おしい?もったいない?中津川市の印象って?
岐阜県中津川市は、電車、車で名古屋から1時間ちょっとの人口約7万6千人の市。名古屋のベットタウンというほど近くもなく、中央本線で走っていてもちょっと不安になるほどの田舎の風景の中を潜り抜けてたどり着く小さな街です。
他県の人からは「いいところなのは分かるけど、どんな街かよくわからない」「惜しいんだよね」「もったいないんだよね」と言われてしまう…そんな中津川市民は少なくないはず。
中津川駅前。もったいないと言われる理由はなんでしょうか?
情報を見ると自然いっぱい、山がきれい、水がおいしい、馬籠宿や苗木城跡などの観光地があります…が「どんな人たちが暮らしているのか」「街としてどんな個性があるのか」を考えると「普通の田舎」?なのかもしれません…。
そこで、これからのまちづくりを考えて様々な実験をしているプロジェクト「MOTTO×JIMOTO」に今までの実験にまつわる話、これからのことをお聞きしました。
「つかう中津川」と「MOTTO×JIMOTO」とは?
中津川市では中心市街地まちづくりビジョンとして「つかう中津川」を方針として打ち出しています。目を通してみると「今ある資源を、人を、これからの事業のためにつかうことで、今までにないまちをつくる」というもの。
それは一体今までとどう変わるのでしょうか?そして、その基本方針を元に市街地で様々な実験を行っているプロジェクト「MOTTO×JIMOTO」とのつながりとは…?中津川市役所都市住宅課の大山徹さんによると「MOTTO×JIMOTOは、キャッチコピーのようなものです」とのこと。
中津川市役所都市住宅課の大山徹さん
「中津川の中心市街地の基本方針にのっとりながら、何ができるのか?何が難しいのか?を様々な実験をすることで可視化して、僕らが気が付かなかったことを確認する。そこから今まであるものを活かす方法が見つかるかもしれないと思っています」
大山さんは、公園でのイベント、駅前のイルミネーション、キッチンカー販売などの実験を行っている、アイデアマンです。
「駅前のキッチンカーの実験をする前は、都市緑地公園で1年半ほどイベントの実験をしていました。7月まで行っていたキッチンカーはおおむね好評で、また秋にも行う予定です。主に高校生や観光客、駅前で働く方々が利用してくれています。
実は実験前に、高校生たちがどんな通学路を歩いて高校まで行くのか、どんなお店に行くのか、をリサーチしました。そのうえで『駅前広場でなにかやるのは面白いかも』という企画が持ち上がり、警察署、JR東海さんに確認したうえで、どうやらできそうだということでスタートしました」
馬籠宿に行く海外観光客も立ち寄っており、確かに需要はあるようです。
今後、キッチンカーについては、定番化をしていけるのか?を含めて細やかな分析をしていくそうです。今ある場所で、新たなものを生み出す。今ある素材を使う。まさに「つかう中津川」ですね!
合わない方法、合う方法を模索する
「つかう中津川」の方針。その方針の理由としては「いい場所があるのに活かしきれていないのでは?」「うまく使うとおしゃれになるかもしれないけど、手つかずかも」という場所があるからこその方針でもあります。
「中津川市は山間部の街なので、平地が少ないため、チェーン店をずらりと増やすというのも至難の業です。だったら今ある建物、雰囲気、人を活かして、チェーン店にはない個性的な街にすることもできるのではないか、と思っています」
大山さんはこれまで、まちづくりについて色々な方法を学んできたそうですが「素晴らしい例はたくさんあるけど、中津川には合わないな、という例もたくさんあります。あそこができたから中津川も、という風にはならない事も多いです」と話します。
街の形成、歴史、様々な事情に合わせて魅力的なまちづくりをしなければならないのですね。
では、どんなまちづくりだと中津川に向いているんでしょうか?
後半は「中津川市にとって本当に幸せな街とは?」「これからに向けて」をお伝えします。
中津川市「つかう中津川」