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スポット  |    2024.08.26

古墳を巡る世界遺産ウォーキング~健脚向けコース~|大阪府羽曳野市【後編】

いにしえのロマンがよみがえる古墳巡りと、心身の健康を保つウォーキングを組み合わせて楽しむ、世界遺産ウォーキング。
羽曳野市と藤井寺市にある古墳で構成される「古市古墳群」は、壮大なスケールの日本を代表する巨大古墳群です。
百舌鳥・古市古墳群の紹介や、スタート地点の「高鷲駅」から津堂城山古墳までの様子については【前編】をご覧ください。
それでは【後編】、悠久の古墳ロードに出発です!

歩いて浸る、いにしえのロマン

「健脚向けコース」後半

地域の人々がお散歩をしたり、お花見を楽しんだり、公園のように自然を満喫して過ごす津堂城山古墳から、仲哀天皇陵古墳へと向かいます。
長尾街道と呼ばれる道を「藤井寺駅」方面に進むと、府道堺大和高田線に出ますが、横断し、そのまま直進します。

すると、見えてくるのが、アーケード商店街。
ノスタルジックな雰囲気が漂う、藤井寺駅前北商店街です。

藤井寺駅前北商店街を抜けると踏切があり、渡ると次の商店街に入ります。
こちらは、藤井寺一番街商店街
藤井寺駅前北商店街と同様、ゆったりとした時間が流れるレトロな商店街です。

藤井寺一番街商店街のアーケードを抜けると、左手に西国第五番札所 紫雲山 葛井寺 、

更に進むと、右手に辛國神社の鳥居が見え、

道が2つに分かれます。

右手の道を進むと、鉢塚古墳が見えたので、立ち寄ってみました。

古市古墳群の中でも小さな前方後円墳です。

鉢塚古墳

鉢塚古墳から更に住宅街を南に進むと、次の目的地、仲哀天皇陵古墳が見えてきます。

水面に映る姿がとても美しい、古市古墳群で3番目に大きな前方後円墳です。

古墳に沿ってグルっと歩いて行くと、案内板が出てきます。

案内板のあたりも、写真を撮るのにおすすめのスポットです。

仲哀天皇陵古墳

仲哀天皇陵古墳を後にして向かうのは、藤井寺市立生涯学習センター「アイセルシュラホール」

船形埴輪と修羅をモチーフに、歴史を継承し未来へと出帆する船をイメージしているそう。
とてもインパクトのある外観です。

アイセルシュラホールの2階には、旧石器時代から平安時代までの藤井寺の歴史をテーマにした、歴史展示ゾーンがあり、津堂城山古墳出土水鳥形埴輪、西墓山古墳鉄器埋納土壙、土師の里8号墳出土円筒埴輪棺など、主に藤井寺・古市周辺で見つかった出土品や古墳に関するものが多数展示されています。

敷地内に藤の森古墳石室もあります。

畿内の横穴式石室としては最古級のものとして、藤の森古墳石室は、貴重な史跡となっています。

藤井寺市立生涯学習センター「アイセルシュラホール」

※リニューアル準備に伴い、令和6年4月1日から令和7年3月31日までアイセルシュラホール2階歴史展示ゾーンは全面的に閉鎖されています。

続いて向かったのは、仁賢天皇陵古墳

まずは、前方部側にある拝所から。
道路から少し細い道を下ったところにあります。

なお、案内板は後円部側にあり、なかなか分かりにくいです。

6世紀前半に築造された前方後円墳であるこの古墳は、野中ボケ山古墳と呼ばれ、宮内庁により「埴生坂本陵」として、第24代仁賢天皇の陵とされています。
しかし、実際の被葬者は明らかではないそうです。

仁賢天皇陵古墳

では、仁賢天皇陵古墳を出発して、峯ヶ塚古墳に向かいます。
峯ヶ塚古墳は、古市古墳群の中では数少ない、内部施設が発掘調査されている前方後円墳です。

峯ヶ塚古墳は、峰塚公園の中にあり、公園の入り口に建つのは、管理棟「時とみどりの交流館」。
また、公園内には、古代建築を模したデザインの公衆トイレもあります。

峯ヶ塚古墳といえば、2022年の発掘調査で、内濠の中から日本最大となる長さ約3.5メートルの木製埴輪「石見型木製品」が出土し、ニュースに取り上げられていたことが、記憶に新しいのではないでしょうか。
墳丘は二段に築かれており、二重濠をもつ古墳です。

峯ヶ塚古墳

そして、この健脚向けコースで訪れる最後の古墳は、白鳥陵古墳
墳丘長200mの5世紀後半の大型前方後円墳で、満々と水をたたえた濠に囲まれています。

白鳥陵古墳は、「白鳥三陵」の一つです。
『日本書紀』などによると、東方での戦いの帰り道、伊勢の能褒野(のぼの)の地で亡くなった日本武尊(ヤマトタケルノミコト)は、姿を白鳥に変え、大和へ向かい、琴弾原(ことひきのはら)に降り立ったあと、河内の旧市邑(ふるいちのむら)に飛来し、ついには羽を曳くように天高く飛び立ったという「白鳥伝説」があり、日本武尊が没した場所(三重県亀山市)、白鳥が一旦降り立った場所(奈良県御所市)、最後に舞い降りた場所(大阪府羽曳野市)のそれぞれの地に御陵が造られ、合わせて「白鳥三陵」と呼ばれています。
また、羽曳野市という名前も、この「白鳥伝説」に由来しているそうです。

白鳥陵古墳

荘厳な雰囲気を醸し出す白鳥陵古墳の魅力を体感したあとは、ウォーキングマップのゴール地点、「古市駅」に向かいます。

「古市駅」すぐの場所に大阪はびきの観光局があります。
今回は、事前にウォーキングマップを持っていたため、マップどおりに「高鷲駅」から出発しましたが、こちらでウォーキングマップをもらい、古墳や羽曳野市の情報を得てから逆回りでウォーキングを楽しむのも良いかもしれませんね。

歴史を感じる旅の魅力

古墳を巡るウォーキングは、単に運動を楽しむだけでなく、古代日本の歴史を実感できる貴重な体験です。
百舌鳥・古市古墳群は、4世紀から6世紀にかけて築かれた古代日本の王たちの墓群であり、世界遺産に登録されています。
その魅力は、巨大な前方後円墳や美しく整備された周辺の風景など、多岐にわたります。
また、地上から古墳を観察することで、新たな発見があったり、歴史への理解が深まったり、これまで知らなかった日本の歴史の一端に触れ、深い満足感を得ることができるでしょう。
また、世界遺産ウォーキングをきっかけに、羽曳野市を知り、たくさんの人が訪れ、魅力を知っていただける機会となれば、うれしいです。

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この記事を書いた人

ATAKO

夫+娘2人+猫10匹+ミニウサギとともににぎやかに暮らす、かわいいもの、おいしいもの、楽しいことが大好きなWebライター・地方新聞記者のATAKOです。寺社・お城をめぐり、御朱印・御城印を集めるのが趣味。生活圏である羽曳野市・藤井寺市を中心にその周辺地域、私が生まれ育った吉野(奈良県)の魅力、おすすめの場所を発信していきたいと思います。

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