勢いよく上がる火柱。
パンパンと鳴る竹の爆発音。
お正月飾りやしめ縄などをお焚き上げしながら、今年一年の家内安全、五穀豊穣、子ども達の健やかな成長を祈願する「どんど焼き」を知っていますか?
2月3日に千葉県富津市の二間塚(ふたまづか)地区で行われたどんど焼きイベントに参加してきました。
どんど焼き×出店イベント
全国で伝統行事として知られている「どんど焼き」は、その地域によって呼び名や開催日、しきたりなどが異なります。
2024年の二間塚どんど焼きは2月3日(土)に行われました。
二間塚どんど焼きは50年以上の歴史がある地域の伝統行事。
従来は隣組で運営されていましたが、地域住民の年齢層が上がり櫓(やぐら)を組むための若い力が必要になったことから、約13年前に「二間塚交友会」という青年団で引き継ぐことになりました。
「せっかくなら子どもたちの心に残る催しにしたい」と発案した交友会によって、数年前からは地域住民だけでなく一般来場者も訪れるよう、イベント化して開催されています。
とはいえ、コロナ禍は開催を取りやめていたため、イベントとしての開催は今年で3回目。
隣組で運営していたときの来場者は地域住民100人規模の催しでしたが、地元企業の協賛の元、徐々に地域内外に認知されるようになってきています。
そして、第1回目はおよそ500人、第2回目は1,200人と年々来場者数も増えてきました。
竹の爆発音で厄を払うのがどんど焼きの習わしですが、昨年からは太鼓やオーケストラ、DJが奏でる音楽や歌声など「音」にまつわる催しが組み込まれました。
櫓に点火するのは日暮れ時ですが、11時頃から地元で人気のキッチンカーや露店が立ち並びます。
伝統行事×イベントの融合が見ものです!
夕暮れにかけて賑わいを増す会場
私が会場を訪れたのは午後3時頃。
すでにプレイベントが開催されている他、クレープやわらび餅ドリンク、「空飛ぶ湯切りラーメン」西山屋、以前取材させていただいた「木更津焼きそば」などの露店販売が行われていました。
こちらの会場は富津市二間塚「百目木(どうめき)青年館」横の広場。普段は人の気配がしない静かな場所ですが、この日はすでにたくさんの人たちで賑わっていて驚きました。
交友会や地域の皆さんが協力して焼き芋や豚汁などを振る舞ってくれるので、寒い中でもほくほくと過ごすことができます。
温かいものを食べたり露店を見て回ったり、ステージパフォーマンスを楽しんだりしているうちに、だんだん日が暮れてきました。
迫力ある火柱と竹の音
いよいよ17時になり点火式が始まりました。
富津市長や交友会代表挨拶のあと、櫓に火が点けられます。
この炎が高く上がれば上がるほど、その年は豊作になるといわれているんだとか。
そして、この炎や煙に当たることで、今年一年の家内安全を願うことができるのだそう。
しばらくどんど焼きを見つめていると、竹が破裂するパンパンという音が鳴り響き、迫力を増していきます。
炎をバックにしたステージが圧巻
天に上る炎が少し落ち着いた頃、ステージパフォーマンスが再開されました。
こちらは「和太鼓道 大塚」さんによる和太鼓演奏。幻想的な炎をバックに息のあったパフォーマンスが繰り広げられ客席を魅了します。
ファイヤーダンスショーやドラム缶楽器によるオーケストラなども披露され、21時前に大成功のもと閉会となりました。
後日、今回のイベントの来場者数をお伺いしてみると、2,163人もの人が訪れたとのこと!
「たくさんの企業や人々に支えていただき、その方々のつながりでここまで広がったのだと感じています。申し訳ないほどのお力添えをいただいております」と、交友会の廣田さんがおっしゃっていました。
大切にしたい地域の伝統行事
コロナ禍によって開催できない年もありましたが、二間塚どんど焼きは例年2月の第一土曜日に行われています。
私は今回初めて参加しましたが、地域の伝統行事が時代の変化に順応して少しずつ形を変えながらも受け継がれていく様子が垣間見れました。
印象的だったのは子どもたちのにぎやかな声。
大きな火柱を前にかわいらしい歓声が上がっていました。
イベントを通して伝統行事が次の世代へと受け継がれていく二間塚どんど焼き。
来年、再来年とさらにスケールアップしていくのが楽しみです。
問い合わせ先
二間塚交友会
事務所所在地:千葉県富津市二間塚1613-1 二間塚公民館内
メール:futamazukakoyukai@gmail.com
取材協力:二間塚交友会の森山さんと廣田さん