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スポット  |    2025.08.13

朝ドラ「エール」のロケ地として注目を集めた「伊古部海岸」の魅力と楽しみ方

愛知県豊橋市の南端、渥美半島の入口に広がる伊古部海岸。遠州灘に面した約57kmにもおよぶ表浜海岸の一部で、砂浜・海食崖・海岸林が織りなす自然美が魅力です 。

伊古部海岸は、NHK朝ドラ『エール』のオープニング映像に登場し、一躍有名になりました。今回は、伊古部海岸の魅力をわかりやすくご紹介します。

「エール」のロケ地・フォトスポットとしての魅力

豊橋市の伊古部海岸にある高さ約3.6mの巨大な「エールオブジェ」。雲の形をした吹き出しデザインが特徴的です。2020年8月に設置され、伊古部海岸のフォトスポットとして話題に。

ドラマ『エール』の世界観に浸れる聖地として、ファンなら絶対に足を運びたいスポットです。オープニングに登場する砂浜と海が背景に広がり、ドラマの主人公のような気分を体感できます。 朝焼けや夕暮れ時には、日差しが演出する幻想的な写真撮影を楽しめますよ。

伊古部海岸のある愛知県豊橋市は、エールに登場するヒロインのモデルとなった『古関金子(こせき きんこ)さん』の出身地です。豊橋駅の周辺エリアには、ドラマに登場した吉田城豊橋市公会堂といったスポットもあります。

砂浜歩きやシーグラス探しも楽しめる

伊古部海岸には整備された砂浜が続いており、子どもでも歩きやすい魅力があります。とくに晴れた日には、浜松や田原方面を一望できる景観のよさも。波の音を聞きながら砂浜を歩くと、心地よい気分でウォーキングを楽しめますよ。

また、海岸沿いでは、ガラス片が波に磨かれて生まれるシーグラスが見つかることも。宝探しのように足元を観察してみると、さまざまな色や形の石にシーグラスが紛れ込んでいます。

潮の流れや波が強めな伊古部海岸は、さまざまな漂着物が集まりやすい環境です。ユニークな形の貝殻や陶器なども見つかるので、砂浜を歩きながらビーチコーミング(※)を楽しむ人も訪れます。

※ビーチコーミングとは
海岸や砂浜に打ち上げられた漂着物を、収集したり観察したりして楽しむ活動

子どもと一緒に楽しむ自然観察

伊古部海岸は、自然観察にぴったりのスポットです。広々とした砂浜で海の生き物や漂着物を観察しながら、自然についての学びを深められます。

砂浜には小さなスナガニが歩いていたり、海岸沿いに連なる樹林帯には大型の鳥類が飛んでいたりします。豊橋市内に住んでいる筆者自身も、地元に雄大な自然が広がっていることを知りませんでした。伊古部海岸で見られる生き物の写真を撮って図鑑で調べてみると、地域の自然を知るよい機会になります。

波打ち際では、打ち上げられた魚やクラゲが見つかることもあります。普段は海の中でしか見られない生き物を観察できる面白さも砂浜歩きの魅力です。

ただし、海には毒をもつ生き物もいるため、素手でふれないように注意しましょう。遠くから観察したり、写真を撮影したりするだけでも十分に楽しめます。

砂浜を歩くときの注意点と準備すべきこと

筆者自身が砂浜を歩いてみて、個人的に注意すべき・準備すべきと感じたポイントを解説します。

  • 履き慣れた運動靴やサンダルを準備する
    (砂や水が入り込むので長靴がおすすめ)
  • ウェットティッシュがあると手洗い・消毒に便利
  • 暑い日は帽子と水分補給で熱中症対策を
  • 悪天候時は海岸への訪問を控える

砂浜を歩くときは、歩きやすい格好と暑さ対策が欠かせません。また、漂流物にふれるなら、手を洗うためのウェットティッシュを持参するのがおすすめです。自然保護のためにも、使用後のウェットティッシュは必ず自宅に持ち帰りましょう。

悪天候時は、海岸への訪問を控えましょう。悪天候時に訪問してもオブジェの美しい写真を撮影できませんし、自然を観察する余裕も生まれません。

また、崖に隣接する駐車場では、悪天候時に落石や土砂崩れの可能性を考慮する必要があります。台風による大雨の影響で斜面の修復工事をしていた時期もあるため、細心の注意を払って訪問するように心がけましょう。

自然環境への配慮も忘れずに

伊古部海岸の魅力は、美しい景観やドラマのロケ地だけではありません。豊かな自然が息づく貴重な環境でもあるため、自然との距離感に配慮して楽しむ意識も大切です。

伊古部海岸は、アカウミガメの産卵地としての役割を担っています。毎年初夏になると、ウミガメが産卵のために上陸する日本有数のスポットです。

豊橋市ではウミガメの保護活動として、関係者によるパトロールや調査も実施しています。自然環境を守るためにも、生き物の痕跡を見つけてもむやみに近づいたり触れたりしないように配慮しましょう。

筆者である私自身も、伊古部海岸でビーチクリーン活動に参加しています。ビーチクリーンで見つかるゴミには、ペットボトルや空き缶などの「人が捨てたもの」も多く見つかります。

海岸や砂浜で遊ぶときには、ゴミを捨てないこと・持ち帰ることを心がけましょう。小さな心がけは海の景観を守るだけでなく、海の生き物たちを支える大きなサポートにつながります。

伊古部海岸へのアクセス

豊橋駅方面から車で約30分程度かかります。公共交通機関ではアクセスしづらい場所なので、車で訪問するのが一般的です。

セブンイレブン「豊橋伊古部町店」から「伊古部東」の信号を越えると、海岸に向かう山道に入ります。道路は舗装されていますがカーブの多い道もあるため、慌てずにゆっくりと駐車場へ向かいましょう。

伊古部海岸には、約80台分の無料駐車スペースが整備されています。週末はサーフィンや釣り目的の利用者で満車になることもあるため、ゆったりと楽しむなら平日に訪問するのがおすすめです。

駐車場の付近には、水洗トイレや足洗い場などの設備もあります。休憩スペースも併設されているので、家族連れでも安心して利用可能です。軽食をする場合は、ゴミを必ず持ち帰りましょう。

施設情報

伊古部海岸
住所:愛知県豊橋市伊古部町枇杷ケ谷57
駐車場:あり(約80台)

各種リンク

豊橋市:とよはしネイチャースポット保全マニュアル-表浜海岸 伊古部・高塚(いこべ・たかつか)

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この記事を書いた人

taku

愛知県出身。執筆業務をとおして「人や社会の役に立つ」をモットーに、フリーランスのライターとして活動しています。水の中の世界が好きで、生き物や水族館の魅力を発信するブログも運営中です。地元の魅力を届ける橋渡し役として貢献したいと思い、Mediallで情報発信しています。

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