Mediall(メディアール)

オンリーワン・ナンバーワンがそこにある 応援の循環を作る 地方創生メディア

教育  |    2024.03.02

誰もが教育について語り合える場所|対話型教育グループ「いろりば」

第1回教育フォーラムにて(画像出典:Facebook)

「『教育に関心を持つ』ヒトが一人でも増えることが重要だと考えています」

そう語るのは対話型教育グループいろりば(以下、いろりば)の代表理事、藤居貴之さん。滋賀県長浜市在住の藤居さんは、娘さんが障がいを持って生まれたことで、教育について考えるきっかけができたと言います。

「教育について語る」と聞くと、身構えてしまう人も多いのではないでしょうか。しかし、もっと気楽に考えてみてください。あなたにも教育を語る権利はあります。

「誰もが小学校、中学校で教育を受けた経験者です。人それぞれに、教育についての考えがあると思います。だから、教育は他人事ではなく、あなたも当事者です」

藤居さんは熱く語ってくれました。

教育について自分なりの考えを持った人たちが集まり、2023年3月に立ち上がったグループがいろりばです。今回は代表理事の藤居さんに、グループ設立の経緯や活動内容について詳しく伺いました。

対話型教育グループいろりば設立の経緯

「『じつは、教育について色々考えていることがあるのですが、気軽に語り合える場はないでしょうか?』と相談したのが、いろりば設立のきっかけとなりました」

最初に声をかけたのは藤居さんだったといいます。そこから、教育に関心のある人が少しずつ集まり、今のメンバーになっているとのこと。

「いろりばのメンバーは元々の知り合いばかりではありません。中には、昨年初めてお会いした人もいらっしゃいます。それぞれに教育のことを考えていた人が、たまたま集まったようなイメージです」

いろりばのメンバーには、藤居さんのような保護者としての立場の人もいれば、元教員の方もいらっしゃいます。また、塾講師をされている方や理学療法士、看護師といった日頃からお子さんと接する機会の多い職業の方も参加しているとのこと。

囲炉裏場参加者の様子(画像出典:Facebook)

現在参加しているメンバーは長浜市在住の人ばかりですが、地域を限定しているわけではないといいます。

「もちろん、長浜市に限っているわけではありません。スーパーアドバイザーとしてドルトン東京学園の安居校長もいらっしゃいます。地域に関係なく、一緒に教育を語れる方なら大歓迎です」

ドルトン東京学園は、2019年に開校した東京都調布市にある中高一貫校。詰め込み型の教育ではなく、主体的に学び、探究・挑戦し続ける姿勢を育む学習者中心の教育を提唱しています。

いろりばでは、さまざまな考えを持った人たちが活動中です。激動の時代の中で、どのような教育が必要なのかを対話の中から考えます。

いろりば4つの活動内容

画像出典:Facebook

いろりばの主な活動内容は以下の4つです。

  • 教育フォーラムの開催
  • 囲炉裏場の開催
  • 小中学生プレゼンテーションコンテストの開催
  • 「Irorib@きょういくチャンネル」の動画配信

それぞれ詳しく見ていきましょう。

年1回の教育フォーラム開催

教育フォーラムのポスター・チラシが完成(画像出典:Facebook)

教育フォーラムは「『きょういく』を対話しよう!」をテーマに、誰でも参加できるフォーラムです。第1回は2023年6月18日に開催されました。一人のヒトとして集える場であり、「そもそも教育とは何か」を考えるきっかけとなるものです。

第1回の教育フォーラムは2部編成で開催されました。第1部は藤居さんとドルトン東京学園の安居長敏校長による対談、第2部は参加者同士での対話です。

「開催前には参加者が5人でも良いと思っていたのですが、開催してみたら本当に大勢の参加者がいらっしゃって驚きました。長浜市内だけでなく、大阪や兵庫からの参加者もあり、本当に開催して良かったと思っています」

教育フォーラムでの対談の様子(画像出典:Facebook)

