「走れメロス」や「人間失格」など、多くの名作を残した文豪・太宰治。
太宰治の生家であり、現在は記念館として残されている「斜陽館」が青森県五所川原市にあります。
この記事では太宰治記念館・斜陽館についてたっぷりご紹介します。
太宰治記念館「斜陽館」とは
斜陽館は太宰治の生家であり、彼の作品「斜陽」にも繋がる由緒ある場所です。
青森県五所川原市(ごしょがわらし)にあり、現在は太宰治の記念館として残っています。
明治時代に建てられた木造建築物として2004年に国の重要文化財に指定されており、歴史的建造物としての見応えもあります。
斜陽館は太宰治の生い立ちや作品に触れられるので、ファンの方にとってはたまらない場所ではないでしょうか。
また明治時代の富裕層が建てた豪邸を見学して、当時の生活の様子を知ることができるので歴史好きの方にとっても特別な体験となります。
斜陽館の歴史
太宰治の父・津島源右衛門は青森県の津軽地方で有名な大地主であり、米蔵や庭園などもあるこの家を明治40年に莫大な資金を投じて建てました。
1階は11室278坪、2階は8室116坪と付属建物や庭園なども合わせて宅地約680坪の豪邸です。
当時の津島家の富裕層としての地位を物語っていますね。
太宰はこの家を『苦悩の年鑑』の中で「この父は、ひどく大きい家を建てた。風情も何も無い、ただ大きいのである」と書いています。
この豪邸は戦後になり津島家が手放した後、昭和25年から旅館「斜陽館」として町の観光名所となり、全国から多くのファンが訪れていました。
その後、平成8年に旧金木町(五所川原市金木町)が買取り、現在は太宰治記念館として残されています。
外観に圧倒される
斜陽館に着いて、まず驚いたのは圧倒的な敷地の広さと建物の大きさです。
太宰治の実家は裕福だと知ってはいましたが、こんなに大きな家で生まれ育ったのかと驚きました。
建物の中も豪邸そのもの
中に入ってみると、想像以上の広さと部屋数の多さに驚きます。
靴を脱いで部屋の中に入ってもいいので、おうち探検みたいでワクワクします!
お子さん連れでも退屈せずに楽しめます。
玄関に入るとすぐ右手に受付があるので入場券を購入しましょう。
パンフレットの裏に記念スタンプを押せるので、ぜひ押していってくださいね。
受付の側にキーホルダーや缶バッチなどのお土産も販売していました。
津島家は有力な大地主として土地経営や金融業務を行っていたようで、金融執務室という部屋がありました。
各部屋には説明書きがあり、日本語・英語・中国語・韓国語に対応していました。
「斜陽館音声ツアーガイド」のQRコードをスマホで読み込むと、音声でも解説してくれますよ。
2階に上がる階段の装飾や立派な古時計など、細かなところまで豪華さを感じます。
扉を開けると昔の電話がありました。
斜陽館のような豪邸では当時、プライバシーを確保し重要な会話が外部に漏れるのを防ぐために、電話を扉の中に設置することが一般的でした。
太宰になりきって彼の文学作品にふれる
太宰治が着ていたデザインと同じマントが試着できます。
ポージングして太宰の気分を味わってみましょう。
休憩室があるので、見て回って疲れたらひと休みするのもオススメ。
太宰治に関わる本を自由に読んだり、映像が流れているので椅子に座って視聴できます。
カフェとしても営業しているみたいですが、この日はお休みでした。
ここにも太宰のマントの試着がありスタッフの方に写真を撮ってもらえるので、おひとりで来ても大丈夫ですよ。
他にも太宰治が使っていたマントや執筆用具・手紙など、彼の文学作品や私生活に関する約300点の貴重な資料が置いてある展示室がありました。
ただし、その展示室は撮影禁止となっていましたのでご注意ください。
まとめ
今回は太宰治の生家「斜陽館」をご紹介しました。
豪邸でありながら、どこか漂う寂しさに太宰治の複雑な人間像を感じさせられました。
太宰治のファンや歴史的な文豪として知っているという方も、彼の作品や人物像への理解が深まる場所となっています。
また斜陽館は国の重要文化財に指定されている歴史的建造物です。
昔の独特な雰囲気を味わいながら、太宰治関連の貴重な資料を見ることができるので、歴史や文学・建築好きの方にもオススメです。
青森県に来た際や太宰治が好きな方は、ぜひ一度訪れてみてくださいね。
施設情報
太宰治記念館「斜陽館」
住所:〒037-0202 青森県五所川原市金木町朝日山412-1
TEL :0173-53-2020
開園時間:9:00〜17:00(最終入館は16:30)
休館日:12月29日
アクセス:
♦︎津軽鉄道金木駅下車・徒歩7分
♦︎津軽自動車道五所川原北ICより車で約15分
駐車場:約50台(無料)
♦︎入場料
一般 | 高・大学生 | 小・中学生 | |
個人 | 600円 | 400円 | 250円 |
団体 | 500円 | 300円 | 200円 |
♦︎共通券(津軽三味線会館入館料+斜陽館入館料)
一般 | 高・大学生 | 小・中学生 | |
個人 | 1,000円 | 600円 | 400円 |
団体 | 900円 | 500円 | 300円 |
♦︎公式サイト
NPO法人 かなぎ元気倶楽部
五所川原市ホームページ