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スポット  |    2023.09.01

みなとみらいの「JICA横浜 海外移住資料館」で、知られざる移民の生活を学ぶ

東急みなとみらい線「馬車道」駅から徒歩8分、みなとみらいの新港エリアにある「JICA横浜  海外移住資料館」。

戦前から戦後にかけ、海外に旅立たれた方々の歴史や貴重な資料が見られる場所です。横浜港からも多くの日本人が移民船で海外に移住されました。

今回は、横浜・みなとみらいでも隠れた名所、JICA横浜 海外移住資料館を紹介していきます。

JICA横浜 海外移住資料館とは

JICA横浜 海外移住資料館は2002年4月にオープン。海外移住の歴史に関する資料や展示品が見られ、どなたでも無料で入れる資料館です。

入口は広々

展示物は、無料とは思えない充実ぶり。映え写真が撮れるスポットもある、横浜でもおすすめの資料館です。

ローズフェスティバルの山車が映える

屋根の上には白菜

なかに入ると1921年にアメリカのローズフェスティバルで使用された山車のレプリカがどんとあります。

実際に乗ることはできませんが、写真撮影はOK。

アメリカのオレゴン州に移住した日本人農家の方々が作った野菜や果物、花が飾りつけられています。日本とアメリカを代表する野菜が使われていて、共存をイメージして作られているのだそう。

よく見ると屋根はアメリカの国旗になっています。反対側は日本の国旗が描かれているんですよ。

移住した人々の歴史を知る

奥に進むと海外移住の歴史の資料展示となっています。

海外渡航が始まった頃、移住先はアメリカやハワイが多かったのですが、時代と共に移住先は中南米へと移っていきます。

パスポートの始まりや海外に嫁いだ花嫁、戦時中の移住先での暮らしなどの写真や資料が多数。

戦時中の収容所の暮らしや、アメリカ兵として多くの日系二世が入隊したという442部隊の写真や資料の展示。学校の授業ではあまり教わらなかった、知られざる日本人移民の過酷な歴史や実際に強制収容された方のお話が視聴できるコーナーもあります。

映えスポットもある!

3Dショットが撮影できる

日本人移民の方がどんな仕事をしていたかというと、主に農業や漁業に携わる方が多かったようです。

ブラジルのアリアンサ移住地の開拓風景は、ちょっとした写真スポット。

斧で構えて撮影する方多数

レプリカの斧を持って3D写真が撮れます。

昔の人の持ち物がチェックできます

移民の七つ道具のコーナーでは、トランクのなかにも個性が出ています。女性は化粧品。麻雀パイや専門書など、どんな人の持ちものか、想像するのも楽しいです。

化粧品は今も昔も重要

移住先に持っていくアイテムとして人気があったのは、浣腸。病院がないエリアに行くので、当時の手っ取り早い治療法が浣腸だったそうです。他には柳行李や竹行李は服や雑貨品を詰めておけるだけでなく、赤ちゃん用のゆりかご代わりにも使われていたそうです。

海外にいると日本のものが恋しくなりますよね。アメリカのオレゴン州にあった雑貨屋さんを再現しています。

映画に出てきそうなお店

下駄や日本酒、魚やすき焼きの缶詰めなど、昔から日本の味が買えるお店があったんですね。

お酒の陳列が見事

学習コーナーではゲームや紙芝居、かるたなどで移民の生活を学べたり、日系の人たちが自分たちのルーツを調べられるような端末があったりなど、情報の提供にも力を入れています。

広々とした学習コーナー

その昔ハワイへ渡り、今では大家族となった六世代に渡る家族写真が展示されています。

ビッグファミリーになったハワイの日系人の方

六世代ともなると顔立ち、肌や髪の色も違ってきます。

一組のご夫婦から六世までいっしょに写っている写真は、共存していくことの素晴らしさ、差別や偏見のない社会とはどういったものなのか。平和とは何か、など深い問題を象徴している写真でした。

人々が共存していくことの大切さやむずかしさが、学べる資料館です。

まったりできるブックポートやライブラリーも

小あがりがあるおしゃれな設計

JICA横浜には、移民関連の本が読める閲覧室や国際協力関連の本が読めるライブラリー、司書さんおすすめの本が楽しめる「ブックポート-本の港-」など、のんびりできるところもありますよ。

SDGsを意識した企画

ライブラリーは、海外の絵本など日本ではめずらしいものもあり、また時節に応じたプッシュ企画なども開催。さらに日本在住の方であれば、 誰でも本を借りられるとのこと。

閲覧室には移民関連の専門書を多数取り揃えており、こちらは館内でのみ閲覧可能。調べものには最適なスペースとなっています。

まとめ

JICA横浜 海外移住資料館は、日本人移民の歴史や貴重な資料が展示されている資料館です。

現在設備工事が実施されており、施設の一部が休館となる場合があるそうですので、事前にホームページなどで開館状況をご確認ください。

またJICA横浜 海外移住資料館ではボランティアガイドさんがいらっしゃるので、詳しい解説を聞きたい場合は依頼できるとのこと。ただし、常駐しているわけではないので、ご希望の場合は事前にお問い合わせいただくことをおすすめします。

みなとみらいに来られた際は、移民について学べるJICA横浜 海外移住資料館にぜひ、立ち寄ってみてくださいね。

JICA横浜 海外移住資料館
住所:神奈川県横浜市中区新港2丁目3−1 2階
アクセス:東急・みなとみらい線「馬車道」駅4番元町出口より徒歩8分
東急・みなとみらい線「みなとみらい」駅より徒歩15分
JR根岸線「桜木町」駅、「関内」駅から徒歩15分
TEL:  045-663-3257
開館時間 10:00~18:00(入館は17:30まで)
定休日:月曜日(祝祭日と重なる日は翌日)/年末年始(12/29~1/3)
入場料:無料
ホームページはこちら 

閲覧室
開館時間10:00~18:00(12:00~13:00は閉室、最終入室は17:30)
定休日:毎週日曜日/月曜日、祝日、毎月の最後の開室日、年末年始(12/29~1/3)

ライブラリー
開館時間 10:00~18:00
定休日:月曜日(祝祭日と重なる日は翌日)/毎月末(平日)/年末年始(12/29~1/3)
入場料:無料

ブックポート-本の港-
開館時間 10:00~17:30
定休日:年末年始(12/29~1/3)
入場料:無料

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この記事を書いた人

chillco

神奈川県横浜市在住。生まれも育ちも横浜取材・インタビューを中心に活動するWebライター。旅・酒・食・音楽がテーマ。訪れた国は25か国を超える。お酒やグルメ、スィーツ、イベントなど地元・横浜の魅力を発信していきます!

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