JR中央線と東京メトロ丸の内線が通る、荻窪。
閑静な住宅街とちょっとレトロな飲み屋街が混在する、住むのにも良し、飲むのにも良しの人気エリアです。
そんな荻窪駅から少し歩くと、住宅街の中に趣のある公園が現れます。
ここ、大田黒公園は、音楽評論家の大田黒元雄氏が暮らした屋敷跡地を整備した公園です。
回遊式の美しい日本庭園や、大田黒氏が仕事場とした洋館を見に来ませんか?
今回は、杉並区立大田黒公園の魅力をご紹介していきます。
大田黒公園は大人が楽しめる公園
『公園』というと、最初に浮かぶのは遊具や広場があるイメージですよね。
しかし、大田黒公園には遊具も広場もありません。
大人が、慌ただしい日々の疲れを癒すためにあると言っても過言ではない。
大人のための静かな『公園』なのです。
大田黒元雄氏について
音楽評論家である大田黒元雄氏(1893年1月11日生~1979年1月23日没)は、フランス音楽やロシア音楽を日本に紹介した、音楽評論の草分け的存在として知られています。
日本で最初にドビュッシーの評伝を書いた人物としても知られ、多くの著書と訳書を残しました。
また、1964年には紫綬褒章を受章、1967年には勲三等瑞宝章を受勲、1977年には文化功労者に選ばれました。
静かに季節を味わえる日本庭園が広がる
大田黒公園の正門は、見るだけで厳かな気持ちになる総檜の切妻造りです。
そこから70mほど続く銀杏並木には白い御影石が敷かれ、紅葉の季節以外でも美しい光景を作り出しています。
大田黒公園の中は回遊式の日本庭園になっています。
荻窪ならではの地形を活かし、庭園内はゆるい起伏があります。
公園の入り口から、細い流れがあります。
ナラやケヤキなどの木立の中を流れ、公園の中心部にある池にそそぎます。
水の音を聞きながら少し深呼吸。
ゆっくりと歩みを進めると池のほとりにある、公園全体を眺められるあずまやが見えてきます。
筑波石と植え込みで飾られたあずまやは、このままぼんやりと日常を忘れてしまいたくなる佇まいです。
池、そしてなだらかな丘陵の向こうには、茶室や記念館が立ち並んでいます。
レンガ色の西洋風な記念館は、昭和8年に建てられたもの。
中には大田黒氏の愛用したピアノや蓄音機が展示されています。
公園内では1年を通して、四季折々の姿を楽しめます。
特に春に楽しめるサトザクラは、ふわふわと丸くて可愛らしい種類の桜です。
春のお花見で代表的なソメイヨシノとは違った桜を愛でるのも、乙ですよね。
11月末には紅葉をライトアップします!
そして、大田黒公園の最大の魅力といえるのが、秋の紅葉。
入り口の銀杏並木は鮮やかな黄色に、公園内の紅葉は赤く染め上がります。
普段は17時で閉園する大田黒公園ですが、毎年紅葉の季節は1週間だけ、夜間のライトアップが行われるのです。
真っ赤に色づいたモミジの葉を、静かに見上げる秋の夜。
日頃の疲れが軽くなるような美しい光景が、都心から数十分で味わえます。
今年の秋は、荻窪で秋の夜を過ごしてみませんか?
紅葉のライトアップ日程
大田黒公園の紅葉のライトアップが行われるのは、例年11月末~12月初旬ごろ。
詳しい日程は、大田黒公園の公式ホームページでご確認ください。
杉並区立大田黒公園
■所在地:東京都杉並区荻窪3-33-12
■アクセス
【電車】:JR・東京メトロ丸の内線 荻窪駅南口より徒歩約10分
■開園日:1月2日~12月28日
■開園時間:9時~17時
※紅葉ライトアップ他、イベント時には開園時間を変更することがあります。