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スポット  |    2024.08.28

岐阜市民を守り続けたロボット水門が鬼になった訳とは?

幼少期から存在が気になっていたロボット水門を調べてみた

県外の方にはあまり知られていないのですが、岐阜市には鬼が出ます…!

私が生まれる以前からロボット水門という名前で親しまれていたそうですが、刺さったら痛そうな角が生えた姿しか私は知りません。

そこで幼少の頃より気になっていたロボット水門が鬼になってしまった経緯を調べてみました。

ロボット水門がそびえ立つのは、頂に岐阜城を望む金華山の麓。

本記事では、水門の歴史から変容の謎を解き明かし、現地への詳しいルートも写真付きでご案内します。

シーズン真っ只中の長良川鵜飼が毎夜行われているエリアからも近いので、ついでに立ち寄ってみてください。

今回の執筆を通して分かった事柄は、地元民からしても驚愕の内容でした。

1人の岐阜市民の驚きを高い鮮度でみなさんにもお届けできれば嬉しいです。

それでは参りましょう!

角が生えた原因は水門の開閉システムの改修だった!

ロボット水門が現在の形になったのは1992年。

角のない第一形態の水門が完成して約60年経ち、上部構造の改修事業が行われました。

この改修事業によってロボット水門が鬼になったのです。

第一形態と第二形態の違いは水門の開閉システム。

建設当初は水流を遮る重たいゲートをワイヤーで吊り、それを巻き上げて開閉を行っていたそうです。

これが改修に伴い、上下に貫通しているシャフトを用いたギアの巻き上げで開閉する仕組みに変わりました。

2本のシャフトは見た目より長く、上部の操作室を貫通して屋根から上に突き出しています。

ロボット水門を鬼にしてしまった角はシャフトを覆うカバーだったのです。

ゲートが持ち上がるのに比例して2本のシャフトは上へ上へと昇っていき、操作室を飛び出して角に収まるという仕組み。

ロボット水門が鬼になったのは、重たいゲートを支えるシャフトを守る優しさからでした。

ロボット水門までの道のりを写真付きでご案内、クアの道を抜けて

ここからはロボット水門までの具体的な道順を写真付きでご紹介します。

行き着くまでの道のりもプチ冒険感があってワクワクするので、おすすめのルートをぜひご活用ください。

スタート地点はJR岐阜駅から乗り換えなしで辿り着ける長良橋のバス停です。

バスを降りたらその進行方向に見える長良橋を背にして真っ直ぐ歩きましょう。

最初にぶつかる大きな交差点、その手前に下へ降りられる階段が出てきます。

階段を下りると水路に架かる橋をくぐるトンネルが出現。

日中にもかかわらず薄暗いので少々不気味ではありますが、足元は石畳で十分に整備されているため、安心してお進みください。

短いトンネルを抜けると、水路沿いの遊歩道「クアの道」に出ます。

いよいよ左手の奥にあの水門が見えてきました。

この遊歩道の推しポイントは水路沿いの石柱に鎮座しているカブトムシ。

材質と忠実な再現で実物は写真より数倍大きく見えると思います。

足のトゲトゲして引っかかると痛そうな感じがリアルですよね。

サムネイルのどんぐりとカブトムシ以外にもう1つあるので、ぜひ現地で確かめてください。

視界が開けて水路に架かる橋を越えたらロボット水門は目の前。

橋の上から水路を覗くと、小振りな魚たちが目にも止まらぬ速さで泳いでいきました。

以上の道順で冒頭の写真の場所へ到着します。

ちなみにロボット水門と呼ばれてはいますが、設計当時の文献が少なく、この形に設計された理由は迷宮入りしているそうです。

ユーモラスな出で立ちから、いつの間にかそう呼ばれるようになったのだとか。

せっかくなので、もう少し近づいてみましょう。

側面に回ると、操作室に入るドアがありました。

上へと続くハシゴが備え付けられていますが、短めの腕にしか見えませんね。

そのまま奥の階段を上がると、ロボット水門の裏手に出られます。

優しさの角はこちらからの方がよく見えますね、ツンツンです。

お好きな角度でユーモラスな水門をお楽しみください。

ロボット水門は岐阜公園 堤外駐車場(第1)に隣接していますので、岐阜公園や岐阜城にお車でお越しのみなさんにもおすすめ。

旅の写真がもう1枚増えれば幸いです。

改修で強化されたロボット水門はちょい足し観光スポット

改めて見ると、煤けたレンガやコンクリートも相まって禍々しさすらあります。

真夜中に知らずに通りがかって、夜闇に突然現れたら流石に怖いかも…。

しかしながら、その姿には岐阜市民の生活を水害から守ってきた優しさがありました。

現地調査とリサーチを通してロボット水門の愉快な佇まいに愛着すら湧いています。

夏の怪談さながらの書き出しでしたが、記事をしたためている8月12日は暦の上では既に秋。

立秋を通り過ぎ、夏休みが終われば、金華山には秋の気配が漂い始めます。

岐阜城を目指す登山や岐阜公園の散策に訪れた際は、ぜひ愛嬌のある水門も思い出してくださいね。

岐阜県の観光は岐阜市で決まり!

周辺へのアクセス

岐阜バス「JR岐阜」乗車→「長良橋」下車 所要時間:約14分

「長良橋」バス停➝ロボット水門 所要時間:徒歩で約4分

岐阜公園 堤外駐車場(第1)

住所:〒500-8003 岐阜県岐阜市大宮町1丁目43

TEL:058-213-6188

営業時間:8:30~21:00

駐車料金:310円(1日単位、1時間までは無料)※乗用車

参考文献

岐阜市にあるロボット風の水門 その謎を調査!|JSCE 公益社団法人 土木学会

岐阜公園|岐阜市公式ホームページ

岐阜バスNavi|時刻&運賃検索

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この記事を書いた人

入川 枕(いりかわ まくら)

岐阜県岐阜市在住、社会人時代に数年だけ上京していました。「書く」でどこかの「ひとり」に届くコンテンツを。適応障害をキッカケに専業WEBライターへ転身するまでは、ホテルのフロントスタッフや大手通信企業の店舗販売員などをしておりました。現在は完全在宅ワークで、主にクラウドソーシングを通して活動しています。世界各国の文化を紹介するコラムサイトや地方創生メディアなどに多数寄稿しているので、どこかで皆さんの目に留まるご縁があれば嬉しいです。Mediallでは「岐阜県の観光地といえば岐阜市」を目指し、高山や下呂などの有名観光地に負けない地元の魅力を深掘り・発信しています。皆さんが岐阜市に足を運ぶ理由になれますように。

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