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フード  |    2025.04.30

10年続く北浦和イタリアンバル|ワインと日本酒を味わう大人の空間 COVO【前編】

北浦和に、静かに愛され続ける日本酒バルがあります。

イタリアンにワイン、そして日本酒。店主の“好き”と“地元への想い”が詰まった、居心地のいい場所です。

実家は老舗の酒屋。店を継ぐのではなく、自分らしい形でお酒と関わりたい……。そんな思いから始まったこの店は、10年経った今も、常連さんたちの笑顔とともに、ゆっくりと時を重ねています。

酒屋の息子が夢を実現させた、食と酒の融合店

スポーツバーから始まった飲食店への憧れ

「大学時代にダイニングバーでバイトをして、サッカーが好きだったから“スポーツバーをやりたい”っていう夢が芽生えたんですよね」

そう話すのは、北浦和のCOVOを営む横内孝行さん。
今年、10周年を迎えたCOVO。開店当初から通う常連さんたちが多く集まり、10周年を祝ったのだそうです。

現在は、2階にイタリアンと日本酒のバル、1階に日本酒立ち飲み店を構えるCOVO。
「日本酒」をテーマとした飲食店を続けている横内さんですが、そのきっかけは意外にも「スポーツバー」への憧れが原点でした。

そこから、どのように現在のお店へと夢を実現させていったのでしょうか。

アパレル業界から飲食修業へ。飲食のベースを学ぶ

「飲食業への憧れがありましたが、接客業をまずは学ぼうと思って。それで、まずはアパレル業界へ就職しました」

アパレル業界で接客業の経験を5年間積み重ね、一つの区切りを迎えた横内さん。
ついに、飲食店の夢を叶えるために動き出します。

しかし、当時の横内さんは「飲食業未経験」。まさにゼロからのスタートでした。
そんなときに修業先として勤務したフレンチバルで、大きな経験を積むことになります。

「料理なんて右も左もわかりませんでした。でも、修業先のフレンチバルの料理長が『お前、やってみろ』って、ストーブも鉄板も全部やらせてくれて。すべてのポジションを経験させてくれたり、他の店舗でイタリアンやピザを作る機会も与えてくれて……。本当にお世話になりました」

厳しくも愛のある指導で、飲食に必要な知識と経験を培っていった横内さん。 社会人としての経験を経て、新たな道を切り開いていく姿がとても印象的です。
「人に育てられた」とさらりと言えるその謙虚さが、素敵です。

ワインと日本酒、2枚看板で勝負

ピザとパスタ × イタリアワインで魅せる2階バル

北浦和COVOは、イタリアンとともに日本酒やワインを味わえるのが特徴です。
カウンターでしっぽりひとり飲みを楽しむもよし、仲間と一緒にわいわい楽しむもよし。さまざまな楽しみ方ができる空間です。

「10年くらい前でしょうか。一時、勢いを失っていた日本酒業界が再び活気づき始めました。口当たりがよく、甘みのある『新しい日本酒』が注目を集めたんですよね。その頃から、都内では日本酒をワイングラスで提供する飲食店が増えてきました」

おすすめメニュー
日替わりの「本日の!おすすめ地酒」とおすすめおつまみ
ワイングラスでいただく日本酒
ワインだけでなく、日本酒もワイングラスでいただくスタイル

新しい日本酒の楽しみ方に出合い「イタリアンと日本酒を組み合わせた店はどうだろう?」と着想を得た横内さん。北浦和にCOVOをつくる構想が本格的に動き始め、2015年に開店した「ワインと地酒で楽しめるお店COVO」は、北浦和に新しい風を吹き込む存在となったのです。

お通しとワイングラスでいただく日本酒。銘柄は埼玉の銘酒「花陽浴」。

お通しのキムチは「白キムチの素」を使用。昔からのロングセラー、栃木屋の「白キムチの素」は横内酒店で仕入れているのだそう。これが日本酒に合うのです。

おすすめのピザ
横内さん特製のマルゲリータも美味しい

継がなかった実家の酒屋。飲食を通して日本酒文化を盛り上げたい

「やはり、飲食店をやるなら日本酒を扱いたいという気持ちがありました。実家が酒屋。でも自分は継がないって決めていたんです。けれど、日本酒の美味しさを知ったときに『じゃあ、自分は出す側で関わろう』と思ったんですよね」

横内さんの実家である横内酒店は、北浦和にある老舗の酒屋。
数十年前、日本酒に特化した経営へ大きく舵を切った背景がありました。

「その当時、飲食をやろうとはまだ考えていませんでしたが、父の決断にはとても感謝しています。それがなければ、今のCOVOはなかったと思います」

まとめ

前編では、COVOが北浦和の地で生まれるまでのストーリーをお届けしました。

「スポーツバーをやりたい」。
大学時代に芽生えたその夢は、やがてイタリアンと日本酒が楽しめる“2階建てバル”というかたちに育っていきました。

人との出会いに恵まれ、経験を積み重ね、自分らしい店を北浦和につくった店主の横内さん。
実家の酒屋を継がない選択をしながらも、別のかたちで日本酒と地域に貢献する道を歩んでいます。

後編ではCOVOのこれまでの10年、そしてこれからについてご紹介します。
日本酒・地域・人をつなぐCOVOのストーリーをどうぞお楽しみに。

後編はこちら

酒を届ける、想いをつなぐ。“地域密着型の北浦和イタリアンバル”COVOが続けてきたこと【後編】

covo2階外観
店舗情報

ワインと地酒で楽しめるお店COVO
住所:埼玉県さいたま市浦和区北浦和3-1-4 野出書店 2F
電話:048-705-2015
営業時間:火~土17:00~23:30(L.O.22:30、ドリンクL.O.23:00)
     日17:00~22:30(L.O.21:30、ドリンクL.O.22:00)月曜日定休

酵母COVO
住所:埼玉県さいたま市浦和区北浦和3-1-4 野出書店 1F
営業時間:17:00~22:00(L.O.21:30)月曜日定休

公式サイト
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この記事を書いた人

はる

さいたま市在住の取材ライター。地元民だからこそ知り得る、個人店やマルシェ等のイベントをこれまでに200ヶ所以上訪れる。地元民でも意外と知らない「ヒト・モノ・スポット」をお届けします。趣味は「ひとり呑み」「カフェ巡り」お酒とコーヒーが私をこよなく幸せにしてくれます。

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