「いつか自分のお店を開きたい!でも、まとまったお金は用意できないし、失敗したら…」と、自分のお店を持つことを諦めていませんか?
そんな方の夢を叶えてくれる場所が、西東京市にありました。
かつて、全国の団地のモデル的存在として栄えたひばりが丘団地。その真ん中にオープンした「HIBARIDO(ひばりどう)」です。
今回は、HIBARIDOでお店を持つ夢を叶える方法について、HIBARIDOを運営されている(株)タウンキッチンの三浦さんにお話を伺いました。
HIBARIDOとは?
かつて栄えた「ひばりが丘団地」ですが、住民の高齢化や建物の老朽化などにより、段々と以前の活気を失っていきました。
そんな中、団地の再生事業とともに2018年3月に誕生したのが「HIBARIDO(ひばりどう)」です。“団地の真ん中で、しごとをつくる”というコンセプトのもと、ショップ・キッチン・ワークスペースの3区画で新しい仕事スタイルを提案するシェア施設として、地域で賑わいをみせています。
1坪ではじめる自分のお店「ICHIBA」
約1坪の区画を借り、雑貨やパン・お菓子などの飲食物のお店が月16,500円(税込)で出店可能です。
2023年9月時点では、ベーカリー・チーズケーキ店・デザイナーズランジェリー店の3店舗が出店中。
シェアキッチン「8K」
他店舗と業務用のキッチンをシェアし、お菓子や料理の調理・販売が可能なスペースです。月33,000円(税込)で30時間利用でき(延長可)、2店舗まで同時利用できます。
シンク・作業台・冷凍冷蔵庫・IHコンロ・オーブン・倉庫などは自由に使用可能。お皿や包丁などの小物類は出店者が用意します。
2023年9月時点では、お菓子店・カフェ・イタリアンレストラン・惣菜店などの12店舗が出店しており、現在も出店者を募集しています。
365日使えるワークスペース「WORKSPACE」
フリーランスや小規模事業者、企業のサテライト、NPOや市民団体などが利用できるワークスペースです。
全9区画の個室は月25,300円(税込)から、フリー席は月8,800円(税込)で利用できます。
2023年9月時点では、個室は占いやネイルサロンなどの幅広い業態のお店が利用しており、現在はフリー席のみ利用者を募集しています。
ライフスタイルに合わせた利用パターン
今回は、雑貨店や飲食店を開きたい方向けに8KとICHIBAを取材。利用者層について、HIBARIDOを運営する(株)タウンキッチンの三浦さんに伺いました。
三浦さんによると、HIBARIDOには大きく分けて2パターンの利用者がいらっしゃるそうです。
1つ目は「実店舗を持つための前段階として利用するパターン」。もう一方は、実店舗を持ちたいという願望はなく「子育て中のママさんが空いた時間に利用するパターン」があるそうです。
年代的には30代以上の利用者が多い印象だといいます。
以前は、もうすぐ60歳を迎える男性利用者もいらっしゃったそう。カレーをご家族に振る舞うことが趣味だったそうですが、いつかは自分のお店を持てたらと思い、8Kを利用されていたといいます。
三浦さんの感覚では、以前に比べて定年間近の方の利用希望が増えてきているとのことでした。現役で働かれていたときには叶えられなかった夢を、実現したいと思う方々が増えてきているのかもしれませんね。
HIBARIDOを卒業して夢を叶えた人も
HIBARIDOでお店を持つ夢を叶えられた人もいれば、HIBARIDOを卒業して実店舗を持つ夢を叶えられた人もいるそうです。
パン屋の「もぐもぐベーカリー」さんは、実店舗を持つ夢を叶えられたその1人。HIBARIDOでお店を始める前はパティシエやパン屋での修行の経験を経て、独立を目指して8Kを利用されていました。出店後はすぐに人気のお店となり、数年で西国分寺に実店舗を持つ夢を叶えられたそうです。
チーズケーキ店の「マルズチーズケーキ」さんは、出店前はお菓子作りの仕事経験がありませんでしたが、ご実家のお店へ手作りお菓子を卸していたそうです。そのような中で、地域の人にも自分が作ったお菓子を振る舞いたいという想いを持ち、8Kで出店。出店後は数ヶ月で人気店となり、今では西東京市で実店舗を構えられています。
