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建物  |    2023.12.15

『本と繋がる、本で繋がる』場所を徳島県神山町から|ほんのひろば【前編】

徳島県神山町は徳島県の中部に位置し、周囲を山に囲まれた人口5,000人弱の町です。
春は名所となった神山町発祥のカミヤマシダレザクラを見に県内外から訪れる人たちで、夏は町を流れる鮎喰川(あくいがわ)で遊泳やバーベキューを楽しむ人たちで賑わいます。

そんな神山町には、コーヒーとおやつをお供に本と過ごせる場所「ほんのひろば」があります。

旧校舎の図書室は、放課後の子供達や仕事帰りの大人もふらっと立ち寄れる心地よい居場所

お話を聞かせてくれたのは、「ほんのひろば」を運営しておられ【NPO法人グリーンバレー】の職員でもある市脇 和江さんと、河野 定子さん。
「『ほんのひろば』は、2017年に神山町農村環境改善センター内からスタートしました。
2拠点目の広野小旧校舎は、2021年から校長室と職員室を借りて始まりました」

とお話を聞いている間に仕事帰りの女性から差し入れが届き、少し市脇さんと談笑した後に女性も椅子に座って読書を始めました。
仕事帰りの人も気軽に立ち寄れる場所になっているのが分かります。

農村環境改善センター内では毎日図書室としての活動をしており、広野小旧校舎内では月に数回の活動となっています。

市脇さんは「神山町には公共の図書館がありません。図書館に馴染みがないので、図書室で何をしたら良いか分からない子もいます。
私達は町の皆さんの読書環境の向上を目指して活動しており、ゆっくりと活動を続けながら徐々に環境を整えました。
今では広野小の児童たちが、休み時間などに担任の先生と一緒に『ほんのひろば』に来てくれるようになりました。初回は大型絵本の読み聞かせをしました」と話してくれました。

「これは小学校の先生から聞いた話なのですが、『大人は、大きくなった子供は読み聞かせを喜ばないだろうと思うけれど、子供はいくつになっても読まれたいと思っていて喜ぶ』そうです」
この言葉は、小学校で読み聞かせのボラティアに参加している筆者にはとても印象的に響きました。

人気は児童書 徳島県ゆかりの絵本作家との縁が繋いだ寄贈

図書室で人気の本はと尋ねると、「児童書ですね。学校の図書室にないものを置くようにしています。
子供も手に取ってくれますし、子供の頃に読んだ大人の方も懐かしんで借りていくことがあります。

以前、県内の小学生が作ったお話に徳島県にゆかりのある絵本作家さんが絵をつけて本を出すという企画があり、この地区の子供が書いた『トマちゃんの大運動会』が選ばれたんです。
その縁で、絵本作家である『さくら せかい』さんが、ご自身の絵本をお話を作った『おだ ののか』さんにプレゼントされました。
『トマちゃんの大運動会』とプレゼントされた本を、ののかさんが『ほんのひろば』に寄贈してくれましたので、ここで読めます」と見せてくれたのは、受付カウンター下の本棚にある実際の絵本とお話を書いたののかさん本人によるポップ、そして寄贈された本でした。

校長室で漫画を読む…何だか悪い事をしているようなそわそわワクワク感

校長室にあった金庫も本棚として活用

図書室は元は職員室でしたが、隣の校長室には漫画と、美術書と、文庫本が置いてあります。
校長室で漫画、中々体験できませんよね!?

市脇さんは「旧広野小で『ほんのひろば』を作った目的の中に、子供が放課後や休みの日に行ける場所の1つになれればということと、中学生がバスから降りて家の人にお迎えにきてもらうまでの間に、過ごせる場所になれればというのがありました。
メンバーそれぞれの事情でなかなか思うように出来ていませんが、2023年から月数回ですが夕方から夜にかけて開くようになりました。
子供が手に取りやすいように漫画を置いてあります、今では毎回来てくれる常連の小学生もいるんですよ。

この地域は広くて、子供は行きたい場所に親に車で連れて行ってもらって移動します。
ですから、子供が行きたいと言ってくれて月に1回でも来てもらえる場所になりたいと思っています。
地元の繋がりに、本での繋がりも足していけたら」と話してくれました。

ほんのひろばのスケジュールも確認できるインスタグラムは【こちら

様々な人との携わりから広がる、どこに行くのか分からない面白さ

廊下に置いてあるソファも使われなくなったものを利用している

「ほんのひろば」は、本好きが集まった事で活動が始まりました。
グリーンバレーの活動の1つに移住交流支援活動があり、空き家の片付けのお手伝いで出てきた本や住民の方から寄贈された本、県立図書館の払い下げ図書などで蔵書を揃えたそうです。

河野さんは「コロナ禍があって、そのどこにも行けない期間を利用して私たちは『コーヒーとほんのひろば』を開く準備をしました。
今、町内では本にまつわる様々な動きが始まっています。
移住してきた人が集落支援員となった地区では、赤ちゃんが生まれたことで公民館の中の図書室の書架を子供用に整えました。
司書資格を持った地元の人がUターン就職で集落支援員になったある公民館では、図書室の書架の再整備を開始しました。
私たちの活動がどこに行くかは分からないですが、色んな人と関わりながら面白い方向に行ってるなと実感しています」と話してくれました。

市脇さんの好きな本はと尋ねると「『伝え継ぐ日本の家庭料理』です。身近にある物・道の駅にある物で作られて良いなと思います。
調理の本(レシピ本)は喜ばれますね、近くに飲食店が少ないので作るしかないというのもありますが…子供にも料理をきっかけとして本に興味を持ってもらえれば嬉しいです」と笑顔で話してくれました。

後編では、ほんのひろば内にある素敵なお店をご紹介します!

ほんのひろば

〒771-3201 徳島県名西郡神山町阿野字広野42(広野小旧校舎)
※オープン情報はSNSにて

〒771-3310 徳島県名西郡神山町神領字中津132(神山町農村改善センター内)
Tel:088-676-1178
開室時間:8:30~17:30
ほぼ年中無休(年末年始のみお休み)
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この記事を書いた人

犬山 涼

名前:犬山 涼 (犬が書いてます) 四国のへそ在住ライター。探究心のままに幅広いジャンルで執筆、四国の「知る人ぞ知る」ならお任せあれ! まだまだ知られていない「人・事・物」をお届けします。 珈琲豆の自家焙煎・販売も行っています。ご購入は各種SNSまで。     ↓「記事一覧」を押していただくと、各種SNSのリンクあります♪ ↓

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