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アクティビティ  |    2024.05.27

『SASUKE』がベースとなった競技「オブスタクルスポーツ」国内初のJOSA公認コースが徳島県吉野川市に誕生! 

徳島県吉野川市は徳島県の北東に位置し、2019年に『日本遺産』に認定された「藍のふるさと阿波」の9市町のうちの1つです。
また、今上陛下の即位後に行われた、お米や穀物などを全ての神々にお供えし共に食べ、国と国民の安寧と五穀豊穣を祈念する「大嘗祭(だいじょうさい)」のニュース映像を目にした人も多いのではないでしょうか。
その大嘗祭に供えられる「麁服(あらたえ)」と呼ばれる麻織物を調進する役割を担う「阿波忌部」の祖神を祀っている忌部神社を有しています。

そんな吉野川市に、全国初の日本オブスタクルスポーツ協会(JOSA)公認コースが誕生し、デモ大会が行われました。

2028年ロサンゼルスオリンピックで、近代五種競技の1種目に加わったオブスタクルスポーツとは!?

オブスタクルスポーツの「オブスタクル」は英語で「障害物」という意味です。
障害物競走…というと、昭和生まれの筆者はハードルを飛び越えたり飴探しやパン食い競争を思い浮かべてしまうのですが、少し違います。

様々なタイプの障害物を、身体を使い1つずつクリアしながら速さを競う競技で、国際的なルールも決められています。
全世界で障害物レースとして様々なレベルの大会が開催されていますが、その中でも「オブスタクルコースレース(OCR)」は、あの「SASUKE」がベースであるアメリカの人気番組「ニンジャウォーリアー」を参考に作られているそうです。
オリンピックメダリストを始めとするトップアスリート達や芸能人だけでなく、一般の参加者が自身の肉体を駆使し障害物に挑む「SASUKE」、ご覧になった事がある方も多いでしょう。

2028年のロサンゼルスオリンピックではオブスタクルスポーツが、近代五種競技(1人でフェンシング・水泳・馬術・レーザーラン(射撃+ランニング)を行う競技)の馬術に代わり加わる事になり、ますます注目を集める種目として期待されています。

オブスタクルスポーツがオリンピック競技のプログラムに決定された事を受け、徳島県吉野川市に一般社団法人日本オブスタクルスポーツ協会(JOSA)公認コースが建設されました!

お披露目された『オブスタクルスポーツ吉野川コース』の全貌!

JR四国徳島線鴨島駅から徒歩で約25分、車だと約10分ほどの距離で、吉野川に程近い場所にオブスタクルスポーツ吉野川コースはあります。

大会が始まる前にスタート位置に立ってみましたが、直線上に12もの障害物が置かれており、コースの100m先のゴールは遠く、全ての障害物を見通す事は出来ません。

デモ大会では世界トップアスリートによるデモンストレーションが行われますが、一体どんな風に障害物をクリアする様を見せてくれるのか、非常に楽しみでした。

コースの完成を祝う式典を兼ねた開会式が執り行われ、デモ大会の実行委員会委員長の松島 光作氏、吉野川市市長である原井 敬氏からの挨拶、公益社団法人日本近代五種協会会長である山崎 勝洋氏からの祝辞があり、登壇した来賓者たちによるテープカットが行われました。

吉野川市の小中学生のダンスユニット「ときめきキッズ吉野川」のダンスパフォーマンスには、何と原井市長も参加!
原井市長、ユニットのメンバー達とバッチリ息が合っていたので、練習を重ねてこられたのが分かります。

会場内では12台のキッチンカーが、ラーメンやハンバーガー、豚丼などの食事をはじめ、クレープなどのスイーツ、徳島の食材を使った飲食物を提供していました。

また、キッズコーナーにはうんていと迷路が置かれており、子供達のチャレンジする姿が見られました。

世界のトップアスリートによるデモンストレーション

注目のデモンストレーションが始まりました!

まずはフィリピンのジュニアアスリート、エドリス選手とトリシャ選手のデモンストレーション。

エドリス選手は50秒、トリシャ選手は47秒と、あっという間に障害物をクリアしていきます!正直「はっや!」という感想しか出ません!

「100%このコースが大好きです!」とエドリス選手、「私は走るのが好きなので、速さを求める選手です」とインタビューに答えるトリシャ選手、2人共まだまだあどけなさが残る表情でした。

次に、2022年100mギネスワールドレコード保持者であるカイゼン選手、2023年OCR100m優勝者であるプレシャス選手のデモンストレーション。

2人で舞うかのようにコースを駆け抜け、40秒ほどでクリアしました!
「すごく綺麗で全てが完璧に出来ていて、とても楽しめました」と答える様子や、普段も一緒に練習しているとの事から、仲の良さが窺えます。

