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もの・こと  |    2023.08.08

大正&昭和初期にタイムスリップ!風情漂う長野県渋温泉へ

武田信玄の秘密の銘湯?!渋温泉について

日本の温泉街というと、皆さんはどこを思い浮かべますか?本日紹介するのは、今から約1300年前に仏教僧の行基によって発見され湯地場として栄えてきた全長600mの渋温泉街です。

戦国時代には武田信玄の隠し湯のひとつとして、江戸時代には小林一茶や葛飾北斎などの文人たちも訪れていた由緒ある温泉街です。

温泉街の入り口には素敵なフォトスポット。

地面を掘ればすぐにお湯が出てしまうほど多くの源泉に恵まれた渋温泉。旅館と外湯はどこも100%源泉掛け流しで、それぞれ成分や湯色・効能が異なります。多彩な泉質からぜひお気に入りを見つけてみてください。

街全体が湯けむりに包まれています。

石畳にからんころん湯下駄を鳴らして。大人気!9つの外湯巡り

温泉街には9つの外湯(共同浴場)があり、苦(九)労を流すといわれているそうです。宿泊者は早朝6時から夜の22時まで無料で入浴を楽しむことができます。

お宿で浴衣と手拭い・外湯共通の鍵をもらい、いざ石畳が広がる街並みへ。古風な浴衣に下駄を履いて、1番湯から9番湯までゆっくりと巡る時間はまさに至福のひとときです。

祈願手拭いにスタンプを押しながら巡り、最後に「渋高薬師」に参詣すると厄除けや安産、不老長寿などのご利益があると言われています。(出典:信州渋温泉公式HP)
(出典:信州渋温泉公式HP)
疲れたら足湯で休憩も(^_^)v。
外湯巡りは、街全体が光に包まれる夜もおすすめ。

レトロな街並みを散策しよう!

外湯はもちろん、最大の魅力がノスタルジックな街並み。格子窓や土壁、外に張り出した欄干など、複雑に入り組んだ昔ながらの木造建築が立ち並ぶ風景は、まるで異世界へタイムスリップしたかのよう。

無料で遊べる卓球場や昔懐かしい射的場、夜遅くまで旅人をもてなすBARなどがあり、お子さまからご年配のかたまで1日中楽しむことができます。

射的は大人も夢中になるレトロな楽しさ。
お客様同士の交流も生まれそうなスタンディングバー。
古風なお土産やさんも。
朝食が食べられるラーメン屋さんもあります。
近くには有名な地獄谷温泉。
早朝の景色もまた美しいです。

一度は見たい!千と千尋の神隠しの世界

筆者が夜の温泉街を散歩していたとき、突如現れた見覚えのある旅館。1758年創業の『金具屋』さんは「木造四階建 斉月楼」と「金具屋大広間」が国の登録有形文化財に登録されています。

金具屋さん外観夜景(出典:金具屋)

中には3つの大浴場と5つの貸切風呂、職人が一つひとつすべて異なる造りに仕上げた29もの客室があり、大正~昭和初期の面影をそのままに残しています。

ローマの噴水を模した「ローマ風呂」(出典:金具屋)
斉月楼1階廊下(出典:金具屋)
斉月楼階段(出典:金具屋)

筆者が宿泊した感動の御宿『炭乃湯』。滋味あふれる信濃懐石膳を最高のおもてなしで

筆者が宿泊したイチ押しのお宿が、渋温泉街で最も高いところに位置する『炭乃湯』さん。こちらは山間部ならではの炭を扱う事業から、お宿へ業態変更した歴史があります。

6階建てながら全12の客室という贅沢な造り。最上階にある露天風呂からは、北信五岳、志賀の山々が望めます。

屋上露天風呂(出典:炭乃湯公式HP)

丁寧なおもてなしでご提供いただく地元の食材を使用した滋味深い信濃会席膳は、食前酒からはじまり、御造り・すき焼き・蒸し物・ご飯・デザートに至るまで合計10品以上を堪能することができます。(長野県産牛の白すきやきプラン)

食材には長野県北信産のきのこ類や長野県産牛、中野市産の神農ポーク、飯山市産のみゆきポーク、信州サーモンなど地元の食材がふんだんに使用されています。

どうせなら志賀高原ビールとご一緒に。地酒や信州ワインのご用意も。

なかでも飯山市産みゆきポークは、現在市内の養豚農家4軒のみが生産している希少なお肉。ほぼすべてが市内で消費されるため「幻の銘柄豚」とも呼ばれているそう。柔らかな肉質とコクのある脂の甘みで市民の方々から愛されています。

また、味付けにもお宿の工夫が感じられます。地元野菜は甘味噌で、牛肉は白出汁で、豚肉は白しめじ・黒鮑と一緒に信州味噌で。信濃の味噌文化を堪能できます。

写真左上:鯉のたたきはオリーブオイルも相まって
臭みを感じさせない新鮮さ。

〆には、竹炭と鰹出汁が絶妙にマッチした竹炭麺のほか、野沢菜と皇室献上農家のお米を使った粒立ちの良いご飯まで。

チェックアウトの日は、朝食後にロビーで食後のコーヒーを堪能。出発の際はスタッフの方々に見送っていただき、終始丁寧なサービスをしていただきました。

都内からは車で約3~4時間、日頃の慌ただしさを忘れて、レトロな渋温泉街で癒されてみてはいかがでしょうか?

HP:信州 渋温泉 (shibuonsen.net

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この記事を書いた人

SAORIN

トラベルライターのSAORINです。 コピーライター歴6年。東京都吉祥寺在住。 「Writing=Lighting/書くことは光を当てること」 をモットーに、豊富な取材経験とコミュニケーション力を活かして地域の魅力を発信します! 担当エリアは、吉祥寺や地元の茨城県、旅に訪れた日本各地です。

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