ビール好きの皆さん、Hazy IPA(ヘイジー・アイピーエー)というビールをご存じですか?
Hazyとは、濁ったという意味。Hazy IPAは、その名の通り、濁りのある見た目が特徴のビールで、IPAから派生したクラフトビールのひとつです。
IPAとHazy IPAの違いとは
IPAは、India Pale Ale(インディアペールエール)の略。ビールの原料のひとつであるホップの香りや苦みが、一般的なビールと比べて強いのが特徴。
Hazy IPA(以下、Hazy)は、ホップの香りは十分に感じられますが、苦さは控えめ。クリーミーな口当たりと、フルーティーな甘い香りが特徴のビール。
実験的クラフトビール醸造所「HAZY LABO」
埼玉県狭山市にある「新狭山駅」から徒歩1分の場所に、Hazyをこよなく愛し、クラフトビール造りに並々ならぬ情熱を注いでいる醸造所があります。
その名も「HAZY LABO(ヘイジーラボ)」
HAZY LABOは、醸造所の隣にクラフトビールを提供するテイスティングルームを併設し、2023年にオープン。上品で洗練された店内には、テーブルが2卓とカウンターが7席。
店内にほのかに広がるフルーティーな香り、どの席からも見ることができるビールタンクを眺めながら、Hazyの味の違いを楽しむことができます。
この日、テイスティングルームのビールは8種類。
実験的醸造所という名の通り、酵母の違いによる味と香りを比較できるビールや、ホップを1種類だけ使ったビール、4カ月熟成させたビールなど、クラフトビール造りの概念を超えたラインナップが勢揃い。
自分で好きなHazyの味を探求できるように、ビールのブレンドを楽しむ「Blend Hazy」というオリジナルのビアスタイルも提供。
最初にいただいたのは、「Simcoe+Strata」という、二つのホップから作られたクラフトビール。
濁りのある、鮮やかな黄色が印象的で、飲む前からフルーティーな香りが漂う一杯。
まろやかな口当たりと、爽やかで軽やかさの中に、幾つものフルーツの味わいが広がっています。
この味を造りだしているのは、店主の東里 聡(あいざと さとし)さん。
HAZY LABOのこだわりの製造方法と、Hazyの美味しさの探求についてお話を伺いました。
①フルーツを使わずに、いかにフルーティーな香りと味を引き出せるか
東里さんのお話で、まず驚いたのが、副原料にフルーツを一切使用していないということ。
クラフトビール造りには、水・麦芽・ホップの主原料に、フルーツなどの副原料を加えることが一般的。それゆえ、フルーティーで香り高く、甘みのあるビールを造ることができます。
飲んだ時に感じたグレープフルーツやパッションフルーツのトロピカルな香りと味わいは、どこから来ているのか。
それは、東里さんが世界中から選び抜いた「アロマホップ」と、「常温熟成」というHAZY LABO独自の特殊な製法に秘密が隠されていました。
②ビール造りの常識を変えた?!クラフトビールの常温熟成とは
先ほど、ご紹介した「Simcoe+Strata」という二つのホップから造られたHazyは、4カ月常温熟成された驚きのクラフトビール。
クラフトビールの「熟成」という言葉は、あまり耳慣れないかと思います。
一般的に、「ビールは新鮮なうちに飲むのが美味しい」とされているからです。
クラフトビールのなかには、熟成を前提としたビアスタイル「バーレイワイン」もありますが、それでも冷蔵庫に入れて熟成させるので、「常温」で「熟成」というのは非常に珍しいと言えます。
東里さんによると、クラフトビールを常温熟成させることで、香味やコク、のどごしなど、ビールで感じられるすべての味わいが強まっていくそうです。
ビール造りに関する論文なども、昔からチェックしている東里さん。そのため、HAZY LABOでは、常温熟成させることを前提に、カスタマイズされた醸造機材がオープン当初から導入されています。
③難しいとされる低アルコールで美味しいHazy造りの研究
HAZY LABOで造られるビールは、アルコール度数にもこだわりが。
「Hazyと言えば、8%前後のハイアルコールが主流。でもそれだと、家で一息ついて飲むにはいいけど、お店で何杯も飲むのは難しい。Hazyの美味しさを多く味わっていただくためにも、低アルコールで造る、美味しいHazyの研究をしている」と語る東里さん。
