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スポット  |    2023.12.21

香川県さぬき市で、地元から今もなお「先生」と慕われる平賀源内|平賀源内記念館&平賀源内旧邸

平賀源内といえば、「土用の丑の日」にウナギを食べる風習の発祥とされたり、博物学者、エンジニア、文士、アーティストなど多才なアイデアマンとして知られ、創作物の題材にも度々取り上げられています。
エレキテル(静電気発生機)の修復と復元で、教科書などではお馴染みですね。

ですが、平賀源内の出身地が香川県さぬき市である事は、あまり知られていないのではないでしょうか。
香川県さぬき市にある、平賀源内記念館をご紹介します!

NHKドラマ「大奥」の影響で、今また脚光を浴びている平賀源内

中に入ると、大きなタペストリーに描かれた平賀源内がお出迎え!
受付の方が「ドラマ『大奥』の影響で、来館者が増えてるんですよ」と教えてくれました。 

館内はフロアをタペストリーで区切ってあり、年代ごとに源内の軌跡をたどる事が出来ます。

※取材という事で特別に許可を頂いていますが、館内は撮影禁止です。

「お神酒天神」を作ったことで「天狗小僧」と呼ばれた少年は、父である茂左衛門(もざえもん)が亡くなり志度米蔵の蔵番の仕事を継ぎますが、やがて妹に家督を譲り江戸に向かいます。

江戸のみならず、長崎、静岡、埼玉、秋田などあちこちで活躍する様は、まさに八面六臂です!

区切られたスペースには、寄贈された源内ゆかりの品が数多く展示されています。
中でも、地元の志度で陶法を伝えた「源内焼」の角鉢には日本地図が描かれており、当時としては斬新であろう図柄はとても目を引きました。

秩父の山中で発見した石綿を布にした「火浣布(かかんぷ)」は、ドラマを見ていた一視聴者としてぐっと胸に迫るものがありました!

鉱山の開発を行ったり、陶法を指導したり、博覧会を開催したり、実業家もここまであれこれしないだろうというぐらい沢山の事業に関わりましたが、そこには「日本が外国から買うのではなく、外国へ日本のものを輸出できれば国益になるだろう」という考えがあったそうです。

タルモメイトル(温度計)もすぐに構造を理解し、独自の物を作りました。
西洋の物を作ることで「日本でも作れる」と知らしめたのは、日米和親条約や日米通商条約が締結されるよりも前の出来事なのです。
源内の目は、日本と海を越えたその先にある外国に向けられていたのでしょう。

あなたは静電気を作る事が出来る!?エレキテル体験コーナー

最後に、源内が復元したエレキテル(静電気発生装置)の体験コーナーがありました。
手前にハンドルがあり、蛍光灯を手に持ち反対側の手でハンドルを回して、蛍光灯をアンテナに近づけます。

光ったー!!

源内さん、光りましたー!

僅かでしたが、光りましたよ!感激です!!
電気を生み出すのって、労力がかかるんですね…。

受付の近くには源内グッズなどが置いてあるお土産コーナーがあり、お神酒天神の工作キットやミニエレキテルの模型工作セット、復元された源内焼や絵葉書などが並べられています。
ドリップバッグのコーヒーゼリーは、ドリップしたコーヒーをそのまま冷蔵庫で冷ませばコーヒーゼリーになるというしかけで、源内もビックリでしょうね!

約160年前の姿を今に伝える平賀源内旧邸・薬草園

平賀源内記念館から西へ少し歩くと「平賀源内旧邸・薬草園」があります。
元々は旧邸が遺品陳列館として開設され、2009年(平成21年)に記念館へと移転し名称も変更された際にこちらは別館となり、源内ゆかりの薬草園も併設されました。
平賀源内旧邸は、国の登録有形文化財として登録されています。

入り口から中へ入ると、たくさんの薬草が所狭しと並べられている部屋と、源内関連の本が収められている「源内文庫」の本棚が置かれている部屋がありました。

ドクダミ・エビス草・ジュズダマ・アロエが入っている源内考案の「源内健康茶」を試飲する事ができます。
薬草や漢方と聞くと苦そうなイメージがあるかもしれませんが、意外とすっきりと飲めますよ。
何度も買いに来る人もいるくらい人気だそうです。

平賀源内の業績を偲ぶ約100種の薬草・薬木

源内が著わした「物類品隲(ぶつるいひんしつ)」に取り上げられた品種を中心に植えられている薬草や薬木ですが、私達の身近にある植物にも薬効がある事を窺い知れます。
「めぐすりのき」のネーミングのそのままさに、何だかほっこりしました。

薬草園に面した縁側にある庭石。ここに源内も草履を置いたりしたかもしれませんね!

最後に

旧邸の東側には源内の銅像が建立されており、通りを見下ろしています。
昭和9年に源内先生顕彰会によって建立されたそうで、毎年3月25日の電気記念日には「源内祭」が行われ、源内の偉業を称え偲ぶ慰霊祭となっています。

旧邸から更に西に歩を進めると、代々平賀家が蔵番を務めた蔵の防犯灯である石灯籠があり、そこから源内のお墓がある自性院常楽寺辺りまでは「源内通り」と呼ばれ、飲食店や和菓子屋、珈琲豆専門店、カフェが軒を連ねています。
源内通り沿いには「そうだったのか、源内さん」立て札があり、レトロな街並みを散策しながら源内の一生をたどる事ができます。

さぬき市志度では今も「源内先生」と呼ばれ、慕われているのが伝わりました。

平賀源内記念館

〒769-2101 香川県さぬき市志度587-1
tel:087-894-1684
開館時間:9:00~17:00
休館日:月曜日(月曜休日の場合はその翌日)・年末年始
入館料:大人500円/大学・高校生400円/小・中学生250円
HP】【Facebook

平賀源内旧邸・薬草園

〒769-2101 香川県さぬき市志度46-1
tel:087-894-5513
開館時間:10:00~16:00
休館日:月曜日(月曜休日の場合はその翌日)・年末年始

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この記事を書いた人

犬山 涼

名前:犬山 涼 (犬が書いてます) 四国のへそ在住ライター。探究心のままに幅広いジャンルで執筆、四国の「知る人ぞ知る」ならお任せあれ! まだまだ知られていない「人・事・物」をお届けします。 珈琲豆の自家焙煎・販売も行っています。ご購入は各種SNSまで。     ↓「記事一覧」を押していただくと、各種SNSのリンクあります♪ ↓

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