岡山にある「招き猫美術館」をご存じでしょうか?
招き猫美術館は、知る人ぞ知るパワースポットです。1994年に日本で初めて「招き猫」のみを扱う美術館として開館し、今年で開館30周年。現在、30周年を記念して様々なイベントが開催され、多くの人で賑わっています。
ぜひ招き猫が集まるパワースポットにお越しください。
そもそも招き猫とは?
招き猫は、江戸時代末期に江戸で生まれた縁起物。だるまや福助と共に、縁起物として人々に福を招いてきました。
時代の流れにより様々なご利益が付けられ、形状も多種多様です。また、世界に広まったことで形も国により異なります。猫のように自由の象徴として愛されている招き猫は、世界中を魅了してやみません。
招き猫の起源や種類について
招き猫の起源には諸説ありますが、東京にある曹洞宗「豪徳寺」の言い伝えが有名でしょう。豪徳寺の言い伝えや招き猫の手の上げ方について以下に解説します。
招き猫の起源(豪徳寺の言い伝え)
豪徳寺の言い伝えによると、彦根藩主の井伊直孝が鷹狩りの帰路、豪徳寺の門前にいた猫に手招きされたので、立ち寄ったそうです。住職と会話を楽しんでいると、雷雨となりましたが、豪徳寺に立ち寄ったおかげで、濡れずに済みました。
この幸運に感動した井伊直孝は、豪徳寺を支援し、寺は1633年に再興されたそうです。これがきっかけとなり、この福を招いた猫を「招福猫児(まねきねこ)」と呼び、招福殿を建て祀ったことが始まりといわれています(参考:豪徳寺公式ホームページ)。
招き猫の種類(手の上げ方や色の違い)
招き猫には色や手の上げ方が違うものがあります。色や手の上げ方にどういう意味があるのでしょうか?以下に解説します。
まず、手の上げ方の違いにはどんな意味があるのでしょうか?
- 右手を上げている招き猫は「お金」をもたらす
- 左手を上げている招き猫は「人」をもたらす
- 両手を上げている猫は「幸運」をもたらす
では、色の違いにはどんな意味があるのでしょうか?
- 白は「オールマイティな開運」をもたらす
- 黒は「厄除」をもたらす
- 金は「金運」をもたらす
- 赤は「健康」をもたらす
- 緑は「学業成就」をもたらす
- 紫は「長寿」をもたらす
- 青は「家内安全」をもたらす
組み合わせにより、たくさんの種類の招き猫になりますね。
日本初の招き猫美術館とは?
江戸時代から続く庶民芸術の代表であり世界に誇れるものとして、招き猫に魅せられた初代館長。「収集した縁起の良い招き猫たちをもう一度大切に育てていこう」と考え、1994年10月10日に開館したそうです。
最初はすぐ近くにある天台宗金山寺境内で美術館を始め、1999年に現在の場所へ移転しました。
現在の建物は、百年の歴史がある古民家を改造しており、とても風情があります。まさに招き猫の館です。
日本には「招き猫ミュージアム」が愛知県にありますが、博物館と美術館まで揃うとは、招き猫、恐るべしですね。
招き猫美術館のみどころ
岡山の招き猫美術館(招き猫アートミュージアム)には、招き猫が800体ほど収蔵されています。現代作家のアート作品も展示されており、思わず笑みがこぼれてしまうかもしれません。
以下にみどころを紹介します。
福寿横丁の2体の「ラッキー」
招き猫美術館のオリジナルキャラクターである「ラッキー」。まず、白のラッキーへ願い事を書いた「願い札」を奉納します。
その後、願い事が成就したら、黒のラッキーへ感謝を記した「叶い札」を奉納するのです。
願い札と叶い札がたくさん奉納されており、招き猫のパワーを感じられます。
800体もの招き猫が鎮座する「百福の間」
陽射しが降り注ぐ様子を表現した絵画や後光がさすように設計された2階には、「百福の間」があります。約800体もの招き猫が歓迎してくれますが、超大物もいて、びっくり。
また、「同じポーズで写真を撮ると招福になる」との噂がある面白い形の招き猫がドーンと置かれていました。
ちょっと恥ずかしいですが、なんとか一人で携帯カメラによる撮影に成功(写真は掲載しませんので悪しからず)。
