
青森県の津軽地方に位置する藤崎町。
りんごの品種「ふじ」発祥の地として有名ですが、青森市や弘前市などの県内の主要都市へのアクセスが良好なため、近年は子育て世代に住みやすい町として注目を集めています。
筆者の知り合いにも、住みやすさに惹かれて藤崎町に移住を決めた方は非常に多いです。
今回は、子育て支援にも尽力する藤崎町で行われたイベント「ベビー&キッズおさがり交換会」をご紹介します。
おさがり交換会って?
おさがり交換会とは、使わなくなったベビー&キッズ用品を必要なものに交換するイベントです。
子どもの服はサイズアウトが早いですよね。
おもちゃや絵本も興味の移り変わりが早く、使わないけれど捨てるのはもったいないといった経験はありませんか。
もしかしたら、我が家では不要なものが誰かの「欲しい!」かもしれない。欲しい人のもとへつなぐおさがり交換会は、笑顔の架け橋のようなイベントです。

開催前から町の広報に掲載されていたり、町内の保育園にチラシを置いていたり、主催者の意気込みが伝わってくるようでした。
交換会という名目ですが、持参するだけ、もらうだけでもいいので気軽に参加できます。
筆者も未就学児の母なので、ワンシーズンしか着られないなら購入するよりもおさがりが欲しい派です。
サイズアウトしたけどまだまだ着られる服をお持ちの方にとっても、もったいないを減らせる絶好の機会ですね。
当日は快晴!いざ「ベビー&キッズおさがり交換会」へ!

会場のふれあいずーむ館に到着すると、駐車場に大きく案内がありました。
3世代で入り口へ向かうご家族もいて、関心の高さが伺えます。
ドキドキとワクワクの気持ちを抱えながら、筆者も3歳の娘と会場へ向かいます。
手をつなぎながら自動ドアを抜けると、一面に広がる宝の山が迎えてくれました!

10時開始ですが、すでにたくさんのご家族が訪れていました。
みなさん、この日を心待ちにしていたのでしょう。
藤崎町でこれほど大規模なおさがり交換会は初めてですから。

服はサイズ別に並べられていて、お目当てのコーナーがすぐわかるようになっています。
どのような服があるのか実際に手に取ってチェックするのはお店と同じでワクワクしますね。
ショッピングのような気分ですが、お店と違うのはここにあるものがすべて無料だということ。
もちろん制限もありません。
普段と違うテイストの服を選んでもいいですね。
おさがり交換会が大好きな筆者の楽しみ方は、1~2年後を先取りするよりも、すぐに着られるものや次の季節に役立つものを持って帰ることです。
いま必要なものを、必要な分だけ。
そうすれば家に服があふれることもありませんし、愛着を持って大切に着回せます。
いただいた服が不要になったら次のおさがり交換会に持参します。
服にも気持ちがあるのなら、たくさんの人の役に立ちたいと思っているのではないでしょうか。

おさがり交換会は服だけでなく、おもちゃも持参できます。
まだまだ使えるおもちゃの山は子どもたちで大賑わいです。
普段は誕生日やクリスマスしかおもちゃを買わないご家庭も、無料なら笑顔で「いいよ!」と言えるから嬉しいですね。

ベビーラックやベビーチェアなどもあり、高額なのに短期間しか使用しない大物は無料でいただけると本当に助かります。

絵本のコーナーもありました。
こちらは主催者のブックスタート友の会によるブースです。
ブックスタートとは絵本をひらく楽しい「体験」と「絵本」をセットでプレゼントする活動です。
もしも子どもが気に入らなかったらと思うと購入を躊躇ってしまう絵本ですが、無料なら気軽にお持ち帰りできますね。
また、ふれあいずーむ館では「大夢」という図書館も併設されており、児童書が充実しているのでぜひご利用ください。
家族みんなで楽しめるコーナーが充実!
このおさがり交換会の注目すべき点はもうひとつ。
保護者はゆっくりと服や絵本を吟味したいけれど、子どもは飽きてしまうのではという悩みを解決してくれる、プレイコーナーと手作りコーナーです。

ワクワクが詰まった夢のような空間では、子どもたちの元気で賑やかな声が響き渡ります。

ケガをしないようにエアー遊具を支えてくれているのは、藤崎町の社会福祉協議会が行っているファミリーサポートセンターのスタッフです。
ファミリーサポートセンターとは子育ての援助を受けたい人と援助をしたい人をつなぐ事業です。
「ちょっと預かってほしい」「習い事の送迎をしてほしい」などの保護者の要望を地域が協力して受け入れてくれます。
主に高齢者の方が活躍していて、知り合いのおばあちゃんのような親しみやすさが好評だそうです。
藤崎町は核家族での移住者が多いので「ちょっと困ったな」というときに気軽に預けられる場所があるのはとても助かりますね。
ご利用の際は会員登録が必要なので、詳しくは藤崎町社会福祉協議会までお問い合わせください。

