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フード  |    2023.10.08

大阪府堺市の文化住宅を大改築「チャボさんのお茶」

大阪府堺市の雑多な住宅街の中に、思わず二度見してしまうような文化住宅を改装したおしゃれなお店がありました。

それが「チャボさんのお茶」です。

皆さんは、お茶屋さんでお茶を買ったことはありますか?

筆者は、普段お茶といえばスーパーで安売りされてるいつもの麦茶をノールックでカゴに入れ、毎日大量にピッチャーに用意して水分補給という目的で飲んでいました。

お茶屋さんで、ゆっくりお茶を選んで買うことは初めての体験です。

思えばお茶を買うときから飲むまで、選ぶ・味わうといった時間を使ってこなかったことに気づきました。

選ぶといえば、そもそもなぜ「お茶屋さん」を始めようと思われたのかや、気になる2階部分についてなど、代表の塚尾 太地さん(以下、塚尾さん)にお話をうかがいました。

なぜお茶屋さん?

堺市は、日明貿易の拠点が兵庫津から移ったことにより茶の湯が盛んになりました。皆さんもよく知る千利休は織田信長、豊臣秀吉の茶頭(茶の湯の宗匠)と呼ばれ、堺市の歴史にお茶は欠かせないものとなりました。

その名残りもあり今でも老舗のお茶屋さんが残っていますが、時代の流れとともにほとんどのお茶屋さんがお店を畳んでしまいました。

塚尾さんのご両親が営んでいた番茶屋さんも、世間のお茶離れが進み、次第にお茶ではなく違う事業を立ち上げ、お茶屋さん自体は細々と続けていたとのこと。

写真はお母様と塚尾さん、丁寧に接客をしてくれるスタッフの田中さん。

塚尾さんは以前、お茶とは全く関わりのないお仕事をしていたそうですが、※サードウェーブコーヒーの到来で"お茶も切り口を変えればいけるのでは?"と考え、2018年に「チャボさんのお茶」をスタートしました。

一緒に働くメンバーはなんと中学の同級生!同じ町で育ち、遊んできた仲間とお仕事ができるなんて素敵ですね。

※サードウェーブコーヒーとは、第三のコーヒーの流行のことです。コーヒー業界の新たな局面や流行を指します。シングルオリジンコーヒーの使用や浅煎りの豊かな酸味などが特長です。

引用元:「コーヒータウン」【第三の波】サードウェーブコーヒーの魅力とは?浅煎りで豊かな酸味を楽しもう

茶葉とティーバッグがあるので、用途によってお好みで選べます。

お茶屋が考える美味しいお茶ではなく「自分だったらどんな味で、どんな淹れ方で、どんなパッケージだったら飲みたくなるか」を追及。

考えて辿り着いたオリジナルブレンドの日本茶は、今の私たちのライフスタイルに寄り添う、背伸びしすぎないお茶に仕上がっています。

全国から注文を受けて、ある想いが湧いてきた

もともとはご両親から引き継いだ小さなお店で営業されていた塚尾さん。コロナ禍でお店に足を運ぶ人も少なくなり、オンラインショップに注力するようになりました。

すると、全国から注文が来るようになり

「大阪の観光名所としてお店に足を運んでもらえないか」
「チャボさんをきっかけに堺を堪能してほしい」

という想いが芽生え、お父様が残してくれた文化住宅を改装して、もっと広い空間のお店を作ることに。

思わず二度見してしまう、斬新な佇まい!

改装を始めて約1年半かけて店舗が完成。完成までの様子はinstagramのストーリーズでもご覧いただけます!

筆者が1番気になっていたのは、2階の玄関のドアがそのまま残っていること。

ーーなぜ2階のドアはそのまま残しているのですか?

