「地球は沸騰化の時代に入った」と、国連のグテーレス事務総長が述べたように最近はとても暑くなりましたね。
撮影時(2025年5月22日)香川県の最高温度は28.7℃と真夏日に近く、じりじりと焼け付くような日射しでした。5月だというのに場所によっては35℃以上の猛暑日、30℃以上の真夏日を記録するなど暑さが猛威を振るっています。
そんな外気温とは裏腹に、年中10℃前後の温度を保っている「風穴」(ふうけつ)という神秘的なスポットが、綾川町の高鉢山(たかはちやま)にあります。
どのような場所なのか紹介しますので、ぜひ最後までお読み下さい。
日本三大風穴の1つ、高鉢山風穴
高鉢山風穴を含む日本三大風穴は以下の通りです。
- 高鉢山風穴(香川県綾川町)
- 富岳風穴(山梨県南都留郡富士河口湖町)
- 秋芳洞風穴(山口県美弥市)
風穴とは、洞窟内外の気温差や気圧差により風の流れが生じ、体感的に大気循環がある洞窟の地形の一形態で、夏期に下方で冷風が吹き出す「冷風穴」、冬期に山の上方で温風が吹き出る「温風穴」の2種類があります。
高鉢山風穴の冷風の仕組みは、高鉢山の東側に「ごうろう(石がごろごろと堆積した場所)」と呼ばれる岩肌のすき間から入った風が、山の中を通っていくうちに冷やされ風穴から出てくるためと言われています。
風穴の近くに説明画像がありました。

冷蔵庫がなかった大正時代に建造され、穴の当初の使用目的は、蚕種(蚕の卵)の保存を目的としており、その後ウド、みかん、豆などの農産物の貯蔵の役割を担ったとされています。
100年以上の歴史をもつ高鉢山風穴は、地元の方に親しまれながら、現在は夏のクールスポットとなっています。
異世界の空間から流れる空気は天然のクーラー
高鉢山風穴は、高鉢山(標高512m)の中腹あたり標高370mに位置しています。
麓からは車で約5分山道を走れば駐車場にたどり着き、歩いて2~3分で風穴に到着します。
写真は風穴の入り口です。撮影場所に立つと冷気を感じられ、暖かい空気と冷たい空気がぶつかりあい水蒸気らしきものが見えます。

そのまま進んで行くと、風穴の中に入れます。

温度計が吊るされていたので確認すると、驚きの温度!

なんと5℃!外気温28℃なのにここまで温度が下がっています。涼しいを通り越して寒い!
電気エネルギーを使わずにここまで冷えているのは感動ですね。
CO2排出で環境問題を意識する時代、山で冷やした冷風で天然の冷蔵庫を作る昔の人達の知恵と技術を、真似できることはないのかなと感じてしまいました。
上を見ると屋根が付いています。冷気が逃げないようにフタの役割を果たしているのでしょうか。
水蒸気らしきものが見えて、なんとも言えない神秘的な空間になっています。

注意書きです。崩落の危険があるので触らないようにしましょう。

高鉢山風穴へのアクセス方法
高鉢山風穴は高鉢山の中腹あたりにありますので、Googleマップでは下図の場所です。
何カ所か登れる場所はありますが、1番登りやすいというか絶対にこの場所から登った方がいい場所がここです。八十場茶屋や山角薬師堂がある場所です。
写真はこちらで、写っている建物は山角薬師堂です。
ここから、風穴の駐車場までは車で約5分。山道になりますので、車の運転は気をつけてください。

駐車場です。車2台ぐらいとめられます。
筆者が訪れたときは、他には誰もいませんでした。

案内図です。筆者が車をとめた場所は、赤丸を付けた駐車場です。
風穴までは歩いて行き、約2~3分で着きます。
管理棟やキャンプ場は現在休止中。連絡先は、綾川町役場経済課:087-876-5282です。

炊事棟です。あと少しで着きます。

風穴に行ける階段が見えてくるので、のぼります。

階段は勾配が強く、落ち葉、砂利、湿気などで滑りやすいので気を付けてのぼってください。
このあたりでわずかながら冷気が伝わってきて、「ん?空気が変わったような・・」と感じます。

階段をのぼると東屋があるので休憩ができ、この場所から完全に空気が変わっているのが感じ取れます。

そのまま進むと風穴の入り口に着きます。

森の中なので空気中のマイナスイオンが多く、心身のリラックス効果が感じられました。
注意書きがあり、触ると危険なので絶対に触れないようにしましょう。

住所:香川県綾歌郡綾川町西分
定休日:なし
利用時間:24時間
利用料金:無料
綾川町公式サイト:綾川町
おわりに
近年夏が異常に暑くなっていますね。外出したいけど、暑すぎて外出したくないなぁと思ったときは避暑地でゆったりと過ごしてみるのはいかがでしょうか。
風穴は昔の人達の知恵と技術が集結した遺産であり、天然のクーラーでもあります。
異世界の空間を感じられる神秘的なスポットになっていますので、近くにきたときはぜひ訪問してみてください。