フィリピンでは国を挙げてオブスタクルスポーツ選手の育成に取り組んでおり、世界でもオブスタクルスポーツが盛り上がっている国の1つだそうです。

デモンストレーションの最後を飾るのは、JOSA公認アスリートの山本 遼平選手、100mオブスタクルコースレースで3つの世界記録を持つジェイマーク選手。

ジェイマーク選手は29秒!山本選手も37秒と、信じられない速さでクリアです!
「コースがすごく綺麗で感動しました。日本には5回来ていますが、吉野川市は初めて。静かで穏やかな街で、街にいっぱい野菜があって、野菜が好きなのですごく良い」とジェイマーク選手。

「吉野川コースは、地面にしっかりとマットが敷かれていてすごく走りやすかったです。あまり直線のコースをやったことはないですが、スピードがついてやりやすかったです」と山本選手。
山本選手はデモ大会の前日が誕生日だったそうで、若竹のようにまっすぐでしなやかな体躯は、まだまだ成長が期待されます。

腕自慢の一般アスリートによるタイムトライアルレース

事前申し込みをした53名の一般アスリート達による、タイムトライアルレースが行われました。
徳島県内からが最も多かったですが、北は山形県から南は広島県、何と香港からも挑戦者が!

様々なスポーツの経験者が勢ぞろいしており、中には筋骨隆々な挑戦者もいましたが、オブスタクルスポーツは筋肉があればクリアできる、という訳ではなさそうです。
フィリピンのアスリート達や山本選手もそうですが、決してマッチョではないのです。
むしろ、敏捷性や柔軟性、瞬発力が必要なスポーツのように見えました。

挑戦者の中には、12~13歳が2名、17歳は2名いました。
大人でも躊躇ってしまいそうな障害物に挑む姿勢、これからも養ってほしいですね。

53名の内、3名は女性の挑戦者でした。
バドミントンやブラジリアン柔術の経験者でしたが、オブスタクルスポーツには苦戦したようです。
香港から来た挑戦者はOCRにも出場経験があるようで、女性3名の中で唯一全ての障害物をクリアしていました。

タイムトライアルレースではコースを並走する子供達がいたり、「お父さん頑張れー!」「お母さーん!」という声援がよく聞こえていました。

タイムトライアルの男女上位3人の表彰式も行われ、入賞者には賞状と副賞がそれぞれ渡されました。

入場者も一緒にオブスタクルスポーツの魅力を体験!

会場に来ている入場者にもオブスタクルスポーツを体験してもらおうと、コース体験会の時間もありました。

それぞれ希望する障害物の前に並んで、諸注意を受けて体験できます。
大人だけでなく、子供達も大勢並んでいました。
ここ『オブスタクルスポーツ吉野川コース』での体験が、未来の選手の始まりかもしれません!

1番人気は最後の障害物『フィニッシュウォール』でしょうか、4mもある巨大な壁は挑戦のしがいがありますね。
『ターザンスイング』にも列ができていました。
子供達は「思ってたよりも難しかった!『2メートルウォール』は登るのは出来たけど降りる時が怖かったし、『ターザンスイング』は足がマットにつきそうだった」
「難しかった!『ホイール』は回転してるから掴みにくくて、『リング』はぶら下がってるからぐらぐらしてて怖かった」と話してくれました。
アスリート達が軽々とクリアしているのを見ていると「自分にもできるんじゃ?」と思ってしまいそうになりますが、1つ2つで精一杯だったそうで、100mを走りながら12の障害物をクリアする体力がまず必要ですね。

『オブスタクルスポーツ吉野川コース』から、日本のオブスタクルスポーツが盛り上がる!!

山本選手にお話を伺いました。

山本選手は「吉野川市は初めてですが、徳島県には鳴門の方に来た事があります。
今日は率直にすごく楽しかったという気持ちです。
僕がいくつか大会に出た中でも、一直線に100m走るというのは中々体験できる機会がないので、やっぱり100m通しで走るのはとても気持ちが良かったです」とデモ大会の感想を語ってくれました。

このオブスタクルスポーツ吉野川コースが、日本のオブスタクルスポーツをけん引していく事でしょう。
閉会式での松島氏の「13番目の種目(障害物)は自分」という言葉がとても印象的でした。
自分の身体を駆使し自分と向き合うのは、どのスポーツにも共通します。

走る、飛ぶ、掴む、登る、跳ねる、くぐると、全身を使うスポーツですが、今から始めたらもしかしたら次のオリンピックに出ているのはあなたかもしれませんよ!?

JOSA公認オブスタクルスポーツ吉野川コース

〒776-0014 徳島県吉野川市鴨島町知恵島683

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この記事を書いた人

犬山 涼

名前:犬山 涼 (犬が書いてます) 四国のへそ在住ライター。探究心のままに幅広いジャンルで執筆、四国の「知る人ぞ知る」ならお任せあれ! まだまだ知られていない「人・事・物」をお届けします。 珈琲豆の自家焙煎・販売も行っています。ご購入は各種SNSまで。     ↓「記事一覧」を押していただくと、各種SNSのリンクあります♪ ↓

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