みなさんは「介護」と聞いてどのようなイメージがありますか。
汚い?それともキツい?それとも両方?
また、介護の仕事はやりがいがあるけど続かない、大変そう、体力に自信がない、など残念ながら介護のイメージはいいとは言えません。
ネガティブ要素が多い介護の仕事、ほんのちょっと考え方を変えるだけで専門知識も業界の経験も関係なくポジティブになれる方法があると思うと、なんだかワクワクしませんか。
北海道室蘭市でオンリーワンの存在である「フリーランス介護福祉士」アッキーさんこと豊島明広(とよしまあきひろ)さんに会いに行ってきました!
フリーランス介護福祉士:豊島明弘さんはこんな人
アッキーさんは、北海道室蘭市の「フリーランス介護福祉士」です。
ルールの中で制限された介護に限界を感じ、介護保険外自費サービス事業として「介護の便利屋さん」を立ち上げました。
2021年3月にフリーランス介護士として独立し、もうすぐ3年です。
道内はもちろん、国内でも珍しい「介護職のフリーランス」という働き方や仕事に対する思い、そしてアッキーさんのお人柄について紹介します。
「介護保険」と「介護保険外」とは?介護の仕事を簡単に解説します
介護の仕事は、高齢者や障がいのある方の生活を助ける仕事で「お食事」や「お風呂」「トイレのお手伝い」や、一緒に体を動かす「レクリエーション」などがあります。
介護にかかる費用は、介護保険の適用で1〜3割の自己負担でサービスを受けることが可能です。
ところが、介護以外の費用や介護保険内であっても「時間や毎月の回数に制限がある」「必要な時に受けることができない」など、サービスの限界があります。
大手介護施設の施設長まで経験したアッキーさん、この限界を突破しようと介護職では珍しい「フリーランス」という働き方を選びました。
介護の仕事を始めたのは単なる「職探し」だった
アッキーさんが介護の仕事を始めたのは2007年、それまではサービス業や建築現場など、介護とはまったく関係のない仕事に就いていたといいます。
就活中にたまたま受かった仕事が介護。興味は全くなく、与えられた業務をなんとなくこなす日々でしたが、本気になったきっかけはある入居者さんの言葉だったといいます。
「ここは怖い人がいる、助けて」
「明日もあなたが来て、約束して」
おばあちゃんと交わした深夜の「約束」が、アッキーさんのスタートラインとなりました。
自己資金1万円からスタートしたフリーランス生活
アッキーさんが大手介護施設を退職し、フリーランス生活がスタートしたのは2021年3月から。
「介護職のフリーランス」に、周囲の目は冷ややかだったといいます。
法律に囚われないサービスで心から寄り添えるのはフリーランスしかない、願いを込めてつけた事業者名は「介護の便利屋さん」そして、自己資金は1万円。
たとえ一人でも必要としてくれる人がいるのなら、と介護保険では困難な依頼も心を込めた結果、たくさんの信頼と安心、笑顔をもらえるようになりました。
好きなスポーツはボクシング!
フリーランス介護福祉士として忙しい毎日を送っているアッキーさん。ボクシングが好きでジムに通って練習していたこともあるそうです。
仕事が忙しくなりボクシングから遠ざかっていたころ、アッキーさんが「一度戦ってみたい」と思っていた選手が試合相手を探していることを知ります。
8キロの減量を乗り越え、あこがれていた選手とリングで戦う夢が叶ったのはアッキーさん47歳の時でした。
試合の結果は2ラウンドKO負けでしたが、いくつになっても夢は叶うと感じた瞬間であり、フリーランス介護福祉士としての原動力となっています。
介護保険外自費サービス「介護の便利屋さん」
「自費」と聞くと「高額」なイメージがありませんか。
自費とは法律で決まっている範囲以外のサービスを自由に提供できることがメリットですが、不透明な部分が多く高額なイメージがあります。
美容整形や歯科のインプラント治療は自由診療の代表例で、使用する医療材料に技術料や人件費など必要経費を上乗せした金額設定で、クリニックによって料金もまちまちです。
特別な道具が必要ない介護の場合はどうでしょうか。
イメージが難しい「料金設定」も、アッキーさんのこだわりが詰まったものでした。
ワンコイン介護はなんと「100円」から!
