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もの・こと  |    2024.08.30

さかた夏の縁日まつり|山形の夏、ふるさとを感じる湊町酒田の風物詩

ふるさとの夏、地元に帰れば盆踊りの音やにぎやかな声が聞こえてきます。小さい頃、並んだ屋台をみて歩くだけでわくわくした気持ちを覚えています。そんななつかしい気持ちを思い出せるような『さかた夏の縁日まつり』(旧:酒田港祭り・甚句流し)。湊町の潮風に吹かれながら、ふるさとの心地よさを感じられるようなお祭りです。山形の観光がてら、酒田まで足を延ばして訪れてみてはいかがでしょうか?

1|湊町酒田と北前船

祭りの歴史と由来に欠かせないのが北前船です。江戸時代中期から明治にかけて、北前船の寄港地として栄えた酒田。江戸や大阪から運ばれてきた商材で交易が盛んに行なわれ、湊町酒田は繁栄していきました。
交易で得たものはお金や品物だけでなく、文化も酒田へ大きな影響を与えました。とくに印象が強いのが京都の文化です。酒田舞子や京都の食文化を感じられる高級料亭が今も残り、小京都と呼ばれることが誇らしくも思えます。その繁栄や文化が唄にもよく表れています。それが『酒田甚句』です。

2|酒田甚句

酒田甚句の歌詞には、北前船で栄えていたことを表すように江戸や京言葉が使われています。
♪ほんまに酒田はよい港 繁盛じゃおまへんか♪ と歌う言葉は、地元の人が普段使う言葉とは違いますが、小さい頃から何の違和感もなく口ずさんできました。当時はお座敷で盛んに歌われ、北前船で栄えた様子が唄からもうかがえます。

3|さかた夏の縁日まつりの内容

旧名称:酒田港祭り・甚句流しは『さかた夏の縁日まつり』と名前を変えて、日程も新たに行なわれました。会場をいくつかに区切ってさまざまな催しが行われます。

主な内容
【大通り商店街会場】
〇大通り路上
 17:00~17:30 S-Jinku
 17:50~19:20 酒田甚句踊り ※飛び入り参加あり
〇大通り公園 
 16:30~17:00 浜田小学校伝統芸能公演(北前太鼓・天狗舞・獅子舞)
〇大通り緑地公園
 16:30~20:20 ビヤガーデン
 
【中通り商店街会場】
〇中通り・中央公園 
 11:00~20:45 露店出店
 17:00~20:45 ビヤガーデン

【ミュージックフェス】
〇中央公園&中通りストリート  11:00~17:10
〇中央公園ビヤガーデンステージ 17:20~20:45

【はたらく車大集合】
〇中通り 11:00~16:00

メイン会場にほど近い大通り公園では、地元の子供たちが獅子舞や北前太鼓の伝統を受け継ぎ披露します。

中通りには多くの屋台が並びます。香ばしい匂いに誘われてつい足が止まります。子供たちがフランクフルトやかき氷をほおばり、大人はビールとやきとりをつまみに話に花を咲かせます。その光景だけで、なんだかなつかしい気持ちであたたかくなりました。

なつかしい雰囲気の祭りの中に、バンドの演奏が聞こえてきます。ストリートやステージではライブが行われ、祭りに新しい音を加えます。

夕方からメインの大通りでパレードが始まります。酒田甚句に合わせて、華やかな踊り手たちが大通りを盛り上げます。この日はパレード直前に綺麗な半円の虹も出て、会場の雰囲気も一段と盛り上がりました。飛び入り参加のコーナーもあるので、思い切って参加すればさらに祭りを楽しめますね。

まとめ

昔ながらの屋台や盆踊りの良さを残しつつ、ストリートライブやバンド演奏で新しい音が加わった『さかた夏の縁日まつり』。有名で規模の大きいお祭りのような派手さはありませんが、ふるさとの夏祭りを味わえる、気持ちがほっこりする祭りです。
遠方から山形へ観光にきた際には、酒田まで足を延ばして祭りの雰囲気を感じてもらいたいです。それと、もっと多くの地元の人にもこの祭りの良さを感じて欲しいと思いました。また来年、多くの人の笑顔があふれる祭りになりますように。

さかた夏の縁日まつりの基本情報
開催期間 :2024年8月11日(日曜日)/毎年8月上旬開催
住所 :山形県酒田市中通り
交通アクセス :JR酒田駅から車で約6分 日本海東北自動車道 酒田ICから車で約15分
駐車場 :なし

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この記事を書いた人

Tomo

山形出身、酒田市在住のフリーランスライター。自然豊かな田舎町で猫4匹とのんびり暮らしています。都会や海外での暮らしを経て、地元の暮らしの豊かさや素晴らしさをあらためて実感。この街にある魅力を多くの人に知ってもらい、感じてもらいたい。

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