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スポット  |    2024.04.02

忠節橋を「じゃないほう」とはいわせない!秘める観光スポットとしてのポテンシャルとは?

「岐阜市に架かる橋といえば忠節橋」を推したい!

岐阜市内に架かる橋といえば忠節橋です。

「長良橋ではないのか」という声が聞こえてきそうですね。

そんな多くの声に一矢報いるため、岐阜市在住22年の筆者が忠節橋の秘めたる魅力を深掘りします。

「じゃないほう」とはいわせません。

橋の造形を後のお楽しみにしたいので、引きのアングルからスタートです。

川沿いの芝生は長良川せせらぎ広場、22年住んでいても初めて知ることがあるのは驚きでした。

長良川と聞いて、花火大会を連想する方も少なくないのではないでしょうか?

コロナ禍で3年連続中止になった2つの有名な花火大会が、2023年に統合されてぎふ長良川花火大会として復活しました。

開催地に最も近い長良橋、花火を現地まで見に来ていれば、ほぼ間違いなく渡っているはず。

岐阜城や長良川鵜飼など、文化の最前線にある長良橋は認知度が高く、観光地として総合力の高い景観を誇ります。

しかし、今回ピックアップする忠節橋には他力を必要としない建築美があります。

初代の完成は明治、四代にわたり岐阜市民の交通を支える忠節橋

声に出して読みたくなる忠節橋の形ブレーストリブバランストアーチ!

ブレーストリブバランストアーチ、必殺技みたいですよね。

声に出して読んでみてください。

完成当時は前例となる橋が2本しかなかった珍しい形式。

設計者の伊藤千代太郎は、高校時代に旭川の旭橋を設計した吉町太郎一の教えを受けており、その影響が表れているそうです。

忠節橋と旭橋はフォルムが似ているようなので、旭橋もぜひ訪ねてみたいと思っています。

アーチ横の歩道に差し掛かると、その迫力がよく分かりますね。

剥き出しの金具や点在する錆が重厚感に拍車をかけます。

私は学生時代、自転車で通ってはアーチを見上げていました。

忠節橋通りには岐阜市民の憩いの場、マーサ21(ショッピングモール)が面しており、最も通行量の多い橋の1つです。

道幅が少々狭いので、すれ違う際はお気をつけて。

空へと盛り上がる鋼のアーチが長良川の両岸を結びます。

工事が中断!?戦後の復興をかけた再起工の決意

私たちが利用している忠節橋は四代目、初代と二代目は木造、三代目は木鉄混用だったと伝えられています。

岐阜市の中心地に架かる橋の中では、長良橋に次ぐ古い歴史を持つのが忠節橋。

現在の忠節橋には工事が中断された過去があります。

橋の下部は1937年に着工し、1939年には竣工しました。

しかし、同年に戦争が拡大。

橋の上部の建築に必要な資材が調達困難に陥り、工事の中断を余儀なくされます。

終戦後、当時の県知事が再起工を決意。

その背景には県市民の意気高揚と産業復興にかける願いがありました。

忠節橋は岐阜県岐阜市の復興の象徴でもあるのです。

建設の歴史を知ってから望む忠節橋の武骨さは逞しくすらありました。

石碑は二代目の忠節橋に設置されていたもの。

当時の出資者が自宅で保管していたものを岐阜県に寄贈したのだとか。

この石碑の存在も執筆にあたってのリサーチで知りました。まだまだ地元を勉強中です。

長良川の左岸、金華橋と忠節橋の間を繋ぐ堤防沿いにあるので探してみてください。

総合力の長良橋と個の忠節橋、長良川の清流を見下ろす橋たちの魅力

忠節橋の見どころと歴史を押さえたら、長良橋と忠節橋を比較してみましょう。

先攻は長良橋。

長良橋の魅力は総合力です。

橋の下を流れる長良川、背後には金華山と岐阜城がそびえ、写真撮影にはうってつけ。

右岸に整備された長良川プロムナードではマルシェや夜市が開催され、左岸は古い町並みの残る川原町通りに続きます。

夏には大きな花火大会があり、夜空の花が散った後も鵜飼船の連なるかがり火が秋まで水面を照らします。

季節によって表情を変える景観の豊かさと周辺だけで丸一日観光できてしまう文化の濃さ。

他の追随を許さない総合力が長良橋の魅力といえるでしょう。

後攻の忠節橋、その魅力は橋だけで景観が完成する建築美。

長良橋と金華橋の間で開催される花火大会では仲間外れ、市内の主要な観光地からも距離があります。

しかしながら、いぶし銀と表現するのが相応しい裸一貫の佇まい。

巨大建築はいつでも心をくすぐりますよね。

故に私の推し橋は忠節橋なのです。

橋だけで完結する個の力強さが忠節橋の魅力、前半の内容とあわせて伝わることを願うばかりです。

忠節橋は一見の価値あり!見応えのある武骨なアーチの建築美

岐阜市の忠節橋、初めて知った方が多いでしょう。

私の推し橋なので、少しでも興味を持ってくださったら嬉しいです。

長良川は県庁所在地である岐阜市の中心地を流れるにもかかわらず、この透明度。

忠節橋の建築美も長良橋の総合力も、長良川の豊富な水資源の賜物といえるでしょう。

岐阜県の観光は岐阜市で決まりです。

あなたが毎日のように行き来している橋にも思わぬ魅力が眠っているかもしれませんね。

ご近所の橋も深掘りしてみては?

忠節橋の情報

【住所】〒502-0842 岐阜県岐阜市

【アクセス】
■バス
 JR岐阜11番のりば「市内ループ線 右まわり JR岐阜行き」乗車
「西野町」下車で徒歩約7分(所要時間:約18分)
■車
 JR岐阜駅より約8分【駐車場】名鉄協商パーキング 岐阜西野町6丁目
■利用時間 24時間
■駐車料金
 通常料金:40分200円(0:00~24:00)
 最大料金:入庫より24時間まで400円

参考文献

ぎふ長良川花火大会【公式ホームページ】

中部地方の選奨土木遺産|JSCE 公益社団法人 土木学会

岐阜バスNavi|時刻&運賃検索

岐阜西野町6丁目 | 駐車場詳細 | 名鉄協商パーキング 駐車場検索サイト

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この記事を書いた人

入川 枕(いりかわ まくら)

岐阜県岐阜市在住、社会人時代に数年だけ上京していました。「書く」でどこかの「ひとり」に届くコンテンツを。適応障害をキッカケに専業WEBライターへ転身するまでは、ホテルのフロントスタッフや大手通信企業の店舗販売員などをしておりました。現在は完全在宅ワークで、主にクラウドソーシングを通して活動しています。世界各国の文化を紹介するコラムサイトや地方創生メディアなどに多数寄稿しているので、どこかで皆さんの目に留まるご縁があれば嬉しいです。Mediallでは「岐阜県の観光地といえば岐阜市」を目指し、高山や下呂などの有名観光地に負けない地元の魅力を深掘り・発信しています。皆さんが岐阜市に足を運ぶ理由になれますように。

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