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フード  |    2024.05.01

創業寛永元年。江戸時代から世代を超えて愛される福本商店の「亀乃饅頭」|大阪市平野区【前編】

みなさまの地元には長く愛される銘菓はありますでしょうか。

私は自身の地元(平野)の銘菓を考えたときに福本商店の「亀乃饅頭」を思い浮かべました。

ふんわりとした生地の中には白餡が入っており、優しい味で何個でも食べれる美味しさです。
物心がつく頃にはすでに営業されておりましたが、創業が寛永元年(1624年)とお聞きして想像以上の歴史の深さに驚きました。

寛永という年号に馴染みがなく調べたところ時代は江戸。
1624年頃の歴史を調べてみると、「1623年に徳川家光が第3将軍になる」とありました。社会で歴史上の人物として学んだ徳川家が生きていた時代からある福本商店。ますます興味が湧いてきます。

これだけ長く愛される秘訣はなんなのだろう。「亀乃饅頭」のことをもっと知りたい!
そして、私の地元の銘菓である「亀乃饅頭」を多くの人に知ってもらいたい!

そのような気持ちを胸に、福本商店の店主である福本理帆さんにお話をうかがいました。

創業寛永元年(1624年)。江戸時代から400年つづく福本商店

大阪市の東南部に位置している平野区。
大阪市内の24区の中で面積は第三位、人口が第一位と多くの人が暮らす町です。

平野は空襲の被害に合わなかったこともあり、歴史的、文化的雰囲気を伝える街並みや社寺にも恵まれています。その中でも最も歴史のある商店が福本商店。

名物の「亀乃饅頭」名で親しまれており、400年の歴史をもつ老舗和菓子店です。

創業当初は蒸し菓子に亀の焼印を押したものを亀乃饅頭として販売していたと云われており、今作っている和菓子分野以外で煎餅も作っていたそうです。

お店は、大阪メトロ谷町線平野駅・JR平野駅どちらからでも歩いて10分程。
まるで江戸時代にタイムスリップしたかのような歴史的な建物が特徴です。

昔ながらの梁が見える構造。歴史を感じられるお店の造り

平野では、平野郷のまちなみと歴史を将来に引き継ぐ取り組みも行われています。

福本商店でも、2000年頃に、看板などで見えていなかった大屋根の部分を外から見えるように改装しました。
昔ながらの外観を取り戻したことで、お店の外観をデッサンしに足を運ぶかたも増えたそうです。

また店内では昔ながらの梁が見える構造になっており、歴史を感じるものが好きな方にはとてもたまらない造りになっております。

福本商店では、お店の外から和菓子を選ぶことができます。

昔は今のようにお店の中に入って商品を選ぶと言う形式ではなく、外から見てどんなものが販売されているのかが分かるように陳列する形式の販売方法が多かったそうです。

江戸時代の人たちも、こんな風に選びながら和菓子を購入していたのかな?と想像してしまいました。

季節ごとに変更される和菓子

ショーケースには亀乃饅頭をはじめ、四季に合わせた和菓子が取りそろえられています。

亀乃饅頭 130円
花見団子 130円
おはじき 148円
(4月上旬のある日のラインナップ)

暦や天気、気温を参考にして季節ごとに和菓子を変更しているそうです。

最近では季節のイベント(ひな祭り、こどもの日、ハロウィン、クリスマスなど)に合わせたかわいい和菓子の販売も開始。お子様にも大人気です。

「福本商店」九代目店主・福本さんにインタビュー。「代々続けてくることができたという誇りを胸に」

ー家業を継ぐことをいつ頃から意識されていたのでしょうか。また、家業を継がれたきっかけはございますか。

「八代目である私の父が6年前に亡くなったことが“継ぐ”を意識するきっかけとなりました。

物心がついたときから家族みんなで父をサポートしてきましたが、三姉妹のため、とくに“誰が家業を継ぐか”ということを意識したことはありませんでした。家族みんなで一丸となって経営してきたのです。

姉2人は既に嫁いでいた為、“継ぐ”となると難しい状況。そこで生前から助手をしていた三女の私が“継ぐ”こととなりました。“継ぐ”と言いましても今までと変わらず、母や姉ら家族にサポートしてもらいながら製造販売しています」

ー営業されている中で印象に残っていることはありますでしょうか?

「ご年配のお客様が、幼い時から亀乃饅頭を食べて育った。とおっしゃり、お孫さんを連れてご家族でご来店してくださることがとても多くあります。

お客様の思い出を和菓子を通して、家族のみなさんに受け継いでいただけているということがとても嬉しいです。

また大阪の手土産として、小泉純一郎元総理にもお召し上がりいただいたことは凄く印象に残っております」

ー長く愛される秘訣や大切にされていることを教えていただきたいです。

「その時代、その時の流行りがあります。なかなか和菓子だけを製造販売し続けていくのは難しいと感じることもあります。

しかし、当店は代々続けてくることができたという誇りを胸に、昔ながらの製法、味を守り、和菓子で四季を感じていただけるよう意識しております。

昔ながらの味を守るため、保存料などは一切使用しておりませんので、小さいお子様からお年寄りまで安心してお召し上がりいただけます。

春夏秋冬を、目で見て舌で感じて、季節の移ろいをたくさんのかたにお届けしたいです」

前編まとめ

前編では「福本商店」のお店を中心に執筆させていただきました。


後編では銘菓である「亀乃饅頭」についてに触れていきます。
「亀乃饅頭」の由来や製造しているところもご紹介させていただきますので、
前編・後編併せて楽しんでいただけたら嬉しいです。

江戸時代より世代を超えて愛されつづけている銘菓「亀乃饅頭」。

ぜひ、歴史ある「亀乃饅頭」を味わいに平野へ遊びにきてください。

店舗情報

福本商店
住所:〒547-0045 大阪府大阪市平野区平野上町2-9-10
電話番号:06-6791-0977
営業時間:9:30~16:30
定休日:月・火曜日

駐車場:なし

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この記事を書いた人

藤葉 彩矢(あーや)

大阪府生まれ、大阪府育ちの副業ライター 藤葉 彩矢(あーや)です。グルメと国内外旅行、テーマパークが好き。「気になる!」「楽しそう!」「行ってみたい!」とみなさんの好奇心を掻き立てられる記事を目指して、大阪の魅力を発信していきます。

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