塚尾さん:ゆくゆくは宿泊スペースにしたいなぁって考えているんです。コロナ禍をきっかけに全国から注文を受けているので、せっかくなら、大阪観光も兼ねて堺のチャボさんに来てくれた方が宿泊してお茶も買えて、ゆっくりしてくれたらと思ってるんですよね。

店内にはカフェスペースがあり、自分でお茶を淹れることもできるそう。

いつもオンラインでしか購入していなかったお店って、実際に行ってみたくなりますよね。筆者も若いころに雑誌でしか見た事がなかったブランドのお店に行きたくて、初めて東京へ旅行しました。

しかし、せっかく楽しい気分だったのに、夜にビジネスホテルにつくとなんだか現実に引き戻されたような感覚になったことを覚えています。好きなお店に宿泊できて最後まで観光を堪能できるなんて、考えるだけでワクワクしてしまいます。

出会いを大切に、自分の目で選ぶ

チャボさんこだわりのパッケージデザインを手がけるのは、イベントで一緒になったアーティストの日下明さん。日下さん自ら制作していたフライヤーを目にした塚尾さんは、チャボさんの商品のデザインをお願いすることにしたそうです。

独特のフォントや文字の間隔、柔らかい中に哀愁のあるイラストが印象的です。日下さんのデザインはチャボさんの世界観に欠かせない要素になっています。

お茶のクリームチーズ!?

なんとも珍しいお茶のクリームチーズも販売されています!こちらは、同じ堺市でクリームチーズ専門店をされているEn dehors(アンディオール)さんと作ったものです。

クリームチーズとお茶を組み合わせた抹茶・ほうじ茶クリームチーズは、RITZなどの塩味のあるクラッカーと合わせると濃厚なクリームチーズの味わいと爽やかなお茶の風味がより引き立ちます。大人のおやつにピッタリで、これもまた最高にお茶に合う。

百貨店で即完売のあのクッキーが、チャボさんオリジナルに

大阪市生野区の塩クッキーで有名なパティスリー・サキモトさんの、チャボさんオリジナルクッキーも販売しています。

洋菓子と日本茶をいただく時間ってとても贅沢なひとときですね。抹茶アーモンド、ほうじ茶チョコチップ味を味わえるのはチャボさんだけ!

名前が秀逸!ありそうでなかったジェラートモナカ

チャボさんができてから一番古い付き合いがあるという、老舗ジェラート屋オッティモさんと開発したジェラートモナカの「ジェラ・モナ」

ジェラ・モナの4種類の味
・抹茶
・ほうじ茶
・紅茶
・ミルク

ぎっしりジェラートが詰まっていて食べ応え抜群なのに、程よい甘さのミルクジェラートとお茶の爽やかさが丁度いいんです。

チャボさんの人気の秘密は、店内でも販売しているライフスタイル雑貨やお茶にまつわる用品を通して、世界観が見えることにあるのかなと感じます。単純にお茶だけを売るのではなく、お茶を飲む「時間」を想像させてくれます。

塚尾さん自らの目で選び、できる限り日本のもの、大阪のものを取り入れたいという想いでセレクトされています。

チャボさんおすすめのお茶の飲み方

塚尾さんに教えていただいたちょっと意外なお茶の組み合わせをご紹介します。

それは、和紅茶×ご飯。

チャボさんの和紅茶は、紅茶の風味でありながら紅茶独特の香りが口に残るような感じがなく、ご飯にも合う万能のお茶です。

ちなみに筆者は、緑茶の渋みが苦手な方におすすめのまろやかな「かぶせの煎茶」を購入しました。綺麗な青々としたお茶は見るだけでも心がすーっと落ち着きます。

お茶を淹れて少し待つ時間は忙しい日々に余白を作ってくれます。ぜひ堺市に遊びに来て、チャボさんでお茶を飲んでゆっくりとした時間を過ごして見ませんか?

お店の情報

「チャボさんのお茶」
毎月の営業日はinstagramのストーリーズに記載
open 10:00|𝖼𝗅𝗈𝗌𝖾 17:30

駐車場|2台 お隣の駐車場 3番/ 5番

南海本線[湊]徒歩10分/南海本線[石津川]徒歩10分/阪堺線[東湊]徒歩10分

住所:大阪府堺市堺区出島海岸通4-6-6
電話番号:072-241-0956

instagram:https://instagram.com/banchaya_chabo
online shop:https://banchaya.thebase.in/

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この記事を書いた人

島田 おかゆ

生まれも育ちも大阪堺市。唯一無二のストーリーが見える執筆をします! 大阪ならどこでもお伺いします! 取材してほしい!と思った方はお気軽にお問い合わせください。

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