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もの・こと  |    2024.12.02

長崎を「寿司の街」へ。長崎から世界を目指す挑戦~軍艦大作戦~

長崎と聞いて思い浮かぶのはどんなことだろう?

坂の街・カステラ・平和公園・長崎は今日も雨だった・・・?

きっと、長崎と聞いて思い浮かべることは十人十色。その中で、どれくらいの人が「長崎の魚は美味しい」と言ってくれるだろう。

実は長崎は、水揚げされる魚種が日本一。

長崎で刺身を食べたことがある人はきっと「長崎で食べた刺身は美味しい」と言ってくれるはず。

水揚げされた新鮮な魚を使って提供する寿司が大人気で、半年先まで予約が取れない店「握りのはやし」と、長崎のイベント企画会社「長崎百景」がタッグを組んで「長崎を寿司の街」と認識してもらうことを目指し、企画した「軍艦大作戦」。

第1回軍艦大作戦の結末はいかに⁉

軍艦大作戦への思い

「長崎で水揚げされる魚種は日本一。でも、全国的な認知はされていない。寿司職人として『長崎の寿司は美味しいんだ』ということをPRするイベントをしたい」

長崎市の予約が取れない店「握りのはやし」の店主は、熱い思いを抱いていた。

長崎には、世界遺産に登録されている端島、通称「軍艦島」がある。

寿司には、握りだけではなく「軍艦巻き」もある。

当初、軍艦島に上陸して、軍艦島の端から端まで軍艦巻きを作ったら、長崎を全国にPRできるのではないかと考えたが、軍艦島への上陸は諸事情により断念。

高浜アイランドから見える軍艦島

長崎市野母崎にある高浜海水浴場(高浜アイランド)からは、軍艦島がよく見える。

高浜アイランドの砂浜の全長は480m。

これまでのギネス記録に認定された寿司の最長記録は、2015年の富山県「ます寿司」を並べた437m。

軍艦巻きで480mの長さにするには、軍艦巻き10000個が必要という試算。

面白い!!

熱い思いを聞いただけでワクワクした。

『長崎の世界遺産「軍艦島」と、すし屋のアイテム「軍艦巻き」をかけ、全国・世界へ長崎の寿司をアピールするためにギネス記録に挑戦』

果たして、熱い思いは実現するだろうか!?

軍艦大作戦、いざ決行!!

第1回軍艦大作戦が行われたのは2024年11月3日。

寿司の準備や、480m分のテーブルを並べる。

総勢50名の有志により、軍艦大作戦の仕込み作業は3日未明より開始された。

私が高浜アイランドに到着したのは7時。

夜を徹して作業し、もう少しで完成なのではないかと思う位に準備が整えられていた。

テーブルは飛んでいかないように頑丈に固定され、並べた軍艦巻きも飛んでいかないようにプラスチックの蓋をして、頑丈に固定されている途中。

海辺なので風が強いだけでなく、台風21号の影響が…。

10月31日夕方にかけて先島諸島に最接近し、台湾付近へ進み11月2日は温帯低気圧に変わり、本州へ進んだ非常に強い台風21号。

長崎への影響は、一時的な雨はあったものの、3日は「晴れ」の予報。

当日の天気は「晴れ」だったものの、風が吹き荒れていた。

当初、高浜アイランドの砂浜に1本480mに設置するはずだったテーブルは、夜間作業中に風で飛ばされ、固定できる舗道に並べ直された。

作った軍艦巻きがテーブルごと倒れたりして、主催者は一晩のうちに何度も実行できるのかと検討を重ねた。

私の目からは、挑戦に向けて1歩1歩完成に近づいているように見えていた。

寿司職人の熱い思い

9時。

作業をしていた有志が集められた。

握りのはやし)「ギリギリまで実行できないかと模索したが、今回は断念する。風が強すぎる。寿司を楽しみに来場してくれる人たちの安全確保や、砂を被った寿司を提供することはできない。最後まで料理人で居たい」

徹夜作業の有志に伝えられた決断は、寿司職人として妥協を許さない姿勢が強く伝わるものであり、誰も責める人はいなかった。

みんなが口々に「悲観的にならんごとしよう」「こんなことに挑戦したんだって、自信満々でいよう」「落ち込まないで、笑おう」と声を掛け合っていた。

1人1人の一生懸命が伝わってきて、熱いものがこみ上げた。

10時。

1万個の軍艦巻きのうち2000個は、児童養護施設の子ども達を招いて、マグロの解体・マグロの軍艦巻き作りが予定されていた。

マグロ軍艦巻きは、児童養護施設の子ども達が作り、1つずつ丁寧に並べて、海辺で食べた。

大きなマグロが解体され、丁寧にカットされ軍艦巻きの「具」になる。思う存分マグロをのせて軍艦巻きを作り上げる作業も貴重な体験だ。

自分が作った軍艦巻きは、きっと美味しいにちがいない。

美味しそうに食べる笑顔はきっと夜を徹して作業したみんなの心を救ったと思う。

挑戦は終わらない

軍艦大作戦は、高浜アイランドの駐車場のキャパを考慮して3000人の応募者の中から400人の当選者が来場予定であった。

9時過ぎ、急遽Instagramで中止のお知らせを発表したものの、近隣住民や当選者で実際に足を運んだ人もいた。

実際に10000個の軍艦巻きが並べられた様子を見た人たちは「これくらいの砂なら食べれる」「スゴイ!!」「色んな種類の軍艦巻き、子どもが食べれるようにから揚げとかコーンマヨとか、工夫してあるね」と、口々に賞賛していた。

屋外イベントは、やはり天候に左右されやすい。

急きょ中止となってしまっても、文句を言わずに目の前の努力を称える人たちを見て、「長崎人、サイコー」と思ったのは私だけではないはず。

「長崎を盛り上げたい」「長崎を寿司の街へ」

この思いは、次の軍艦大作戦へ引き継がれる。

握りのはやし

住所:〒852-8053 長崎県長崎市葉山2丁目3−14

営業日:月曜日定休
    火曜日~日曜日12:00~22:00
    要予約

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この記事を書いた人

shizuka

長崎県在住のライター。 姉弟の2児の母。美味しいもの、新しいもの、歴史があるもの、楽しいこと、何でも大好き!!「 推し活」と「筋トレ」で元気いっぱい!!興味の幅は無限大。長崎の魅力をたっぷりお伝えします。

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