ、ご覧ください!
早朝から並んで整理券を受け取ろう
中央自動車道・一宮御坂ICを降りて、車で約5分。桔梗屋信玄餅工場についたのは朝5時前でした。もう工場には明かりがついていて、きな粉の香ばしい香りがただよっています。
信玄餅詰め放題の整理券は、列に並んでいる人だけに配布されます。一人一枚限りで枚数限定。だから確実に受け取るためには、早朝から並ばなければなりません。
私が着いた時にはすでに先客がいらっしゃいました。4:30に長野県から到着されたそうです。
待っているうちに大きなトラックが到着。中には北海道産のきな粉の袋がぎっしり。桔梗信玄餅は1日に約12万個製造されるといいますから、こんなにたくさんのきな粉が必要になるのですね。
工場の朝の準備を眺めていると、慣れた様子の初老の紳士が登場。この方が「名人」です。
「少し前まで6時に整理券を配っていたが、最近は7時半が多いね」(2024年7月上旬の情報)
あまりに情報通なので、何回くらい来ているのかと尋ねたところ「数十回かな、数えきれない。先週も来た」。空いている平日がねらいめだそうです。夏休みに入ると家族連れで賑わうので、整理券配布時間は早まるだろうとのことでした。
待っている間にも楽しい交流
待ち時間には、そこかしこで雑談が始まります。後ろに並んでいたファミリーは、千葉から3時に出てきたそうです。前回来た時には詰め放題が終わっていて残念な思いをしたため、今度こそはと暗いうちに出てきたそう。長野の方も千葉の方も口をそろえて「山梨観光といえば桔梗信玄餅の詰め放題!」と言っていました。
待ち時間にも名人は、役にたつ桔梗信玄餅の情報を教えてくれました。
「こんなに詰めたらつぶれちゃいますよね?」
「つぶれてもすぐなら復元できる。袋から出して、へこんだ部分を軽く揉んでおけば大丈夫」
「たくさん詰めても、消費期限は明日までなんですよね?」
「冷凍保存しておけばいつでも食べられるよ。自然解凍の後、レンジで2〜3秒温めたら柔らかくなる」
確かに解凍しただけでは餅が少し固い感じがしました。レンジは機種によって違いがあると思いますので、最適な時間を試してみてください。我が家は4秒がベストで、5秒だと少し生温かくなってしまいました。
7:30整理券配布
7時には約10人くらいが列に並びました。これならもっと遅く出てきても間に合った…でも、7:30には50人以上の行列が出来上がっていました。さあ、いよいよ整理券配布です。
整理券のQRコードからLINEの呼び出し通知が設定できます。係の方が一人ひとり顔を見ながら配布してくださり、10分くらいで配布終了。9時から50人ずつ入れるとの説明を受けて入場時間の目安がわかったら、一旦解散です。
名人に聞く、桔梗信玄餅詰め放題攻略法
9時になると整理券番号順に「グリーンアウトレット1/2」の建物の中に通され説明を受けます。
お菓子の詰め放題新ルール
事前に詰める数を申告し、詰め切れなかった信玄餅は1個100円で買い取らなくてはなりません。
しかし「思ったより入った!」ということであれば後から追加で入れられます。自信がない方は少なめの数を申告して、後から追加してもらうと良いでしょう。
信玄餅を袋に詰め、一本結びで袋をしばり、レジでスタッフさんに「合格」と判定されれば220円で買って帰れます。
詰める数ごとの難易度です。初めての私は10個詰められたら上出来と思っていましたが、名人は「20個は普通に入る」と豪語!「弟子入りします!教えてください!」結果、初心者の私でも16個詰めることができました。
準備が大切
まず事前に配られる「専用袋」を、上下左右によく伸ばすことが大切。中に両手を入れて、スペースを広げるようにどんどん伸ばしていきます。
付属の楊枝は全部はずしておきます。
1段目には7つ
4つくらい入れてから手で寄せながら隙間を作って1つずつ入れ込み、6つで円を作ります。そして最後に真ん中に1つ入れます。
1段入れたら、そこでまたしっかりビニール袋を伸ばすことが重要です。安定した平らな底を作ることで、2段目以降の詰めやすさが変わります。
袋の途中を持って伸ばすと袋のなかほどから破れやすくなりますが、袋のふちを持って伸ばすと破れません。
2段目も同様に7つ詰めていきます。これで14個です。
名人は3段目を一つ減らして6つにして、袋をしばるための余裕を確保するそうです。
私はとてもじゃないですが自信がなかったので、3段目は2つで袋を閉じることにしました。それでも16個!これで220円ですよ!
最後の難関!一本しばり
3段目を詰め終えると最大の難関、袋の口しばりです。上手に一本しばりできていないとレジの判定で不合格となり、やり直しが命じられます。
まず、ふちの一部を長く伸ばしていきます。長く伸ばした部分で周りをくるむようにしてしばりあげていきます。
そしてここで活躍するのが信玄餅の楊枝。
ビニール袋のふちで輪を作り、できた輪の中にくちばしのように伸ばしたビニールを楊枝でグイッと差し込んでいきます。
名人はしばる専用の楊枝を甲州印伝のポーチに入れて大切に持参していました。
一本しばり完成!レジにて判定を受け、合格したら220円を払って持ち帰ります。
こちらが名人の20個詰めた袋です。見事としか言いようがありません。
忘れられない思い出作りに
一緒に並んで一緒に詰め放題にチャレンジしたのは、県内外から集まった見ず知らずの人たちだったはずなのに、気がついたらみんな打ちとけて仲良くなっていました。詰め方を優しく教えてくださった名人を中心に、明るい笑顔の輪が広がったのです。そんな忘れられない思い出作りに、桔梗信玄餅の詰め放題はぴったりです。
千葉のファミリーはこれから桃狩りに行くとのこと。夏の山梨はあちこちでフルーツ狩りが楽しめます。
桃狩り・ブドウ狩りに来たら、ぜひ「桔梗信玄餅工場テーマパーク」にも立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
名人にも出会えたらいいですね。
桔梗信玄餅工場テーマパーク
山梨県笛吹市一宮町坪井1928
■入場料無料、駐車場あり(無料 100台)
■見学時間: 10:00、11:00、13:00、14:00、15:00(所要時間約20分 スタッフの案内があります)
※バスでお越しのお客様は駐車場に限りがありますので、前日までに要予約
【団体予約専用】TEL:0553-47-3707 FAX:0553-47-3704
※個人のお客様は事前の予約なしで見学できます
■混雑時は30分おきにご案内、または自由見学(ガイドボタンあり)
■工場見学ルート内に段差及び階段が多数ございます。予めご了承ください。(エレベーター、スロープ等はありません)