神奈川県横須賀市の久里浜港と、千葉県富津市の金谷港間を東京湾横断して結ぶ『東京湾フェリー』。
片道約40分の船旅を楽しむことができます。
関東の環状国道16号線の海上区間代替航路とも言われており、通勤など生活利用者も多いのが特徴です。
その『東京湾フェリー』が航路を外れて、千葉県南西部沿岸を探索する『鋸山と富津・鋸南の歴史を辿る特別クルーズ』ツアーに参加してきました。
のんびりとドキドキの交錯する体験を、私流東京湾フェリーの楽しみ方と共にお伝えします。
『東京湾フェリー』通常運行時の私流楽しみ方
私はよく神奈川側から、千葉県内を散策しにフェリーを利用します。車を運転しないので徒歩乗船ですが、徒歩乗船は自家用車乗船の方より客室に入れるタイミングが早いので、乗船手続き後早々に自分の居場所(座席)を確保できます。私の定席は2階客室入口から向かって左側窓際の小さなテーブルのある席です。4人掛けなので譲り合って旅を楽しみます。
そしてすぐに後方にある売店へ!生ビールとともに“いわしバーグ”を購入して、旅の準備が完了です。
この“いわしバーグ”お値段も手頃で、ちょっと甘めの味付けでおいしいんです!これをビールと共にいただくと、「船旅が始まった」とワクワクします。
売店には“海軍カリーパン”など、発着地にちなんだホットスナック類や軽食も充実しています。ビールのお供に食べたくなる品揃えです。
『鋸山と富津・鋸南の歴史を辿る特別クルーズ』ツアー
いつもそんなスタイルで船旅を楽しんでいるのですが、このツアーは通常航路を離れて普段なかなか見ることのできない、船上からの鋸山や鋸南町の景色を楽しみながら、その地域の歴史を知ることができるもの。
テレビ番組に出演されている、海洋環境専門家による東京湾についてのアナウンスもあり、学びも豊富です。
久里浜港からの参加者はまず、金谷港までの船旅から
久里浜港から参加の場合、一旦定期運航便に乗船し金谷港までの船旅を楽しんだ後、下船せずにそのまま金谷港からの参加者の乗船を待ちます。その間にビールと“マグロ串カツ”を追加してツアーに備えることに。乗客が下船して静かになった客室もまたレアな経験です。
金谷港からもたくさんの参加者が乗船してきました。
金谷港出港!いよいよツアースタートです。
『鋸山(のこぎりやま)』の姿を楽しむ
金谷港を出港し、本来ならまっすぐ進む船は、左に旋回し房総半島に沿って進み始めました。
程なくして、金谷港近くにそびえる『鋸山』の稜線が、港側から見る切り立った崖が連なるものとは違い、尖った険しい山の姿に変わりました。そしてさらに南下すると、山の姿がなだらかに。
ひとつの山で、角度が変わるとこんなにも表情が違うのかと感心します。 ちなみに、この『鋸山』は港側は採石場として掘削されたことで、切り立った崖が続いています。崖に掘られた『百尺観音』や、突出した岩の上から下を覗くことのできる『地獄のぞき』が有名です。
『鋸南(きょなん)町』の歴史を学び、名物をいただく
『鋸山』の風景を眺めていたら、次に金谷港の隣町『鋸南町』の歴史について、アナウンスが始まりました。
それと同時にスタッフの方が、何やら揚げ物を振る舞ってくださいます。
アナウンスによると、鋸南町の勝山は捕鯨の歴史があるとのことで、“くじらの竜田揚げ”の試食なのだとか。
脂が乗っていて、今はなかなか口にすることのできない味に感激です。ビールとともに、おいしくいただきました。
沿岸の歴史として、勝山がかつてリゾート地であったと聞き、今では静かな海岸の賑やかさを想像し旅が続きます。
勝山沖合の無人島『浮島』を360度旋回
鋸南町の沖合には『浮島』と呼ばれる無人島があります。小さな島ですが、波で削られた島の姿がなんとも神秘的です。
その島の歴史を聞きながら、眺めていると船が島に近づいて行くではないですか!
島にフェリー船が近づき、360度旋回する様子が大迫力!
なかなか体験できない、予想外の展開にドキドキ・興奮の体験です!
この日は、あいにくの曇り空だったので富士山を拝むことはできませんでしたが、ただのんびりするだけじゃないフェリーツアーに大満足でした。
今回4月に参加しましたが、7月も開催されていたので、定期的に行われている模様。
また、海ほたる方面へのツアーや、夏の『東京湾納涼船』があるなど、様々な企画が行われている『東京湾フェリー』。ぜひ、ちょっとした冒険に出かけてみませんか。
『東京湾フェリー』の情報はこちらから