雑踏や車・電車などの走行音に囲まれていると、ついつい忘れがちな静かでゆっくりとした時間。
たまには都会の喧騒を忘れて、のんびりと自然を楽しんでみませんか?
東京都世田谷区にある「呑川緑道」は、都心部に近いエリアに位置しながらも喧騒を忘れるような、静かで自然に溢れた場所なんです。
今回は、そんな呑川緑道の魅力をご紹介します。
呑川緑道について
呑川緑道の「呑川」とは、世田谷区新町あたりを水源とする全長14.4㎞の河川です。
呑川は世田谷区内を約2㎞流れた後、目黒区、大田区へと続き、最終的に東京湾へ流れ込みます。
世田谷区内を流れる呑川のうち約1.2㎞はすでに埋設されていますが、その上部を整備して完成したのが呑川緑道です。
一方、上流部から870mの区間は川のまま残されており、呑川の流れが楽しめる親水公園として整備されています。
じつはこの呑川緑道、河川が楽しめるだけでなく地元住民からは桜並木の名所として親しまれているスポットでもあるんです。
かつて川の土手に植えられた約300本の桜が今も残っており、見頃を迎えると周辺住民をはじめとする地元の方が桜を楽しみながら散策する姿も多く見受けられます。
深呼吸したくなる道、呑川緑道を歩いてみた
桜並木の名所として人気の呑川緑道ですが、この緑道の魅力は春だけに限りません。
桜の木の葉が青々と生い茂る夏にかけても、呑川緑道には思わず立ち止まってひと息つきたくなるような、ゆったりとした時間を過ごすのにぴったりな景色が広がっています。
そこで今回は、最上流部である呑川親水公園から散策をスタートし、世田谷区と目黒区の区境までの緑道を歩いてみました。
最上流部スタート地点の目印は犬と鶏
東京都の主要道路の1つである国道246号沿いを歩いていると、突如現れる犬と鶏の彫刻。
この彫刻が呑川親水公園の入り口であり、呑川緑道へと続く道のスタート地点です。
彫刻の後ろには桜の木と呑川の穏やかな景色が広がり、振り返ると国道246号とその上を通る首都高速道路を走る車の音が聞こえてきます。
彫刻を通り過ぎ、歩き始めると道路沿いの騒がしい音が少しずつ遠くなり、辺りには閑静な住宅地が広がります。
親水公園の両サイドは石畳の通りとなっており、川の水を彷彿とさせるような青色が特徴的です。
車通りはそこまで多くなく、筆者が歩いている最中にすれ違った車も2、3台ほどでした。
かつて呑川にかかっていた橋の数々
呑川親水公園には5本の小さい橋があります。
橋によってデザインが異なるので、緑と川の流れを眺めつつ、通過する一つひとつの橋に注目してみるのもこの場所の楽しみ方です。
呑川親水公園を過ぎて「のみかわはし」と記された柱が見えると、ここからは呑川緑道です。
かつてはこの場所にも橋がかかっていたようですが、緑道へと整備された今は橋の名が記された柱のみが残っています。
数えてみたところ、呑川親水公園と呑川緑道の区境までには5本の橋と12本の柱がありました。
緑道にある柱もデザインやフォントなど少しずつ違いがあるので、ぜひ足を運んで違いを探してみてくださいね。
呑川緑道の見どころは桜以外にも
親水公園と緑道沿いには、さまざまな植物が植えられています。
筆者が散策した際は、ツツジや紫陽花などが咲いていて、緑の葉と花の色合いが綺麗でした。
緑道を歩いていると、足元に桜のイラストが描かれている場所もありました。
緑道の所々には、子どもが喜びそうな遊具が置かれている場所もあります。
ほかには、砂場やすべり台などもありましたよ。
柳橋の柱を通り過ぎると、いよいよ今回のゴールである世田谷区と目黒区の区境はもうすぐです。
今回の散策のゴール、世田谷区と目黒区の区境に到着しました。
緑道の途中で唐突に区境が現れますが、呑川緑道はこのまま目黒区、そして大田区へと続いていきます。
まとめ
今回は呑川親水公園をスタートとし、ゴールの区境まで約2.4㎞の道のりを歩きました。
呑川緑道は平坦な道のりが続いているので歩きやすく、所々に緑の木陰もあるので日差しもそこまで気にすることなく散策できます。
散策中には、散歩をする方や緑道のベンチで休憩する方ともすれ違い、周辺住民にとっての憩いの場であることが伝わってきました。
地元住民に愛される呑川緑道は、静かで穏やかな時間が流れる自然に溢れた場所です。
都会の喧騒を忘れてひと息つきたくなったら、呑川緑道で木々の緑に囲まれながらのんびりと散策を楽しんでみてはいかがでしょうか。
呑川緑道
【所在地】
東京都世田谷区深沢1丁目3番~深沢5丁目10番先
(最下流)東京都世田谷区深沢1丁目3番
(最上流)東京都世田谷区深沢8丁目7番
【アクセス】
(最下流)
・東急大井町線「等々力駅」下車 徒歩20分
・東急バス「呑川緑道」下車 徒歩2分
(最上流・呑川親水公園最寄り)
・東急田園都市線「桜新町駅」下車 徒歩7分
・東急バス「新町消防署前」下車 徒歩5分