みなさんは日本三大霊地を知っていますか?富山の立山や青森の恐山が有名なのですが、今回ご紹介するのは『川原毛地獄』。
実際に行くことで、訪れる際に必要なものもわかってきたので、現地の様子とともにお伝えします。
もし川原毛地獄の散策に興味のある方は、参考にしてもらえたらなと思います。
山頂の駐車場から入り口へ
湯沢市の山奥に位置する川原毛地獄は、山頂まで車で行くことが可能です。
以前に何度か近くまでは来ていたので、難なく山頂の駐車場へたどり着けました。
見たことはないのですが、そこはまさに地獄。植物は見えず生命を感じられない、そんな風景が広がっているのです。
入り口にある案内看板から散策ルートの概要をつかみ、いざ出発です。山歩きの際は杖があるとずいぶんと楽になるのですが、ここでは親切に無料で借りられます。
杖を片手にいざ下りはじめると、大きい岩がそこら中に転がっていて歩くのを邪魔します。地面は固く、芝生のような足に優しい感触はありません。
大量の汗をかきながら先へ進むと、中腹の駐車場へと到着。どうやら別ルートをたどれば、車で来られると判明します。
この駐車場を使えば、中継地点として川原毛地獄を楽に散策できそうです。
ここからは地獄の景色は薄れて、大湯滝が待つ滝つぼへと進みます。
いざ滝つぼへ下りる
滝つぼへの道中は、山頂とは景色が一変します。広がっていたのは、樹齢が計りしれないブナ林です。
おそらく100年以上は経っているでしょう。(筆者は林業従事者でもあります)
地獄を見に来て、壮大なブナ林に出会えるとは思ってもいませんでした。
森林浴までできるので、健康増進につながるスポットといえそうです。
滑るとあぶないなと気をつけつつ、先へ進みます。
疲れを吹き飛ばす極楽へ
山頂より30分近く歩き続け、ようやく温泉の滝つぼに到着です。
何人か水着で入浴している方がいたので、入れるものと判断。興味が半分、不安が半分で足だけお湯に浸かります。
それまでの疲れがスーッと引くのがわかりました。ここは極楽か。さらに、驚いたのは川底が緑色に染まっていることです。深い緑や、エメラルドグリーンともいえます。
調べたところ、硫黄や鉄が関係しているようですが、詳しいメカニズムはいまだ不明なのだとか。
たしかに、入り口からむっと鼻を刺す硫黄臭がしていたので、温泉場の緑色と関係しているようです。
滝つぼから少し登ると、数人入れるかどうかのポイントを発見します。
先に入浴している夫婦にお湯加減を訪ねると、「熱い!」と声を合わせて返事をくれました。
こういったところに夫婦で訪れ、一緒に温泉につかる。良い夫婦の関係性だな、としみじみ思ったのでした。
行きはよいよい帰りは……
さて、極楽気分もそこそこに、雨がパラつきはじめました。これは撤退した方がいいと予感が働き、滝つぼを後にします。
山頂までまた登るのかと少し憂うつな気持ちを抑えつつ、来た道を戻ります。
途中の駐車場に気付いていたら今頃は車の中です。しかし、30分程かけて歩いたからこそ、あの極楽を味わえたのでは?と思い直しました。
相棒とサヨウナラ
ようやく頂上へと戻ってきたところで、これから下りる何組かの人達とすれ違います。
サンダルばきの人、赤ちゃんを抱っこするお母さん、待ち受ける道中の厳しさを知る私としては、最後まで歩ききれるか心配になりました。
変わってあげるわけにもいかず、道中の無事を祈ります。
入り口まで戻ってきた私は、そこで今日初めてのお別れが待っていました。杖とのお別れです。
きっとみなさんの体も支えてくれるでしょう。散策の際は、お供にすることを強くおすすめします。
川原毛地獄へでかけよう!
地獄を想像させる場所を下り、歩き疲れた先に待っていたのは極楽の温泉でした。
怖いものが見たい、極楽気分を味わいたい、そんな人にはうってつけの場所です。
ただし、散策には以下のような準備をおすすめします。
- ・歩きやすい靴
- ・飲み物
- ・タオルや着替え
特に、歩くのに適した靴をはかないと足を滑らせたり、疲労がたまったりと、楽しく散策できないと思います。
川原毛地獄に向かう際は、しっかりと準備をして行きましょう。
地獄も極楽も味わえるのが川原毛地獄です。秋田を訪れる際は、観光スポットとして検討してはみてはいかがでしょうか。
アクセス情報
JR湯沢駅から第一駐車場まで車で約40分
バスなどは運行していないため、移動手段は車がメインです。
また積雪のため、11~5月までは通行止めとなります。
リアルタイムの情報は湯沢市の公式HPからどうぞ。
体力に自信のない方や、小さなお子様連れの方には、川原毛地獄の中腹に着く第3駐車場がおすすめです。
川原毛地獄を存分に楽しみたい方は、頂上からの散策がおすすめです。
参考文献:緑色温泉の呈色機構