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歴史  |    2024.10.15

桜の絶景が有名!東北唯一の現存天守・弘前城

日本100名城、そして「現存12天守」のひとつとしても有名な弘前城。

実際に訪れてみると、重要文化財の門の大きさや弘前城公園の広さに圧倒される一方で、天守や櫓の優美さを感じました。
また、現在、本丸の石垣が約100年ぶりに修理中であるため、天守は本丸の内側に約70m移動しており、今しか見られない様子も見ることができます。

そんな一度は訪れてほしい、東北地方唯一の現存天守「弘前城」をご紹介します。

弘前城の歴史

天守内にあった弘前城の本丸模型

弘前城は津軽を統一した津軽為信(ためのぶ)が計画し、天守は、2代目津軽藩主・津軽信枚(のぶひら)によって、慶長16(1611)年、南西隅櫓(なんせいすみやぐら)として築かれました。

しかし落雷で焼失したため、9代藩主の津軽寧親(やすちか)が、本丸南東隅櫓の改築を理由に天守を再建し、それが現在まで残っています。

東北唯一の現存天守

弘前城天守

弘前城の天守は、日本国内でも数少ない「現存12天守」のひとつで、重要文化財にも指定されています。
現存12天守とは、江戸時代またはそれ以前に建築され、現在まで残っている天守のことで、東北では弘前城天守が唯一なのです。

大規模な石垣修理の様子

本丸に入ると、大きな石を使用した石垣が並び、天守が見えてきます。

弘前城の天守は、現在、約100年ぶりの石垣修理のため、本丸の内側に約70m移動していますが、拝観は可能で、実際に登ることができます。

弘前城天守は小規模ながら、見る角度によって趣が変わり、北・西面や内部は質素であるのに対し、東・南面は破風(屋根の端)や懸魚(げぎょ・破風についた飾り)が見られます。

また、本丸や天守からは弘前の町を眺めることができ、天気がよければ津軽富士とも呼ばれる「岩木山」も見られます。(筆者が訪問した日は、あいにくの天気でした)

重要文化財・3つの櫓と5つの門

二の丸辰巳櫓

3つの櫓と5つの門が重要文化財に指定されている点も、弘前城の特徴です。
3つの櫓とは、「二の丸辰巳櫓」、「二の丸未申櫓」、「二の丸丑寅櫓」のこと。

北東にある「二の丸丑寅櫓」や「二の丸未申櫓」は、敵への攻撃や物見のために造られ、「二の丸辰巳櫓」は藩主が弘前八幡宮の山車行列などを観覧した場所といわれています。

いずれも、白漆喰塗(しろしっくいぬり)、屋根は入母屋で銅板葺(当初はとち葺)、防火・防弾のために土造りという良く似た質素な造りですが、細部の作り方が少しずつ違っているところも注目ポイントです。

三の丸東門

5つの門は「二の丸南門」「二の丸東門」「三の丸追手門」「北の郭北門(亀甲門)」「三の丸東門」です。いずれも2層の櫓門になっており、築城当初の慶長16(1611)年に造られたとされています。(北門のみ移築と伝わります)

各門は枡形(ますがた)を構成する土塁(どるい)に囲まれ、降雪を考慮して下階の屋根をひときわ高く作る工夫がしてあるそうで、どの門も大きさや重厚感に圧倒されました。

学びと休憩ができる「弘前城情報館」 

弘前城情報館内に展示されていた、縄文時代の出土品

二の丸エリアにある「弘前城情報館」は、2018年にオープンした施設で、通年開館しています。(天守は11/24〜3/31まで冬季閉館)

巨大な液晶パネルとプロジェクションマッピング動画が楽しめ、御城印やグッズの購入もできます。また、石垣修理の際に盛土の下から出土した縄文時代の土器や鉄鏃などの展示もありました。

おすすめはなんと言っても、桜の季節!

私が今回訪れたのは夏でしたが、弘前城といえば、桜の名所としても有名です。

弘前城のある弘前公園には、御滝桜やシダレザクラ、樹齢140年を超えるソメイヨシノなど、52種類約2600本の桜があり、4月下旬〜5月上旬に咲き誇ります。

弘前さくらまつりの期間には、夜間のライトアップも行われ、広い堀に花びらが散ってできる花筏(はないかだ)は、「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」に選ばれています。

弘前公園と周辺は見どころ満載

外から見るお堀の様子

弘前城だけでも素晴らしいのですが、弘前公園には「弘前市立博物館」や「弘前城植物園」、「レクリエーション広場」、「護国神社」などがあります。

さらに公園の外には、北側に「仲町伝統的建造物群保存地区」、北東に「津軽藩ねぷた村」、東に津軽為信像がある「弘前文化センター」、南東には「青森銀行記念館」など、多くの施設があります。

弘前城だけでなく、弘前公園内部や城下町をゆっくり巡るのもおすすめですよ。

まとめ〜弘前城天守が元の位置に戻るのは早くても2025年度〜

石垣修理前の天守(2012年・筆者撮影)

本丸石垣の修理が終わり、天守が元の位置に戻るのは、早くても2025年度といわれています。(https://www.hirosakipark.jp/ishigaki.html#ishi03より)

現在、天守は本丸の内側にあるため、やや高さも低くなり、小さく見えてしまいますが、石垣の上に戻ると、より迫力のある佇まいになります。

天守が元の位置に戻るときや戻った後、桜の季節、紅葉の季節など、何度でも行きたいお城、弘前城。
周辺にも楽しめるスポットがたくさんあるので、一度は訪れてほしい場所です。

弘前城の情報

住所:〒036-8356 青森県弘前市下白銀町1
電話番号:0172-33-8739
ホームページ:https://www.hirosakipark.jp

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この記事を書いた人

くるみ

京都府在住、歴史が得意な5児子育て中ライター。Webライティング・ブログ・Kindle執筆を中心に活動しています。得意ジャンルは、歴史とWeb3。歴史の勉強、読書、神社仏閣や遺跡、博物館巡りが好き。秋田県に生まれ育ち、大学進学を機に関西へ。京都といえども雅な古都ではない、一味違う京都府の魅力&ふるさと東北の魅力をお伝えします。

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