- ゴミ出し「100円」
- 雪はね、買い物代行、料理や掃除など「500円」
まさかのワンコイン介護は、介護保険外ならではの「こだわり」
そもそも宣伝のつもりで始めたワンコイン介護ですが、今も需要が高く継続している人気メニューとのこと。
特に100円ゴミ出しは要望が多く、想像以上に困っている人がいて感謝される機会が多いそうです。
「介護のサブスク」やってます
介護保険外だからこそできる1か月定額料金サービス「介護のサブスク」
一人暮らしをしている高齢のご家族が安心できるように、と始めたサービスですが、いざスタートすると本人からの依頼も多いとのこと。
「遠く離れているから心配」「遠く離れているからこそ心配かけたくない」本人と家族、どちらの思いにも寄り添ったアッキーさんだからこそ安心してお任せできるのです。
料金設定のこだわりは「安くなく、高くなく」
びっしりと文字が詰め込まれている料金表、これにもアッキーさんが利用者目線に立った「こだわり」がありました。
SNSの普及により、情報を得る手段として新聞の影は薄くなるといわれていますが、70代以上の新聞購読率は70%を超えています(出典元:新聞通信調査会「2023年第16回メディアに関する全国世論調査」)
高齢の方は、文字から情報を得る習慣がついているため「紙+文字」で伝えるのが一番理解してもらえるとのこと。
設定料金についてもアッキーさんはこのように語ってくれました。
「簡単なことはタダでもいいんだけど、それでは高齢の方は申し訳なく思い頼めなくなる。
必要以上に高くすると一度きりのお付き合いになってしまう。
だからお互い気持ちよく、持ちつ持たれつの関係を保つためには『払いたくなるちょうどいい金額』がベター」
利用者と同じ目線だからこそ、どんな小さな悩みも相談したくなるアッキーさんは、まさに「介護の便利屋さん」です。
アッキーさんの魅力はラジオ番組「陽のあたる介護」でも!
フリーランス介護福祉士「介護の便利屋さん」として地域に愛されているアッキーさんですが、ラジオでも積極的に介護の情報を発信しています。
ラジオ番組のきっかけは、いいイメージのない介護業界を何とかしたいという思いからでした。
見えないところで頑張っている人、他人に相談できない悩みや在宅介護の苦労などを知ってもらいたかったとのこと。
介護は「する側」と「される側」どちらにも理由があり、思いもあり、苦労があります。
辛いだけじゃなく、よかったこと、嬉しかったことも共有する場として選んだのが室蘭市のコミュニティ放送局「FMびゅー」でした。
堅苦しい番組ではありません。アッキーさんの声に会いにいってくださいね。
FMびゅー「陽のあたる介護」
周波数:84.2Mhz
放送日:毎週火曜日 20:00~20:30
全国で視聴可能です。
詳しい視聴方法はFMびゅーのHPをご覧ください。
まとめ:「介護の仕事を嫌いにならないで」
アッキーさんの印象に残っている言葉が「介護の仕事を嫌いにならないで」
いろんな事情で辞めていく人や、諦める人を見てきたアッキーさんだからこそ出る言葉です。
「介護」という枠にとらわれず、心を込めて楽しむことができる同業者が増えることを望んでいると語っていました。
自分がしたいこと、できそうなことから挑戦してみてほしい、介護の仕事を好きになる人が増えてほしい、これが「介護の便利屋さん」アッキーさんの願いです。
「介護保険外自費サービス:介護の便利屋さん」
フリーランス介護福祉士:豊島明弘(アッキー)さん
連絡先:070-2005-5331
ご自身やご家族の介護についてどんな小さなことでも相談してください。
相談は無料です。