北浦和に根ざした「2階建て」の挑戦
1階の立ち飲み店開店で広がる客層
ワインと地酒を楽しめる北浦和のイタリアンバルCOVO。
オープンから約1年後、2階に続いて1階に立ち飲みスタイルの「酵母COVO」が誕生します。

「もともと1階には大家さんが営む古本屋(野出書店)があったんです。そこが閉店になった時、『横内さん、1階使ってみない?』と声をかけていただいて」
4坪にも満たない小さな空間。何をしようかと考えたときに浮かんだのは、やはり日本酒。
簡単なおつまみと一緒に、気軽に楽しめる立ち飲みスタイルの店なら、自分一人でも無理なくやれる。そう考えて開いたのが「酵母COVO」です。
「酵母COVO」の存在は、2階にとっても大きな意味を持ちました。
「酵母COVOで日本酒をたくさん仕入れるようになったことにより、2階でも扱える銘柄が増えたんです。今では15種類ほどの日本酒を揃えています」


2フロアの経営により、日本酒のバリエーションは一気に拡大。酒屋の息子だからこそできる強みが、より際立つ形となりました。
COVO1階と2階、それぞれの客層と過ごし方
1階と2階では、訪れるお客さんの雰囲気も過ごし方も異なります。
2階はワインや日本酒を傾けながら、イタリアンをゆっくり楽しむ人たちの空間。
一方1階は、唎酒師のスタッフと日本酒トークに盛り上がる、日本酒を愛する人たちが集まる場所です。


「お客さん同士で話が盛り上がって、そのまま友達になっちゃうこともありますね」
日本酒という共通言語でつながる「日本酒同好会」のような光景。1店舗目とはまた異なる「空気感」が、COVOの魅力をより豊かなものにしています。
10年愛され続けた理由と、これからの展望
常連さん・スタッフとの絆が支えた10年間
COVOが10周年を迎えた時には、多くの常連さんが集まり賑わいました。
「予約だけで席がいっぱいになって、常連の方々が『お祝いに行くよ』って駆けつけてくれて。カウンターまで満席になって、うれしかったですね」
料理を振る舞いながら、常連さんたちと笑い合い、語り合う。
節目の日を共に過ごせたことは、横内さんにとってかけがえのない時間だったといいます。
10年のあいだには、もちろん苦しい時期もありました。
コロナ禍の影響でお店の営業が難しかった日々も、乗り越えることができたのは、支えてくれるお客さんやスタッフたちの存在があったから。
「自分ひとりじゃ絶対に無理だった。いいスタッフに恵まれましたし、何よりお客さんたちが『ここがあるから頑張れる』って言ってくれて。それが本当にありがたかったです」
お店は、料理や酒だけでつくれるものではない……。
人と人との関係があって、初めて居場所になる。そのことをCOVOは10年間、証明し続けてきました。
三店舗目の構想も?次なるチャレンジに期待
そして、これからについて。
「まだふわっとしてるんですけど、 これまでの店とはまた違う、新しいコンセプトでの飲食店の挑戦を考えています」
地元・北浦和に根ざし、日本酒というテーマを大切にしながら、世代を超えて「人が集える場所」を作ってきたCOVO。
この先、どんな形でその挑戦が続いていくのか、とても楽しみです。
まとめ
「スポーツバーをやりたい」という店主横内さんの夢は、日本酒とイタリアンが共存する2階建てのバルへと進化しました。
COVOが届けてきたのは、ただの食や酒ではありません。
人と人をつなぐ「場」として、そして地元・北浦和の新しい日本酒文化を提案していくという役割。
その挑戦は、これからも続いていくことでしょう。

店舗情報
ワインと地酒で楽しめるお店COVO
住所:埼玉県さいたま市浦和区北浦和3-1-4 野出書店 2F
電話:048-705-2015
営業時間:火~土17:00~23:30(L.O.22:30、ドリンクL.O.23:00)
日17:00~22:30(L.O.21:30、ドリンクL.O.22:00)月曜日定休
酵母COVO
住所:埼玉県さいたま市浦和区北浦和3-1-4 野出書店 1F
営業時間:17:00~22:00(L.O.21:30)月曜日定休