こんにちは。Mediallライターのさたけのぞみです。
水にまつわる名所が豊富な南阿蘇地域。今回は小さな集落で地域の人に大切に
守られてきた塩井社水源をご紹介します。
まるでアニメの世界に出てきそうな懐かしい雰囲気と、エメラルドブルーの水が神秘的なスポットです。
小さな集落の暮らしに溶け込んだ塩井社水源
塩井社水源は、南阿蘇村中松という集落にあります。
集落内は牛舎にいるあか牛も見られる、のんびりとした雰囲気の場所です。
水田が広がるこの地域では集落内のあちらこちらで水路を勢いよく流れる水の音が聞こえてきます。
私が行ったときは稲穂が大きく育って、まさに「稲刈り間近!」という感じでした。
塩井社水源は近くに駐車場がありますが、水路脇の道をお散歩しながら行くのも気持ちが良いですよ。
風を感じながらお散歩。阿蘇では秋が1番気持ちが良い季節です。
塩井社水源は水神さまを祀る塩井神社の境内にあります。
塩井社水源の由来について説明する看板を見つけました。
創建は平安朝ということで、かなり歴史がある神社ですね!
神事でお清めをするときに、塩を用いることから「塩井」という名称になったとのこと。
看板から、長年こちらの湧水が地域の生活用水、灌漑用水に使われてきたことがわかります。
毎分5トンの湧水量を誇る水源
お社の隣に水源の池があります。
エメラルドグリーンとブルーの中間のような色。澄み切っていてとても綺麗!
水源の中に小さなお魚が泳いでるのが見えます。
よ~く目を凝らすと池の中の砂がポコポコと動いて水が湧いている。
「あぁ、本当にここで水が生まれているんだ…」と感じますね。
塩井社水源の湧水は「南阿蘇村湧水群」として環境省選定「平成の名水百選」にも
選ばれています。
塩井社水源は毎分5トン、1日約7200トンもの湧水量があるとのこと。
すり鉢状のカルデラに溜まった雨水が濾過されて湧いてくるそうなので
まさに阿蘇の地形の賜物と言えますね!
水源横にはくみ出し用の柄杓とコップ。
水源のお水は飲むこともできますが、雨が降った後は濁っているという地元の方の話もあるので、自己判断で試してみてください。
水源の水は水路につながっています。
水源で遊んだり泳いだりすることはできませんが、水路を少し行った先に足を浸して遊べる場所がありますよ!
地域の尽力で湧水が復活
今でこそ豊かな水を生み出している塩井社水源ですが、
2016年の熊本大地震後には、一時水が途絶えてしまったことがあるそうです。
神社も被害にあい、本殿の前の拝殿は倒壊してしまいました。
現在ある拝殿はその後に再建されたもの。比べてみると新しいのがわかりますね。
拝殿の一部に元の拝殿の木材が使用されていました。木の色が違うのがわかりますか?
波紋のような模様が、水神さまの神社らしいですね。
一度は水が途絶えてしまった塩井社水源。
復活を願う地域の方の思いが通じたのか
地域の方々がポンプを使用して溜まった濁り水や落ち葉を除去する作業を続けていたところ、
また元の湧水が湧くようになったとのことです。
まとめ
地域の方々に愛され、大切に守られてきた塩井社水源。
とてものどかなところなので、遊びに行くときはマナーを大切に
ゆっくり過ごしてみてはいかがでしょうか!
施設情報
塩井社水源(しおいしゃすいげん)
〒869-1505 熊本県阿蘇郡南阿蘇村中松1655
料金:入場無料
駐車場:あり
参考)
みなみあそInfo https://minamiaso.info/spot/shioishaspring/
南阿蘇村HP https://www.vill.minamiaso.lg.jp/dynamic/info/pub/detail.aspx?c_id=29&id=20
NHK 熊本NEWS WEB「地震のあとに一度枯れた南阿蘇村の塩井社水源 住民が清掃活動」https://www3.nhk.or.jp/lnews/kumamoto/20230416/5000018816.html
COLOCAL「熊本地震を経て蘇った塩井社水源のこと」https://colocal.jp/topics/lifestyle/hinata/20181008_118074.html