東京都品川区に位置する一軒家カフェ 「GROVE cafe&green(グローブカフェアンドグリーン)」 は大井町駅と鮫洲駅の中間地点に、住宅街に溶け込むように建っています。
一見お宅を改装したかのような、「ただいま」と帰りたくなるほっこり空間の理由は、実は外観や内装だけによるものではありませんでした。
お客さんもスタッフさんも思わず笑顔あふれるお店の秘密とは。
今回は大井町のGROVE cafe&greenの店長、下川 敦也(しもかわ あつや)さん(写真:中央)にお話を伺いましたので、【前編】【後編】に分けて真相に迫ります!
品川区大井町のオーガニックカフェ「Grove cafe&green」
閑静な住宅街を進むと現れる、白い壁の一軒家。
夏らしい「氷」の旗が涼しげに舞うガレージには、かき氷やランチメニュー、夏季営業の案内が書かれたボードが立てかけられていました。
看板に誘われるように階段を登ると、玄関が見えてきます。
まるで誰かのお宅を訪問するかのようなドキドキ感を感じながら、玄関の「お店はひだりです」の道しるべをもとに左を向くと……
そこには緑が生い茂る開放的で素敵なテラスが……!!
テラスの向かいのガラス戸を開けると、ブルーの天井に緑がいっぱいの、手づくり感あふれるほっこり空間が広がっていました。
大井町「GROVE cafe&green」開店当時の苦悩
「GROVE cafe&green」は、自然豊かなオーガニックカフェです。
下川さんは、都内でパティシエやフランス料理の修行を10年間積まれたシェフ。かつてニューヨークのオーガニックハンバーガーを日本に上陸させるための事業を行っていました。
この一軒家の物件を「さまざまなメニューを試作・開発するラボ(研究所)にしよう!」と、2016年9月に開店準備を始めました。
開店前は荒れ果てた一軒家だったそうですが、土から掘り起こして一つ一つ整備し、ラボ兼カフェとしてオープン。(上記Instagramの投稿参照)
しかし、最初の2年間は赤字経営で苦しかったといいます。
奥まった住宅街の一角という立地もあり、なかなかお客さんが訪れず試行錯誤の日々だったそうです。
2018年1月から、2代目の店長としてお店を経営されている下川さん。
当時広告を出すための余力がなく、お店を知ってもらうためにこつこつとSNSで発信し続け、どうすればお客さんのニーズに応えられるか日々観察とコミュニケーションを重ねました。
そんな一歩一歩の積み重ねのかいあって、今の大人気なGROVE cafe&greenへと発展していったのです。
地域の皆さんに喜んでもらうために
下川さんはお客さんが集まるカフェを目指し、さまざまな点に着目し奮闘します。
「客層はファミリー層が多い。お子さんが喜ぶメニューは何がいいだろう?」
「地域の皆さんに喜んでもらうために、縁日やヨーヨーすくいをしたり、店内を季節に合わせて飾り付けたりして、楽しんでもらおう!」
「ワンちゃんのお散歩中に立ち寄っていただけるように、テラスはワンちゃんも一緒に食事できる空間にしよう」
など、下川さんのアイデアで、お店がどんどん地域の皆さんと交流できる「地域密着型」のお店へと変化していきました。
お客さんの目線を追求したアイデア
とことんお客さんの目線にたち、何ができるかを考える下川さん。
その中のアイデアの一つが 「俺のバーガー」 です。
小さなお子さんはハンバーガー1つを食べきれないことが多く、苦手な、もしくは食べられない食材が入っていることもあります。
「ならば、好きにカスタムできるハンバーガーを作ろう!」と下川さんは考えました。
すべてを選ばなければならないカスタムバーガーではなく、「野菜全部抜き」や「フライドポテトだけ」など、好きなものだけを選んで組み合わせられるハンバーガーです。
「自分のやりたいことをやるよりも、誰かが喜んでいる顔を見るのが幸せ。」
下川さんのお話を伺っていると、そんな想いがひしひしと伝わってきます。
下川さんの愛情は、地域の皆さんのみならず、スタッフの皆さんへも注がれていました。
【後編】では、下川さんのスタッフさんへの愛情、そしてお店の看板メニューのご紹介をします。
素敵な写真もたくさんありますので、お楽しみに!