発酵が強くなるほど、ビールのうまみ成分は増えるが、アルコール度数も高くなる。
そのため濃い味が魅力のハイアルコールHazyは、造りやすい一方で、雑味や苦みが強くなることも。この強い苦みのせいでHazyの味に苦手意識を持つ人も少なくないそうです。
だからこそ、低アルコールで、雑味の少ない美味しいHazyを提供したいと考える東里さん。HAZY LABOの造るビールは、苦手意識のある方からも定評をいただいているそうです。
最高の材料を使って、最高のHazyを作りたい
「副原料を一切使わず、ホップと酵母だけでどれだけフルーティーな味をだせるかに興味がある」と話す東里さん。そのため、使用するホップは、トロピカルな香りを引き出す厳選された外国産のアロマホップを使用しているそうです。
使用するホップの種類、量、タイミング、浸ける時間、すべてが味に左右すると言われ、ビール造りの奥深さを感じました。使用する酵母でもまた、味に違いをもたらします。
そして、HAZY LABOの最大の魅力、常温熟成という時間を重ねることで、アロマホップから抽出されたトロピカルな香りがいっぱいに広がる、味わい深さを生むのだそうです。
ここまで読んでくださった方も、だいぶHazy沼にはまってきたのではないでしょうか。
こだわり製法で造られているHAZY LABOのビール、ぜひ一度ご賞味ください。
ビールに合うオリジナルおつまみも豊富
HAZY LABOでは、こだわりの手作りキッシュやピクルス、ビールに合うおつまみなどが揃っています。それだけでなく、ソフトドリンク、小さなお子さんが食べるもの、隣のお店の焼き鳥など、それらは持ち込み可能とのこと!
なかでも、「菓子工房ちいさな窓」(https://chiisanamado.studio.site/)さんで作られた塩味ラスクと塩味チーズ&バジルクラッカーは、ビールとの相性抜群。ビールに合うおつまみとして、バランスの取れた塩味加減が絶妙です。
Hazyをご自宅で!オンラインストアでも購入可能
HAZY LABOのオリジナル缶は、パッケージも秀逸。この味につながるすべての情報が、まるで実験結果のごとく記載されているこだわりのパッケージ。
日頃から、Instagramなどで熱心に発信している東里さん。その内容は、同業者の方にしかわからないような専門的なものから、常温熟成による味の変化に関する丁寧な解説まで様々。
「製法も仕組みも材料も、すべて書くようにしている。情報を多く伝えることで、判断材料が増えて、味の由来を感じながら飲むことができる。知的好奇心を刺激するようなHazyをみなさんに飲んでいただきたい」
パッケージを眺めながら、味を確かめる。味わうにとどまらないHAZY LABOならではの楽しみ方を、ご自宅でも体験することができます。
HAZY LABOオンラインストア
美味しいHazyをもっと届けたい。クラウドファンディングにも挑戦!
ビール造り以外にも、テイスティングルームでの接客、缶詰め、販売対応など、すべての業務を一人でこなしている東里さん。
もっと多くの方へHazyを届けたいという想いが強まる一方で、販売用の缶詰め作業を、手作業で一つ一つこなすには、どうしても数に限りが生まれます。その状況を打破するためにカンニングマシーンの導入と、クラウドファンディングに挑戦することを決意しました。
クラウドファンディング期間は、9/1~9/30の一か月間。この機会だけのお得なリターンも用意されています!詳しくは、こちらから↓↓
◆クラフトビールの常識をやぶる!クラウドファンディングで実験的プロジェクトを開始!
https://camp-fire.jp/projects/780296/view?utm_campaign=cp_po_share_c_msg_mypage_projects_show
HAZY LABOが造り出すHazy沼の世界、いかがでしたか。
「常温熟成」されたクラフトビールの常識を超えた一杯、あなたも挑戦してみませんか?
HAZY LABO(ヘイジーラボ)
住所:埼玉県狭山市新狭山2-8-8瀬戸ビル1F(「新狭山駅」北口から徒歩1分)
営業時間:
- 金曜日17〜21時
- 土・祝13〜21時
- 日曜日13〜20時
定休日:月・火・水・木
Instagram:https://www.instagram.com/hazy_labo/