穴森神社は大分県竹田市神原の山奥にある神社で、神社の裏に洞窟があり探検することができる珍しい場所です。嫗岳(うばだけ)大明神の化身である大蛇が棲んでいたと伝えられる洞窟を神社の御神体としています。竹田市のシンボル「岡城」の築城主、緒方三郎惟栄(おがたさぶろうこれよし)はこの大蛇の末裔であるといわれています。
大蛇伝説と、ここにある洞窟のミステリーにちょっとだけ触れたいと思います。
穴森神社への行き方
竹田の入田から8号線を神原に向かって走ってると見えてくるのが六連橋です。水路橋では日本一長いらしくみごとな石橋です。
さらに進んでいくと道と並行して流れている神原川。祖母山から湧き出るキレイな川で神原渓谷になっています。
穴森神社の看板が来ました。ここを左折します。
穴森神社の鳥居が現れますがこの鳥居は車では入っていけません。軽トラなら上れますが細い急坂なのでここは直進します。
駐車場に到着しました。5台ほど駐車できます。
あの白い鳥居が穴森神社です。
緩やかな道を歩いて上っていきましょう。
入り口には白い鳥居。2016年更新となっています。まだ新しいです。
この鳥居をくぐると一気に空気が変わります。高い杉に囲まれて神秘的な雰囲気。奥へ歩いて行くと赤い鳥居が見えてきます。
神社といえば山の中にあって杉の大木におおわれてることが多いです。ここも同じようにひっそりとした山の中にあります。
神秘的で神聖な雰囲気です。
歩いてる途中におばちゃんと遭遇 。前に来たときも会ったんですが、このおばちゃんは穴森神社のお世話していて、毎日のようにここに足を運んでいるらしいです。なんでも自分の祖先が建てたとのことで、できるだけここを管理していきたいとおっしゃってました。そのため、参道には落ち葉もなく本当にキレイです。
話し好きで、30分くらい色々話してくれました(◍•ᴗ•◍) 人生の先輩の話は勉強になるなぁ。86才らしく竹田からここまで車を運転してくるらしいです(30分くらい)。すごいなぁ~
後ろからパチリ。また会おうな〜 お元気で!
看板の説明
穴森神社と大蛇伝説
穴森神社は古くは池明神や池社と呼ばれ社殿裏の岩穴は水をたたえた池であったと言われています。池の中には大蛇が住んでおりご神体としてあがめられていました。
江戸時代初期に岡藩三大藩主中川久清の命により、池に穴を開けて水が抜かれ元禄16年(1703)には池底の洞窟から大蛇の骨が発見されたと伝えられています。
また源平合戦で緒方三郎惟栄の活躍書かれた「平家物語緒環 おだまき」の章には惟栄が恐ろしき者の末裔であると紹介され、うばだけ(獄)大明神(大蛇)と華御本姫(はなのおもとひめ)との神婚(神と人との結婚話)が記され大蛇が住んでいた洞窟が穴森神社であるとされています。
「平家物語」緒環(おだまき)伝説
「昔々、豊後国の山里(大分県豊後大野市清川町宇田枝とされている)に美しい娘(華御本姫)が住んでいました。
いつの頃からか、娘のもとに素性の知れぬ不思議な男が夜な夜な通ってくるようになり、やがて、娘が身ごもったため、母が不審に思い娘に問い尋ねると、娘は、「男の来るときにはわたしの目にも見えるが、帰るときは何も見えない」と話しました。
母は娘に男が帰るとき針で「緒環」(糸巻き)を通して、そっと男の襟に刺しなさいと教え、娘は教えどおり、男の襟に針を刺し、何も知らずに帰った男のあとをたどると、日向国(宮崎県)の境にそびえる嫗嶽(祖母山)の麓ある大きな岩屋の中に糸が続いていました。
岩屋の奥では、異様な唸る声がしていたので、娘は『一度お姿をお見せください』と言うと、奥から『わしは人間ではない、見ない方がよいだろう』と返事がありました。それでも娘は『見たい』と重ねて求めると、声の主が奥から初めて姿を見せました。それは嫗嶽の主と思われる巨大な大蛇で、針が喉笛に突き刺さっていました。
大蛇は『お前の腹の子は男の子であり、弓矢打物を取らせば、九州二島に並ぶ者はあるまい』と告げました。
間もなく娘は、大蛇の予言どおり男子を出産し、母方の祖父大太夫は、自分の名に因み大太と名づけました。
大太は夏冬にも手足にアカガリ(あかぎれ)ができたので、アカガリ大太と呼ばれました。緒方三郎惟栄は、このアカガリ大太の五代の孫であり、このように恐ろしいものの末裔とし、九州の武士たちはみな惟栄に従いました」
と、嫗嶽大明神(大蛇)と華御本姫(はなのおもとひめ)との神婚伝説(神と人との婚姻話)が記されています。
神聖な雰囲気! ここもきれいに手入れされてます。
七福神がいらっしゃいます。まだ新しいです。
夫婦杉、真っすぐ伸びた立派な杉です。
この岩はなんだか分かりますか?無造作に置いてる岩ですが、よく見ると目と口があって大蛇の頭になってます。コケむした緑色をしていて、ずっと見ていると大蛇に見えてきます。
洞窟に入ってみました!
本殿、全面がガラス張りになってます。神殿が見当たりませんがこの本殿の奥にあるのがご神体である洞窟です。
本堂の裏に回ると、穴森洞窟へ続く階段があります。ここから降りていきます。
洞窟の入り口が見えます。昔はこのあたり一面に水が溜まって池になっていたんでしょう。
階段を降りていきます。
洞窟の入り口から本殿を見ると、だいぶ低いところに洞窟があるのがわかります。
200円投入したら電気が20分間つくようになってます。僕はヘッドライトを持ってきたので利用しません。予備のライトも念の為持っていきます。
ポッカリと大きな穴が口を開けてます。ここが入り口。
暗くて怖っ!ちょっとした冒険気分でドキドキ!変な生き物がいないといいけど入り口は天井が低いので少しかがんで入ります。
中に入ったら立てる位に高さはあり、結構広いです。天然の洞窟でしょう、大きな石や小石がゴロゴロしていて歩きにくいです。
さらに進んでいくと、天井が低くなってくるためしゃがんで四足歩行で前進します。手をつくので軍手をしていた方がいいです。子供ならすんなりくぐれそうです。灯かり用の電線が天井に沿って奥に行っています。
奥まで来たみたいです。広い空間になっていて天井も高いです。これ以上道はないのでここで行き止まりのようです。
簡素な祭壇があり、ろうそくを立てられるようになってます。そこに何かお供えしてあります。近づいてよく見たらパックの玉子でした。子宝の願いが叶ってのお礼なんでしょうか?
それとも蛇の大好物のたまごをお供えしているんでしょうか?
周りを見渡してみると特に変わったところはないようです。コウモリはいないし、変な虫も見当たりません。ここでお願い事して引き返すことにします。
帰りに気が付きました、子授け石。そういえばおばちゃんが子宝にも効くって言っていました。ここの小石を持って帰り、願いが叶ったらその小石をまた元に戻しておくそうです。
出口です〜。光が見えてほっとした~(◍•ᴗ•◍) どのくらいの長さだろう、50メートルくらいもぐった気がします。大蛇が出てこなくてほっとしました。備え付けの電気をつければすごく明るいので安全に入れると思います。安心して入ってみてください。
穴森神社:大分県竹田市神原1432