現代アート作家の作品の展示
様々な現代アートの招き猫が展示されていますが、思わず、クスッとなる作品がありました。画家の綿引明浩(わたびきあきひろ)さんの作品です。目の中に景色が流れている様子を表現しているようでした。
まるで絵画のような景色
京都にある源光庵の「丸い窓(悟りの窓)」からの景色や、島根にある足立美術館の窓枠を額縁に見立てたような景色を見られます。
まるで絵画のような景色に心奪われるでしょう。
招き猫絵付け体験
自由に絵付けされたよりすぐりの招き猫はみどころです。
また、自分で絵付けできるので、楽しい時間を過ごせるでしょう。絵付けは隣にある別館「LUCKY CATS HOUSE」で体験できます。
招き猫の種類を選び、好きな色で好きなように絵付けをし、当日、持ち帰ることができます。これまでの累計で、7万5千人を突破する勢いの人気イベントです。
現在は、8月31日まで「招き猫美術館でたのしい夏休み」というイベントが開催されており、毎日絵付け体験ができます。
「右手を上げる猫(黒色または白色)」「両手を上げる猫」「丸い猫(円満猫:人生まるく円満に)(白色)」から、ベースの招き猫が選べます。
参加費は1,700円、所要時間は約1時間なので、ぜひ楽しんでくださいね。
広い工房なので同時に50人が絵付けを楽しめます。
招き猫美術館のお土産はどれにする?
招き猫美術館には色々なお土産が販売されています。近くにある「金山寺」のお守りや御朱印、備前焼やアクセサリー、招き猫などたくさんあるので、お好みのものをお土産にすると喜ばれるでしょう。
招き猫デザインの御朱印
すぐ近くの金山寺の御朱印やお守りなどの開運グッズもあります。
備前焼の招き猫軍団
備前焼の招き猫も置いています。自分の好みの1体を見つけてくださいね。とにかく可愛いです。
色々な招き猫たち
自分の気に入った形状の招き猫を購入し、飾るといいですね。左右の棚にも色々な種類の招き猫があります。
岡山まで来れない人は、公式オンラインショップで招き猫などを購入できるので、そちらでお気に入りを見つけてくださいね。
岡山に来たら招き猫美術館でパワーを頂こう!
気さくで招き猫を愛してやまない館長の虫明修さんは、招き猫のポーズまでしてくださいました。優しいお人柄が素敵な方でした。
岡山市中心部から車で20分程度の高台にある「招き猫美術館」は、猫好きな人や招き猫愛好家だけでなく、家族で楽しめるパワースポットです。
岡山を訪れた際は、ぜひ30周年記念イベントを見逃さず、楽しんでみてはいかがでしょうか?
招き猫美術館の情報
- 住所:岡山県岡山市北区金山寺865-1
- 電話:086-228-3301
- 公式ホームページ:招き猫美術館
- オンラインショップ:公式オンラインストア
- 営業時間:10時~17時(入館は16:30まで)
- 定休日:なし、年中無休
- 絵付け体験:受付時間は10:00~15:30(空きがあればすぐにできます)
- 入館料:一般600円、小・中学生300円(障がい者割引あり)
- アクセス:岡山駅からのアクセスを以下に記載します。
【 アクセス 】
★タクシー 約20分(小型車 約3,000円)
★JR津山線 岡山駅9番ホーム
普通列車 福渡・津山行に乗車 約8分 190円
備前原駅で下車、タクシーで約9分(徒歩では困難)
津山線発車時刻 10:33, 12:18, 14:16, 15:36
(上記は普通列車の時刻、快速列車は備前原駅を通過するので注意)
★宇野バス 岡山駅前バスターミナル12番乗り場
林野駅・仁堀・町苅田・ネオポリス・山陽団地行き乗車 約20分 200円
金山口で下車、タクシーで約7分(徒歩では困難) 約20分ごとに運行
タクシーは、両備タクシーセンター(086-262-3939)まで
金山口バス停からの呼び出しは「宇野バス・金山口バス停の駐輪場まで」
と伝えましょう。
時間がかかるので、前もって予約するのが無難です。