魚釣りコーナーは手先の運動と集中力を養う時間です。
かわいらしい海の仲間たちはひとつひとつが手作りで、一人2個までお持ち帰りできるプレゼント付きでした。

折り紙コーナーでは子どもたちがじっくりと遊べるように畳が敷かれていました。
お手玉やけん玉もあって、昔の遊びに触れる機会は貴重ですね。

こちらはサプライズで姿を現したティラノサウルスです。
怯えている女の子や真顔で固まる赤ちゃんなど、さまざまな反応が見られて微笑ましく感じました。

野菜販売では毛豆の詰め放題が1000円でした。
袋からはみ出てもいいという太っ腹なお言葉に甘えて、サボテンのように突き刺している方もいらっしゃいましたよ。

地元の方の手作りの「たんげめー」もち、カボチャもちなども販売されていました。
「たんげめー」とは津軽弁で「とてもおいしい」という意味です。
おばあちゃんの温もりを思い出すような優しい味でした。

その他、ベビーサイン、ベビーヨガのコーナーもあり、乳児をつれた保護者の方が体験されていました。
このようなイベントがなければ知らなかったという声を聞いて、子育てで大変な保護者がほっこりできる体験は周知の機会が大切だと感じます。
笑顔であふれる藤崎町の実現へ!
当日はたくさんの知り合いに会えました。
みなさん口をそろえて言っていたのが「これ本当に無料なの?」という喜びと驚きの声です。
終わりの見えない物価高で、衣類やおもちゃは後回しというご家庭も少なくないでしょう。
日々の生活で大変な保護者にとって、新品の服を一枚買うのも躊躇うかもしれません。
おさがり交換会はそのような悩みを解決に導き、SDGsという物を大切にする活動を体現しています。
また、地域で回す点もおさがり交換会の長所です。
地元の活性化に一役買い、喜びの声がリアルに届くとやりがいにつながるでしょう。
主催者の一人である藤崎町地域おこし協力隊の工藤光さんは、開催前は「みんな来てくれるかなあ」と少しだけ不安な様子でした。
しかし、蓋を開けてみると予想以上の大盛況で、驚きとともに見せてくれた笑顔が忘れられません。
あちこち駆けまわって忙しそうでしたが、来場した方々と楽しそうにお話する様子を見て、地域活性化を担ってくれることに感謝の気持ちでいっぱいになりました。
工藤さんが目指すのは、保護者だけに負担がいかない、地域ぐるみの子育てです。
その熱い思いから今回の大規模なイベントが実現し、藤崎町の後援につながりました。
会場では福祉課の健康相談ブースが設けられており、乳幼児健診でお世話になった保健師さんがいらっしゃいました。
筆者にも声をかけてくださって、娘と笑顔でハイタッチしてくれましたよ。
あたたかな雰囲気で迎えてくれると嬉しい気持ちになりますね。
行政と民間が手を取り合い、町全体で支援をという工藤さんの願いは、藤崎町で子育てをしようと決めたみなさんの願いではないでしょうか。
まとめ
今回開催されたおさがり交換会は、ご縁とものの大切さを教えてくれる心温まるイベントです。
ひとつの活動が誰かのためになる。
ひとつのものが誰かの笑顔につながる。
捨てるのではなく「つなぐ」を選ぶと、みんながやさしい気持ちになれますね。
ちなみに、筆者もこちらのジャケットをいただきました。

花柄と水玉という珍しいデザインにひとめぼれしたのですが、娘も気に入ってお散歩のときに自分から着ています。
きっと来年にはサイズアウトするので、大切に着用して、今度はおさがりする側として持参しようと思いました。
おさがり交換会にとどまらず、来場した方みんなが楽しめる内容を組み込んでいたのが、子育て支援に力を入れる藤崎町ならではだと感じました。
アンケートも実施していたので、次回の開催もそう遠くはないかもしれません。
主催
藤崎停車場通りけやぐ組/藤崎町地域おこし協力隊/ブックスタート友の会 (後援:藤崎町)
施設情報
ふれあいずーむ館
〒038-3802 青森県南津軽郡藤崎町藤崎中村井21-1
電話番号: 0172-75-2288
開館時間:9時から22時(図書館大夢は17時まで)
休館日:毎週月曜日・年末年始(12月29日〜1月3日)
※休日(祝日又は振替休日)にあたる場合は、翌平日が休館となります
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