3月3日のひな祭り。雛人形を飾って、女の子の健やかな成長を願う行事です。
ちょうど桃の花が咲く時期の行事で、別名「桃の節句」と言われています。
桃の節句に食べるものと言えば、何をイメージしますか?
ちらし寿司?はまぐりのお吸い物?桜餅?ひなあられ?
長崎では「桃カステラ」が定番。
お子さまの健やかな成長を願う縁起の良いお菓子をご紹介します。
「桃カステラ」は商標登録されている
2023年11月15日、長崎県菓子工業組合では桃カステラ審査会が行われました。
桃カステラは、長崎県菓子工業組合が団体商標登録しており、見た目や味だけでなく、断面も審査の対象となるそう。
「桃カステラ」を名乗って良いのは、この審査会をクリアした桃カステラだけです。
長崎では、お気に入りの桃カステラのお店を決めているという人も居るくらい、定番になっている桃カステラ。
伝統と味を守るために努力されている職人さんやお店の方々に感謝して、色んなお店の味を楽しむのもいいかもしれませんね。
長崎の伝統菓子「桃カステラ」
3月3日の雛祭りを桃の節句とも言いますが、これは、桃の種の仁から作った薬湯を上巳の節(3月3日)に飲む中国の風習から来たと言われています。中国で古くから不老長寿の果実として尊ばれている桃と、南蛮貿易により伝えられたカステラを組み合わせたこの桃カステラは、長崎ならではの伝統菓子です。
白水堂より
桃カステラは、「大」「小」で販売されていることが多く、長崎人が思い起こす桃カステラは10㎝前後の桃カステラでしょう。
しっとりと焼き上げたかすてらに桃をかたどった特製のフォンダンが柔らかくとろける長崎の祝い菓子です。
白水堂より
桃のかたちに焼かれたカステラの上に、フォンダン(すり蜜)で桃を作り上げていき、練り切りやマジパンで葉や枝を飾り付けてある桃カステラ。
子どもの頃には、葉や枝から食べたり、フォンダンだけ食べてみたり、子どもならではの食べ方を楽しんだりしました。
10㎝大の桃カステラは、切り分けて家族で食べるのがおススメですが、1人で食べてみたいという願いを叶えられる位、カステラは軽く焼き上げられており、ペロリと食べきることができます。
1人で食べきりサイズの「こもも」や、カステラ生地にチョコレートを合わせてしっとりと焼き上げた「チョこもも」もオススメです。
桃カステラ、いざ、実食
可愛らしい見た目の桃カステラ。どんなお味なのか、気になりますよね??
食べてみて感じるのは、カステラの軽さです。ふわっふわです。
長崎カステラは、しっとりと、しっかりと重みのある生地ですが、桃カステラは上にのっている桃のフォンダンの甘みとケンカしないように、そっと支えてくれているかのような軽い生地。
桃のフォンダンが甘いので、カステラ部分の甘さは控えめに調整してあり、甘すぎない上品な味です。
私は、フォンダンの甘さとスッとなくなっていくカステラ生地をコーヒーと一緒に楽しむのが大好き。
紅茶や緑茶にも合いますし、わが家の子ども達は牛乳と一緒に頂きます。
新定番⁉桃かまぼこ
甘いものは苦手だけど、桃の節句を祝いたい。
そんな要望にお応えして!?桃カステラと同時期に販売されるのが「桃かまぼこ」。
長崎は、日本一かまぼこ店が多く、新鮮な地場産の魚を使用したかまぼこもまた、長崎のイチ押し。
長崎では、かまぼこを「かんぼこ」と言い、強い弾力と濃いめの魚の風味が特徴です。
そんな、かんぼこ大好き長崎人が、桃に仕立てた「桃かまぼこ」も作りました。
晩酌のお供に、わさび醤油で頂く桃かまぼこ。
桃カステラと桃かまぼこが桃の節句のお祝いの席にあれば、老若男女楽しむことができる一席になりますね。
長崎では、店舗に出向いて1つずつ購入可能な桃カステラ・桃かまぼこ。
お祝いの準備や県外に贈る場合には、予約が必要そうです。
県外の人にもぜひ、知ってほしい長崎の桃の節句の定番。ぜひ、ご賞味ください。