第2部の「参加者による対話」も思った以上に盛り上がったと藤居さんは言います。

「皆さんがまるで水を得た魚の様だったことをよく覚えています。教員の方だけでなく、保護者の方々も活発に発言されていました。今まではオープンに教育を語れる場がなかったのでしょう。そのような機会を提供できただけでも、開催して良かったと思っています」

2024年には第2回教育フォーラムの開催も予定されているとのこと。

月1回の囲炉裏場ではテーマを決めず自由に対話

メンバーで作成したブレーンストーミング(画像出典:Facebook)

毎月1回、日時を決めて参加者が話したいことや考えていることを対話する活動が「囲炉裏場」です。囲炉裏場の開催日時はSNSで公開しており、老若男女誰でも参加できます。大人だけでなく小中学生の参加者からも意見が聞ける貴重な機会です。

対話のテーマは特に決まっていないため、学校、家庭、地域での教育全般を話し合う場となっています。好きなことを話したり、気になっていることを詳しい人に聞いたりする良い機会です。

2023年10月の囲炉裏場では、ブレーンストーミングを使って現状の課題を洗い出し、さまざまなアイデアを出し合ったとのこと。ブレーンストーミングとは「集団発想法」であり、複数人でアイデアを自由に出し合うことで、新たな発想を生み出せる手法です。

囲炉裏場を開催することで、さまざまな立場の人と教育対話ができ、有意義な時間を過ごせているといいます。そして、課題解決方法の一つとして提案されたイベントが「プレゼンコンテスト」でした。

​小中学生プレゼンテーションコンテストの開催

第1回小中学生プレゼンテーションコンテストの幟旗

児童生徒の想いを知るために考え出された企画が「プレゼンコンテスト」です。第1回は長浜市、長浜市教育委員会、中日新聞社、びわ湖放送の後援で2024年2月18日に開催されました。

第1回の共通メインテーマである「こんな学校あったらいいな!」からユニークなプレゼンが展開され、甲乙つけがたい状況だったといいます。長浜市長、教育委員長をはじめとする審査員を唸らせました。

第1回小中学生プレゼンテーションコンテストの様子

今回の出場者は1月に開催された1次選考を通過した10組の小中学生です。

藤居さんは本戦に出場できなかった子供たちがいることに触れ、

「各学校内であってもプレゼンコンテストを開催してほしいと思っています。どうすれば機会を創れるか、どうすれば参加してもらえるかを考え続けていくつもりです」

と今後を見据えて力強く語ってくれました。

今後の課題は、より多くの人にいろりばの活動を知ってもらうことだといいます。

「Irorib@きょういくチャンネル」の動画配信

より多くの人にいろりばの活動を知ってもらい、教育に関心を持ってもらうには、情報発信が必須です。そこで、いろりばではYouTubeを活用して、ゲストスピーカーと司会者による教育対話を配信しています。

出演は学校関係者だけではありません。各回の配信では、保護者も出演してありのままの想いや考えを話しています。いろりばでは、今後もSNSとYouTubeを活用して情報発信し続けるとのこと。

若い人にも参加してほしい

藤居さんに今後の活動方針を伺ったところ、引き続き上記4つの活動を行っていき、さらにメンバーの拡充をはかっていきたいと語ってくれました。

「若い人にも参加していただきたいですね。地域は限定していないので、長浜市に限らず広い範囲で、教育に興味を持っている方ならどなたでも大丈夫です」

次の世代の人たちが生きていく術を身につけるためにも教育は重要です。現状の学校教育で不足している部分は家庭や地域で補う必要もあるでしょう。また、学校教育自体にも新たな気づきがあるかもしれません。

あなたは教育をどのように考えていますか?

もし、意見をお持ちでしたら、囲炉裏場に参加してみてはいかがでしょうか。いろりばの詳細は下記をご覧ください。

記事をシェアする

この記事を書いた人

のがわ

滋賀県担当のアラフィフライター「のがわ」です。地元の滋賀県や隣県の福井県に関する情報をお届けします。趣味の剣道は練士七段ですが、試合は中学生にも負けるレベルです。色々な地域に出稽古に行き、出会った方々の物語や観光情報などを記事にします。

関連記事