2店舗とも、現在は実店舗で販売をしつつも、HIBARIDOのICHIBAでも定期的に販売されています。
利用条件・サポートなど
では、HIBARIDOでお店を出店するためには、なにか特別な条件があるのでしょうか。また、初めて出店する場合のサポート内容についても伺いました。
基本的に誰でも利用可能
「HIBARIDOには近隣からいらっしゃる方も遠くからいらっしゃる方もいて、どなたでもご利用いただけます」という三浦さん。
飲食店を出店される場合は食品衛生責任者の資格は必要になるものの、その他に利用条件に必要な資格は特にないそうです。
また、8Kは衛生検査や消防検査をクリアし、飲食店営業・菓子製造業などの営業許可を取得した業務用設備を備えているため、手間なくお店を始めやすいとのことでした。
このように、特別な条件をクリアする必要がない点も、気軽にお店を出店できる理由なのかもしれません。
困ったときは先輩や仲間がサポート
お店を初めて出す人のためのサポートとして、出店者同士の勉強会を2,3ヶ月に1回開催しているそうです。
三浦さんは「他の出店者さんがどのように営業しているのか、値段設定はどうしてるのか、レジはどうしているのかなど、細かいところも相談できるような関係づくりができるようにしています」とお話してくださいました。
セミナーに参加して一般的な出店準備の方法を勉強するのも良いですが、自分よりちょっと先に出店している先輩のリアルな話を聞ける場があった方がお店づくりに活かしやすいと感じているそうです。
そのような想いから、困ったらすぐにHIBARIDOの運営スタッフを頼るというシステムではなく、先輩や仲間に相談しながらお店をつくり上げるような形になっているとのことでした。
「失敗も大事な経験」まずはやってみるが大切
最後に「お店を持つ夢に向けて一歩踏み出せない方」へ三浦さんからアドバイスをいただいたので、ご紹介します。
三浦さん:「まずはやってみる」というのが大切で、その中で失敗してみるという経験もすごく大事だと思っています。
ただ、失敗をするときに初期投資で1,000万円かけてお店を失敗してしまうと、人生を賭けるほどの大きなリスクになると思います。ですが、HIBARIDOでしたら初期投資も数万円からに抑えられるので、トライ&エラーがしやすい。失敗しても「違う形でやってみよう」とか「1回これはやめてみよう」みたいなこともやりやすいと思います。
そして、必ずしもお店の営業がうまくいって独立することだけが成功ではないと思っています。自分のライフスタイルに合わせて、週に1回とか月に数回みたいな営業を続けていくのも成功ですし、私たちはそんな人を応援したいと思っています。
「独立願望がないのに、HIBARIDOを使っても良いのかな」と思われている方がいたら、「やってみたい」と思った人はどなたでも使える場所と思っていただければ嬉しいです。
「えいやー!」とチャレンジしてみよう
「失敗を経験してみる」「まずはやってみる」。そんな三浦さんの言葉に、少し肩の力が抜けたインタビューでした。
失敗を極端に恐れず、「えいやー!」とまずはやってみる。そうすることで、自分のお店を持つ第一歩を踏み出せるかもしれません。
HIBARIDOなら、出店費用を抑えつつ、先輩や仲間たちに相談しながら少しずつ理想のお店へと近づけることが可能です。あなたも、HIBARIDOで一歩を踏み出してみませんか。
【後編】では、HIBARIDOで夢を叶えた利用者さんにインタビュー!出店までの紆余曲折など、リアルな体験談をお伝えしますのでお楽しみに。
(株)タウンキッチンはHIBARIDOの他にも、さまざま地域でシェア施設を運営しています。気になる方は、タウンキッチンのホームページをご覧ください。
施設情報
施設名:HIBARIDO(ひばりどう)
所在地:東京都西東京市ひばりが丘3丁目2番51号(西武池袋線 ひばりヶ丘駅より徒歩17分)
電話:0422-30-5800
営業時間:6:00~23:00(出店日はHP掲載の各店舗Instagramをチェック)
ホームページ:https://hibarido.life/
Instagram:https://www.instagram.com/hibarido_sharedepartment/