Mediall(メディアール)

オンリーワン・ナンバーワンがそこにある 応援の循環を作る 地方創生メディア

フード  |    2023.10.27

これほんとに枝豆?まるで芋や栗⁉︎ホクホク甘い京丹波・黒豆の枝豆

黒豆の枝豆をご存じですか?

普通の枝豆の旬は夏ですが、京丹波の特産品である黒豆の枝豆は10月に旬をむかえます。

黒豆の枝豆は10月にしか収穫できない、希少な秋の味覚。この時期になると道路沿いや道の駅などで黒豆の枝豆の直売がはじまり、多くの人で賑わいます。

ホクホクで濃厚な甘味がやみつきになる、黒豆の枝豆。今回は京丹波の黒豆の枝豆を、直売所に実際に行った体験をもとにご紹介します。

きっとあなたも、食べたくなりますよ。

京丹波・黒豆の枝豆とは?

黒豆の枝豆は、その名の通り、黒大豆が黒くなる前に早採りした枝豆のこと。一般的な枝豆に比べてかなり大粒でホクホク、モチモチとした食感に、濃厚な甘味や旨味、香りが楽しめます。

また、早い時期と遅い時期で味の違いが楽しめるので、10月上旬と下旬で食べ比べてみるのもおすすめですよ。

なぜ、美味しい黒豆の枝豆ができるの? 

京丹波町は、豊かな土壌ときれいな水に加えて、寒暖差が大きい気候が特徴です。夏が終わると「丹波霧」と呼ばれる濃い霧が発生し、朝晩がグッと冷え込むようになります。住む人にとっては辛いですが、作物にとっては美味しくなる魔法なのです。

京丹波・黒豆の枝豆街道

京丹波町観光協会作成の枝豆街道マップ

黒豆の枝豆の収穫時期は非常に短く、10月の間しか採れません。

その間、京丹波町では直売所が立ち並び「黒豆の枝豆街道」と呼ばれています。沿道の農家さんや町内4ヶ所の道の駅を含め、黒豆の枝豆が買える場所は全部で36箇所あり、もぎとり体験や配送をおこなっているお店もあります。(直売所の場所や詳細は、京丹波町観光協会のホームページにあります。)

今回、直売所のひとつである「京紅高原ファーム」を訪れました。

黒豆作りの伝承者がいる!直売所「京紅高原ファーム」を訪ねて

あたり一面、黒豆の枝豆畑のみどりが広がる場所に立つ、白い直売所「京紅(きょうべに)高原ファーム」。

ここは、日本での「黒豆作りの伝承者100人」に選ばれた北村照雄さんのお店です。

私が訪れると、北村さんと弟さんが畑から枝豆を枝ごと収穫し、さやをもいで袋に詰めたり、葉や余計な枝を切り落として、枝つきのまま袋づめをしたりしていました。

今年は夏の暑さや残暑、水不足により、町内の枝豆の出来は芳しくないとのこと。しかし、北村さんの枝豆は独自の菌活農法により、今年の出来もいいそうです。

実は北村さん、京丹波町での黒豆の枝豆売りの先駆者でもあるのです。

昔から京丹波町でも、お隣の兵庫県丹波篠山市でも「丹波の黒豆」といわれるように、黒大豆の生産は盛んでした。

篠山市で黒大豆の枝豆を売り出していたことから、北村さんが弟さんと一緒に、京丹波でもはじめようとしたのが約20年前。

当初は虫がついたり、知名度もなくて買う人がいなかったりと苦労したそうですが、ここ10年ほどで、黒豆の枝豆を売り出す農家も増え、知名度も上がり、特産品にまでなったそうです。

黒豆の枝豆を枝からとる北村さんと奥様

毎年この時期になると、遠方から枝豆を買い求めにくるリピーターのお客さんもいて、直売所はとても賑わいます。また、枝豆のもぎとり体験もできるので、広がる枝豆畑を眺めながら、この時期ならではの体験が楽しめますよ。

枝豆の収穫をやってみると分かるのですが、枝豆をひとつひとつ取っていく作業は、楽しくも時間がかかる大変なもの。袋詰めの枝豆が置いていない場合もありますので、予約を入れてからの方が確実です。

伝承者直伝!京丹波・黒豆の枝豆の美味しいゆで方

黒豆の枝豆を手に入れたら、新鮮なうちに食べましょう。

ここでは「黒豆作りの伝承者」北村照雄さん直伝の美味しいゆで方をご紹介します!

①さやの両サイドを切ります。(塩が染み込みやすくなります)

②軽く水洗いしてから、塩もみをします。枝豆に塩をつけて手でこすり合わせるようにもみ、水ですすぐ。これを3回繰り返します。(表面の毛の部分に土がたくさんついているためです)

③枝豆に塩をまぶし、20分ほど置いておきます。(浸透圧で塩分が染み込みます)

④もう一度水洗いし、塩を加えて水からゆでます。茹で時間は30分〜1時間。

(茹で時間は、収穫の時期が遅い大きな枝豆ほど長くなります。時々味見をして、かたさを確認してください)

ポイントは、丁寧な下処理と茹で時間。なかなか手間と時間がかかりますが、本気で美味しいので騙されたと思ってやってみてください。

…実際に茹でてみました!

モチモチでホクホク。まるで芋や栗のような甘みと豆の香りがたまりません!

あっという間に、お皿はからっぽになってしまいました。

一度は食べてみてほしい!京丹波・黒豆の枝豆

京丹波の秋の味覚・黒豆の枝豆。一度食べると、枝豆の概念がくつがえります。

10月という期間限定ではありますが、お近くに来られる際には、ぜひ「京丹波・黒豆の枝豆街道」巡ってみてくださいね。

京紅高原ファームの情報

住所:〒622-0231 京都府船井郡京丹波町豊田水落11

電話番号:090-2590-7463(要予約)

記事をシェアする

この記事を書いた人

くるみ

京都府在住、歴史が得意な5児子育て中ライター。Webライティング・ブログ・Kindle執筆を中心に活動しています。得意ジャンルは、歴史とWeb3。歴史の勉強、読書、神社仏閣や遺跡、博物館巡りが好き。秋田県に生まれ育ち、大学進学を機に関西へ。京都といえども雅な古都ではない、一味違う京都府の魅力&ふるさと東北の魅力をお伝えします。

関連記事