「端午の節句」は、男の子の健やかな成長を願い鯉のぼりを揚げてお祝いします。
長崎では、「鯉」をモチーフにした鯉菓子や鯉かまぼこを贈る風習があります。
鯉菓子、子どものお祝いをする縁起のいいお菓子なので、可愛らしいイメージを持ったなら、ちょっとビックリするかも。
端午の節句に鯉のぼりでお祝い
長崎では、屋根より高い鯉のぼり♪を見かける機会が少なくなっている昨今。
各家庭で鯉のぼりを揚げる様子よりも、地域で鯉のぼりを揚げている様子を見かけます。
大空に鯉のぼりが泳いでいる姿は、自然と笑顔を誘いますね。
鯉のぼりは、急流を登りきった鯉が天に昇って龍になるという中国の故事「登竜門」が由来とも言われています。
どんな環境でも乗り越えて、力強く生き抜くことができますように…という願いが込められている鯉のぼり。
長崎には、そんな鯉のぼりの「鯉」をモチーフにしたお菓子やかまぼこを贈る習慣があります。
鯉菓子は貴重な縁起物
端午の節句は男の子、桃の節句は女の子の健やかな成長を願ってお祝いするイメージがありますね。
長崎では、桃の節句に食べる桃カステラという縁起物があります。
この桃の節句は、白水堂に行けば1年中購入することができます。可愛らしいので、手土産に持って行き贈り合うという長崎に根付いている縁起物のお菓子です。
鯉菓子は、「初端午のお祝い返し」として贈られることが多く、期間限定の品なので、桃カステラよりも貴重な縁起物という印象です。
鯉菓子(鯉餅菓子)
初節句のお祝い返しに贈られる鯉菓子。
小さな子どもが喜ぶようなお菓子をイメージしましたか?鯉のぼりのようなイメージをしましたか?
長崎の鯉菓子は、そんなイメージを大きく裏切ります。
長崎の鯉菓子は、魚のヌメッとした感じまで表現してある、本当の鯉をイメージした鯉菓子です。
魚が苦手な人なら、「目が怖い」って思っちゃうくらいです。
私が初めて鯉菓子を見たのは多分保育園のころ。怖くて触れなかったけど、母がカットしてくれた「身の部分」が美味しい和菓子だったので、大好きになったことを覚えています。
親戚が集まってワイワイと楽しい雰囲気の中いただく縁起物の和菓子が、何か特別な思い出として心に残っているのは、長崎人として幸せなことだと思います。
お店によって違う鯉菓子
私はやわらかな餅の食感の鯉餅菓子が大好きです。
練りきりで作られている鯉生菓子もあります。
贈答用の鯉菓子は「大・中・小」と、鯉のサイズを選ぶことができますが、なかなか自分で購入することは少ないのが現状です。
季節を楽しむ1人サイズの鯉菓子を作っているお店もあり、長崎の季節の風物詩として鯉菓子が定着していることを実感します。
季節のイベントに合わせた鯉のぼりや、端午の節句を連想させる和菓子を見かける機会も増えましたが「鯉」をアピールしている和菓子は長崎ならでは。
職人さんが作り上げる本物志向の鯉菓子、1年に1度の機会を逃さずに楽しんでみてください。
長崎の桃の節句には「桃カステラ」が定番です。こちらもぜひ、ご覧ください。