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スポット  |    2025.10.30

名建築で昼食を?大阪市中央公会堂でレトロ建築を堪能|大阪府大阪市

大阪市中央公会堂は、講演会、コンサート、演劇、パーティー、展示会、結婚披露宴など、さまざまな催し物が行われる文化施設です。ですが、ネオ・ルネッサンス様式の歴史的建築物であるという一面も持っています。地下には大阪の歴史や古い建造物が学べる無料の展示室もあって、催し物のチケットがない人でも十分名建築を楽しめます。カフェもあるので、優雅に名建築で昼食を気取ってみませんか?そんな大阪市中央公会堂をご紹介します。

大阪市中央公会堂の外観はレトロ建築としてじっくり見る価値あり

大阪市中央公会堂は大阪中之島のランドマークです。すぐに目に留まるのがその外観。ネオ・ルネッサンス様式を基調に、バロックの要素も取り入れた赤レンガ造りの姿は圧巻です。1918年に竣工され、2002年に西日本で初めて国の重要文化財に指定されたと言われています。この日は、イベントが開催されていたので、大阪市中央公会堂の入り口は人だかりでいっぱいでした。

大阪市中央公会堂の建造物の造りはとても繊細です。細かく見ていくと、様々な細工が目に留まります。

こちらは大阪市中央公会堂の壁です。壁に柱のようなものがあり、その模様が実に細やかです。そして、こちらは窓ガラス。細やかな模様が施されています。

街灯にはライオンの模様。

こちらは屋根。屋根の上に人の姿が。こんな見えないところにも、手をかけられるのは、大阪市中央公会堂に多額なお金がかけられたからではないでしょうか。

この建物は大阪市民だった岩本栄之助氏の寄付によって作られたものなのですが、その金額は当時の100万円、現在にすると数十億円という大金だったといわれています。

これだけの財があった岩本栄之助氏ですが、彼は株式仲買人でした。ですが、これだけの立派な建造物の完成を見る前に、自ら命を絶っています。それは相場の損失が原因でした。そんな背景を思うと、大阪市中央公会堂こそが彼の栄華だったのかもしれないと、世の栄枯盛衰を感じてしまいました。

地下の展示室へ

さっそく中に入ってみましょう。中は当時の設備がそのままになっていて、レトロな雰囲気です。

こちらは当時の壁の様子。

こんな赤レンガで作られていたのですね。また、レンガの強度試験跡などもありました。照明が全体的に暗く、当時もこんな感じだったのかもしれませんね。

岩本栄之助氏の展示室

こちらは岩本栄之助氏の経歴をまとめた展示室です。彼が生きた時代は大正時代で、日本では戦争のさなか。そのせいもあって、相場のボラティリティ(価格変動性)も激しかったようです。そんな中で岩本栄之助氏は相場師として財を築いてきたのですね。

彼が大阪市に寄付をしようと思い立ったのは1909年の渡米実業団へ参加したのがきっかけだといいます。アメリカでは富豪が自ら築いた財産を慈善事業や公共事業に投じるということに感銘を受け、自身もそれに倣って大阪市中央公会堂を建てるために大阪市に寄付したといいます。


これはその時のバッジと記念写真帖です。当時、海外旅行に行ける人たちも限られていたことでしょうから、ひとつひとつが貴重な思い出だったのでしょうね。

彼は39歳でこの世を去っています。大阪北浜の株の仲買人仲間の破産危機を助けるため、自分の損失を顧みずポジションを投げ打ったことで仲間の間では絶大な信頼を得ていた岩本栄之助氏だったのですが、最後は株で大損失を出してしまい、大阪市中央公会堂を見ることもなくピストル自殺をしてしまいます。その際の辞世の句も展示されていました。なんだか身につまされますね。

大阪市中央公会堂はいかがでしたか? 大阪市中央公会堂にはちょっとしたカフェもあります。「中之島ソーシャルイート アウェイク」です。ランチメニューからデザートメニューまで幅広く扱っているので、レトロな名建築で昼食を気取ってみるのも素敵ですね。

大阪市中央公会堂の詳細情報

住所:大阪府大阪市北区中之島1丁目1番27号
開館時間:9:30〜21:30
休館日:毎月第4火曜と年末年始
アクセス:京阪中之島線「なにわ橋駅」徒歩1分、Osaka Metro「淀屋橋駅」徒歩5分

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この記事を書いた人

kisaragisyu

如月柊 大阪を中心とした京阪神、奈良を担当します。大阪に住んでいるからこそ知ることができる旬の情報を皆さんにお届けしたいと思います。是非、大阪に遊びに来てくださいね。

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