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フード  |    2025.04.26

松葉ガニ・ホタルイカ・甘エビ!浜坂漁港の海の幸ブランド戦略に迫る|兵庫県新温泉町

浜坂漁業協同組合 、新温泉町
浜坂漁業協同組合 代表理事組合長  川越一男さん

兵庫県新温泉町の浜坂漁港は、日本海の豊かな恵みにあふれている。

浜坂漁港で水揚げされる松葉ガニ・ホタルイカ・甘エビは、全国的にも高品質と名高い海産物ばかり。

松葉ガニやホタルイカの漁獲量は長年トップクラスで、さらに近年新たな名産として「大和イカ」にも注目が集まっている。

今回は、浜坂漁港が挑む海の幸ブランド戦略について、浜坂漁業協同組合の代表理事組合長   川越一男さんにお話を伺った。


――浜坂漁港では松葉ガニ・ホタルイカ・甘エビが3大海産物だと言われていますよね?

浜坂漁港は松葉ガニ、ホタルイカ、甘エビの漁獲量が全国トップクラスで、この3種を3大海産物としています。

高品質の松葉ガニが比較的安く提供できるため、カニのシーズンは多くの観光客で賑わいます。

松葉ガニ、浜坂、新温泉町
提供:浜坂観光協会

ホタルイカは数十年にわたりトップクラスの漁獲量を維持しており、全国に流通するホタルイカや甘エビの多くが、実は兵庫県産です。

ホタルイカ、浜坂、新温泉町
提供:浜坂観光協会

浜坂漁港では5種類の甘エビが取れます。生のものはほとんど流通されませんが、新温泉町では新鮮な生の赤エビが比較的安価で食べられるお店もあります。

甘エビ、浜坂、新温泉町
提供:浜坂観光協会

冬は松葉ガニが、春にはホタルイカが旬を迎えます。春から初夏にかけて甘エビ、6月から8月ごろは新たにブランド化した「大和イカ」、9月から再び甘エビ。このときに質の高い赤エビが「浜坂艶美(はまさかえび)」になります。そしてまた、松葉ガニが楽しめる冬がくるというわけです。

1年を通じて海の幸を堪能できるので、いろいろな季節の食を味わいに新温泉町へきてください。


――浜坂漁港のブランド海産物について教えてください

浜坂漁業協同組合では、豊富な水産資源を活かし海産物のブランド化に力を入れています。

  • 松葉ガニ:「光輝(こうき)」と「輝皇(きらぼし)」
  • ホタルイカ:「浜ほたる」
  • 甘エビ:「浜坂艶美(はまさかえび)」


5種類取れる甘エビの中でも、赤エビの最高品質のものは「浜坂艶美(はまさかえび)」というブランドで高値で取引されます。それぞれ、品質の高さから市場で高い評価を受けています。

浜坂、新温泉町、海産物
浜坂漁港の3大ブランド


――流通において、工夫されている点はありますか?

浜坂漁港では『解凍しても生より美味しい海産物』をテーマに開発に取り組んでいます。

海産物を新鮮なまま持ち帰れるのは、遠征に適した大きな船と次世代の冷凍技術「プロトン凍結」があるからなんです。「プロトン凍結」を活用すれば、取れたての海産物を船内で急速冷凍することが可能です。この技術によって、遥か沖で取れる海産物も新鮮な状態を保って漁港に持ち帰れるんです。

冷凍、エビ
提供:浜坂観光協会

また、ホタルイカはボイル状で流通するのが主流ですが、我々のブランド”浜ほたる”は船上でパッキングすることで鮮度を保って出荷できるんです。

ホタルイカ
提供:浜坂漁業協同組合

また、都心部の高級店への供給を強化することでブランド価値の向上を図り、市場での認知度を高めています。関西の料亭などが主ですが、最近は関東の専門店などへも供給しています。


――フレッシュな味を家庭でも楽しめるような取り組みもしているそうですね

浜坂漁業の実力をより多くの人に知ってもらうことも、ブランド化の重要な目的の一つと考えています。

生きている新鮮な海産物はほとんど料理屋さんに行ってしまう現状で、一般消費者には「本当に美味しい海産物が届いていない」という課題を日々感じていました。

そこで我々は、船上で急速冷凍したものやパッキングしたものを、家庭にも美味しく届けるために少量パックで販売するなどの工夫をしています。

ホタルイカ
提供:浜坂観光協会

「プロトン凍結」技術を駆使し、新鮮な状態を保ったまま提供することにこだわり「解凍しても生より美味しい」と言われるほどの品質に仕上げたのが、我々の強みですね。


――新しいブランド「大和イカ」についてもお聞かせください

スルメイカの不漁や価格高騰対策を考える中で「ドスイカ」に注目しました。

見た目が悪くて甘エビと一緒に網にかかっても捨てていたイカですが、身が柔らかくて、天ぷらにすると食べやすく美味しい。子どもや歯の弱い方にも喜ばれる食材だと分かったんです。

そこで、私たちの漁場から名前を取って「大和イカ(やまといか)」と名付け、ブランド化を進めています。大和イカをブランド化するにあたって町民にふるまうイベントを行った際は、多くの方から好評でした。新聞社などのメディアからも注目いただいています。


――今後の漁業活性をどのようにお考えでしょうか?

気候の変化によって海の環境はどんどん変わっています。昔は近場の海で小さな船を使って漁をしていましたが、現在は大きな船で遠くの漁場まで行き深い所から大量に取るスタイルが主流です。

環境の変化とともに私たちも多様性に注目しながら浜坂の海産物の魅力を発信し、人を呼び込み、地域経済の活性化につなげていきたいと思っています。

船、イカ
提供:浜坂漁業協同組合

浜坂漁港の豊かな幸を食べに行こう

浜坂漁港は、四季折々の海の幸に恵まれた港町だ。

冬の松葉ガニ、春のホタルイカ、夏と秋は甘エビや大和イカ ──訪れるたびに旬の味わいとの出会いが楽しめるだろう。

漁師たちが誇る浜坂ならではの海の幸を味わいに、ぜひ新温泉町へ足を運んでみてほしい。

浜坂漁業協同組合

住所:兵庫県美方郡新温泉町芦屋663-1
電話番号:0796-82-3020
営業時間:8:00-17:00
定休日:土曜日(その他不定休)

公式サイト:https://hamasaka.gr.jp/
Instagram:https://www.instagram.com/jfhamasaka/
X:https://x.com/jfhamasaka

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この記事を書いた人

まな

関東在住。フリーランスでWebマーケティングサポート全般を行っています。20年以上におよぶ会社員生活で得た、さまざまな地域や人との出会いが人生の財産になっています。Mediallでは、地元や旅行先などで出会う「オンリーワン・ナンバーワン」をお伝えしていきます。

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