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地域応援ブランド  |    2025.09.13

積極性とリーダーシップでチームを変えた|ハンズホールディングスCUP 2025出場!福井ビッグドルフィンズのキーマン

「日本知的障がい者ソフトボール連盟主催 ハンズホールディングスCUP 2025」に出場する福井県代表のビッグドルフィンズ。この大会は、昨年からハンズホールディングス株式会社の協力により開催されています。

大会の目的は、知的障がい者スポーツの認知度向上と魅力発信。7チームが参加して熱戦を繰り広げ、各チームには1企業が応援サポーターとして付いて大会を盛り上げます。知的障がい者の自己実現と余暇活動の場を提供するだけでなく、社会の理解と支援を促進する重要な機会となっている大会です。

本大会に福井県から参加するビッグドルフィンズは、今年で設立34年という歴史の長いチーム。ピッチャーを務める堀田岳史さんは、チームに加入して8年の35歳です。

活動暦でも年齢でも中堅ですが、チームの中でリーダーシップを発揮し、メンバーを引っ張る存在です。今回はそんなビッグドルフィンズのキーマンである堀田さんにお話を伺いました。

チームへの加入は会社での出会いがきっかけ

「僕の働いてる会社に、ビッグドルフィンズでキャプテンをやっている村井さんが入ってきたのがきっかけです。村井さんが入社してすぐにたまたま話す機会があって、そのときにビッグドルフィンズの話を聞いて」

堀田さんは、ビッグドルフィンズに参加することになったきっかけを、こう振り返ります。

大手メーカー系列の会社で部品製造の仕事をしている堀田さんは、小中高では剣道をやっていて、体を動かすのが好きだったそうです。

「すぐに興味が沸いて、やってみたいって思ったんです」

実は堀田さんは、ビッグドルフィンズと出会う前から一般の社会人ソフトボールチームに参加してソフトボールをしていました。知的障がい者のソフトボールチームがあることは、村井さんと知り合って初めて知ったのです。

チームへの参加が与えた変化

現在、チームの中心選手として活躍する堀田さんですが、最初はソフトボールが得意だったわけではないと言います。

「僕は、元々ソフトボールがそんなに上手くなかったんです。でも8年間、毎週日曜日の練習を続けて、監督やコーチの指導のおかげで、キャッチボールをまともにできるようになったし、バッティングもそこそこ良くなってきたと思っています」

週1回とはいえ、8年間積み重ねてきた地道な練習が今の堀田さんをつくってきました。現在はピッチャーを任されているほか、試合では状況に応じてショートやセンターも守ります。

ソフトボールの練習を毎週続けることで、生活面にも良い影響がありました。体力の向上が、製造業の仕事にも役立っていると言います。

さらに、堀田さんにとって毎週日曜日に練習に参加するのは「趣味の時間」になっているそうです。ソフトボールが、堀田さんの生活を豊かにしています。

忘れられない福井国体の悔しさ

堀田さんには、忘れられない試合があります。2018年に地元福井で開催された国体での試合です。

「決勝で広島のチームと対戦しました。みんなで力を合わせて終盤で同点まで追いついたものの、最後はサヨナラ負け。本当に悔しかったですね」

勝利まであと一歩のところでの敗戦。その悔しさは今も鮮明です。

「やっぱりまだまだ力不足なんだなということを感じました。もっと頑張らなければいけないなと」

この悔しい経験が、今も堀田さんの原動力となっているようです。

昨年大会で経験したソフトボールならではの喜び

昨年参加したハンズホールディングスCUPでは、とてもうれしい経験をしました。

1回戦で当たったのは、前年に優勝した千葉のチーム。このとき、堀田さんは調子が良くなかったそう。

「ちょっと危ないな、やばいかな」と思った試合展開の中で「後輩が最後にサヨナラホームランを決めてくれて、逆転勝利。そのときは本当にうれしくて、みんなで駆け寄って喜びました」

自分が活躍できなくても、チームメイトのひとつのプレーが試合の流れを変えたり勝利に導いてくれたりすることもある、そんなチームスポーツの醍醐味を味わった大会でした。

そして、ハンズホールディングスCUPのような大会への参加を通じて、相手チームの選手たちと交流できることも、ソフトボールをやっていてよかったと感じる点だといいます。

「相手のチームの方といろんなお話をするのも楽しいです」

と、ソフトボールを通じて広がる人とのつながりもまた、堀田さんの大切な財産になっているようです。

チームに積極性をプラスする存在

ビッグドルフィンズは設立から34年という歴史のあるチーム。そのため、在籍している選手の年齢層も幅広く、下は10代から上は50代まで。その中で、堀田さんの存在はとても重要です。

チームの設立者でもある監督の猪股さんは「彼が勝敗の鍵を握る度合いは、攻撃においても守備においても大きいんです。彼には、そういうことを自覚してプレーしてほしいなと思っています」と、堀田さんへの期待を語りました。

また、チームへの貢献は技術面だけではありません。猪股監督からはこんな話も聞けました。

「後輩に『元気出して』『声が出てないよ』とか、私が言わなければならないようなことも言ってくれます。指導者に言われるよりも同じ選手から言われる方が感じるところがあると思うので、そういう意味では非常にありがたいと思っています」

堀田さんがチームに加入する前は、自分から声を出すという文化がなかったというビッグドルフィンズ。

「積極的に声を出すし、リーダーシップも取れるタイプだったので、チームとして一つ進んだ気がします」

と、猪股監督は話します。

「準備や後片付けも率先してやってくれるので、周りもやらなければならないと思って、みんなでやるようになりました」

目指すは「優勝」でも、さらにその次へ

最後に、今年のハンズホールディングスCUPへの意気込みを聞きました。

堀田さんはチームの中心メンバーとして、またピッチャーとしての目標を語ってくれました。

「チームとしては、全員で一丸となって優勝を目指していきたいと思っています。ピッチャーとしては、ストライクを一つずつ取って打たれないようにしたいですね」

そして、猪股監督は今回のハンズホールディングスCUPの目標をこう話しました。

「この大会は、普段なかなか対戦する機会のないチームと試合ができて、チームのレベルを図るいい機会です。出場する以上、目指すのはやはり優勝ですが、仮に優勝しても初戦で負けても、この大会でチームの活動が終わるわけではありません。だから一番大切なのは、次につながるような戦い方をすることだと思っています。選手は一生懸命やって、私はそれを生かせるように最善を尽くしたいです」

ビッグドルフィンズは、猪股監督が大学生の時に障がい児教育を学んでいた経験を活かしてつくったチーム。昨年の取材時には「長くやっていれば強いときも弱いときもあります。存続することに意義があると思います」と、語ってくれていました。

堀田さんの存在も「継続すること」の大切さを体現し、ビッグドルフィンズの存在意義とリンクしているようです。

ハンズホールディングスCUPは、こうしたそれぞれのチームや選手一人ひとりに光を当て、共生社会の形成と知的障がい者スポーツの活性化を目指しています。

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この記事を書いた人

サカイミハル

企業の広報担当歴10年以上。Uターンで田舎の里山暮らしをしながら、健康・美容関連のコラム記事やSNS記事の執筆、会報誌の編集などに携わっているほか、プレスリリース作成とメディアリレーションズ、企業ブランディングのためのインタビュー記事の執筆も承っています。 Mediallでは、こだわりや想いの詰まったビジネスとそれに携わる人の魅力をお伝えします。

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